■第 1 章  ネギ  の試練

 

 

まほら学園パラダイス計画

 

 

みやざき のどか編

 

 

  

 

               

 

 

「なあ、ネギ君。インターネットに載ってる、世界の長者番付に 入ってる

スプリングフィールド企業名があるけ、関係あるん?」

 

 授業後の休み時間に、教室でインターネットしていた  が、何となくとゆう感じで

ネギに尋ねた。

 

「いえー、僕の親戚にそんなお金持ち居ないですよ」

 

 何処にも突っ込むとこのない返事だったが、

教室中の鋭い視線 は、ネギの宙を泳ぐ目線、後頭部を掻く右手にチェックいれていた。

 

「ゴメン、ゴメン。そんなことある訳ないわなー」

 

「そうですよー」

 

 

 ハハハと笑って逃げてゆくネギの背中を見ながら、

教室中の女子中学生の思考回路としては至極当たり前の結論を導き出していた。

 (やはり 王子さま!)

 

 しかし、単におもろいことを探していたゆえが、予想外の調査結果に、教室全てを大きく巻き込んでいくとは、本人でさえもまったく考えてもいなかったのだが。

 

 

(今日こそは、今日こそは、きょうこそは。)

 

 いつものようにのどかは舞い上がっていた。

 

「あ あのネギ先生、実はこのチケットのことなんですけど」

 

「あーっ!!」

 

しゅぱっ

 

したっ

 

「映画のチケットやーっ_

 

「ほほう」

 

 

 お約束どうりに周りの確認もせずに誘ってしまったのである。

 

 のどかが諦めかけたとき、一番そぐわない人が助け舟を出した。

 

「あー、もう、みんな進歩がないなー。のどかは、先生と二人だけで行きたいに

決まっとろうが。」

 

(へっ)

 

 ほのかが我が耳を疑っていると、ゆえが真っ赤になって首を振っているのどかを引っ張て来る。

 

「なっ、ゆえ。私はそんな。」

 

 普段とは違う、ゆえの包み込むような問いかけに、のどかもつい、素直に従ってしまう。

 

「じゃ来週の土曜日で決定!」

 

 ネギものどかも顔を赤くして黙ってしまい、ゆえの仕切りで二人のデートが決定した。

 

  三時間後、ネギはゆえによばれて図書館の前に立っていた。

 

「ゆえさん、なんでしょう?」

 

昼間から眠そうなゆえが、このときは、きちんとまじめに本を読んでいた。

 

 

「あ、先生。待ってました。」

 

「お待たせして、すみません。」

 

「はい、少し先生にに話しがあるのですが。」

 

 

「先生・・・・・。」

 

 普段なら、絶対に言い淀むことなど無いゆえが言いにくそうにしているのを見て、

ネギの中に段々と緊張感が生まれ、そしてその緊張感に負けたネギが会話の口火を切った。

 

「いやー、さっきは助かりました。」

 

「気にすることないです、私からの餞別がわりです。」

 

「えっ、餞別って。」

 

「私 寮を出ようと思ってるんです。」

 

「えっ。」

 

 大きく目を開いたネギが、確認を求めるようにゆえきつねを見つめる。

ゆえは悲しそうにうなずいた。

 

 

「どうしてですか、ゆえさん、出て行かないで下さい。俺に出来る事なら、どんな事でもしますから。」

 

「先生、私のこと、どう思ってるんですか?」

 

 ゆえは冷静に静かに問いかける。

 

「え…..

ネギは、状況が分からず戸惑ってる

「みなさん大好きですよ!」

 

「私も、みんなが大好です。だから、誰一人不幸になって欲しくないです。」

 

「それって、いったい?」

よしよし 食らい付いて来ましたね。

 「実は、クラス内で先生の事をおもってる子って多いんですよ、・・・

一週間程前のことなんやけど、のどかが、駅前の外れの廃奥に

、連れ込まれそうになってたんです。」

「そんな!」

「大丈夫ですのどかに手が及ぶ前に図書館探検倶楽部遊撃隊が処理しました。」

 

「ただ、相手の男の話しによるとどうやら雇われたそうです。」

 

「クラスの子は、先生ことが好きなんです。普段、へーきな顔しとるけど、

本当は辛いんです。

苦しいです。

今はのどかが先生に対して一歩リードしてるけど

立場が変わればまどかが誰かを狙うかも・・・

そんなまどかを見たくないです。だから、

でていくんです そんな子は、他にも多いはずです。」

 

 ゆえは、涙目で、ネギに訴える。

 

 しばらく沈黙が続き、やがてネギがそれを破った。

 

「ぼくが、学園を出ていくよ。そしたら、前みたいにみんなで楽しくやれるでしょ。」

 

「違う、それは違うで。確かに 先生が来る前もそこそこ楽しゅうやってたで、

けど、今とは比べようがないです、今の学校は、は先生を中心に動いています。

そんなことしてももう、以前のようには、もどれません。」

 

 

「いやだ、我がままかもしれないけど、ぼくは誰も失いたくないんだ。」

 

「先生、  先生が大変な苦労をすることになるけど、

それでいいのなら方法が一つあります。」

 

「ゆえさん、言って下さい。どんな大変なことでもやります。」

 

 一瞬の躊躇も無く、ネギが答える。

 

 

「分かりました。」

 

ネギは素直に頷く。

 

(よし、うまくいきました。)

 

「じゃあ、とりあえず、のどかを先生のモノにして下さい。」

 

 ゆえは内心の笑いを隠し、そう言った。

 

 

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