■第 2 章 恋太郎の誕生日 (恋太郎編)
時計は午前1時
「じゃあ沙羅、いこうか….」
「うん、」
あの誕生日の夜から、二人は時々、夜中に沙羅と事務所のソファーに
抜け出すようになった。
元々双樹は、朝ご飯を作ってくれることになっていたので
夜には、弱い
そして、双樹が寝た後は、沙羅と俺の、秘密の時間が始まるのが常だった。
ブラインドだけが月の明かりを遮っている、
そんな薄暗い事務所の中で、俺は沙羅と体を重ねながら時々
こんなことを考えていた。
「いつか、この輪の中に、双樹も入ることがあるのだろうか?」
でも、その考えはいつもまとまらないまま、リズミカルに訪れる快感と、ゆ
るやかに薄れる意識の先に逃げていく。
ただ、それはきっと、そのときが来れ
ばどうということもなく......
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