■  三千院家の首輪   2  ( ハヤテ  マリア )

 

 

「そんないきなり」

マリアさん、すごい・・・

 

マリアの手はハヤテのネクタイをほどきにかかっていた。

 
しゅるり、と解かれたネクタイが宙を舞い、床に落ちる。

 

 ワイシャツのボタンが上から順番にゆっくりと外されていく。 
ぷち、ぷち 

「あっ、っ!? こ、こんなところで……! だ、だめっです

 

「ハヤテ君、私は、魅力的ですか?」


 マリアは、そう言いつつ、僕を抱き締める。


 胸に感じられるマリアの感触がなんとも


「え、ええ。ものすごく魅力的です」


 辛うじて、それだけを答える。


「綺麗です、マリアさん 初めて出会ったころから、、、」

クス クス クス
「ありがとう、でも 外見だけで女性を見るのはいけませんよ?」


「勿論、性格も、家事も、申し分ないと思ってます」

(すこしマリアさん、コワイところもあるけど・・・)


「ハヤテ君がそうおっしゃるのは嬉しいんですけど、意図的に『別の中身』について
言及するのを避けてらっしゃいませんか?」


「そ、そうですかあ?」

 いつの間にか、完全にマリアのペースになっている。


「じゃあ一人の女としては魅力的ですか?」


「え、あ、は、はい」


「口先だけではなく、誠意を見せて下さいますか?」


「い、いや、その、いくらなんでもいきなりでは、?」


「やはり私に魅力がないのですね?」

上目遣いでハヤテを見つめる。

(うわちゃ〜マリアさんカワイすぎ)


「違いますよう


 これじゃあ、まるで俺がマリアに『そういう行為』を望んでいるみたいじゃないか。


『全く望んでいないのですか?』と問われると『いいえ』と答えざるを得ないのも事実
なのだが、それでもマリアの誘導尋問は上手すぎる。


 これも大人の女性のなせるワザなのだろうか?

(1歳違いだけなのだけど)


 マリアの慰める行為を除いてしまった瞬間から、既に術中に嵌っていたのかもしれない。


 それにしても、マリアは狙っているのか、それとも天然なのか?


 そう思いつつも、先程から絶えず燻り続けている欲望が増してゆくのを感じていた。


『マリアが嫌がっているワケじゃないんだから問題ないだろう』


 そう思った瞬間、俺はマリアの柔らかい身体に触れていた。


「あ


 マリアは小さな声を漏らす。

 

最後の一線を踏み越えるのは簡単だった。

 僕は、ソファーにその身体を横たえマリアに圧し掛かり、

メイド服のエプロンに手を掛ける。



メイド服のエプロンをずらし、服を脱がせると、ナギとは、違う、

マリアの白く豊かな胸が露になった。

ごく
 思わず見とれて、生唾を飲み込んでしまう。


 マリアの胸に触れるべく、恐る恐る両手を伸ばす僕だが、ぴたりとその手を止める。


 不幸のオンパレードの生涯であろう僕が、本当にこのような行為に及んでいいのだろうか?


 そんな思いが、僕が次の行動に踏み切るのを躊躇させていた。


「ハヤテ君


 戸惑っている僕の様子を見て取ったマリアは微笑みを浮かべ、中途半端に伸ばされた
俺の両手首を優しく握り、自分の双丘に導く。



 僕の手の平一杯に広がる、マリアのふんわりとした胸の感触と身体の温もり。


「ハヤテ君の手暖かいですね」

「はい。、、、、」

 

今の僕はそう言うのが精一杯だった。


 咽喉もカラカラに乾き、心臓もドクドク鳴っている。


 僕を見つめていたマリアは半身を起こし、今度は僕の頭を抱きかかえる。
「んん


 思わず、咽喉に何かを詰まらせたような声が漏れてしまう。


 だが、それ以上に、顔面一杯に感じられるマリアの柔らかい胸の感触と体温、そして
鼻先から漂ってくる甘い匂いで頭がぼうっとした感覚に襲われているのもまた事実だった。
 僕は、マリアの胸から手を離し、彼女の腰に手を廻した。


「ハヤテ君落ち着きましたか?」


「はい。でもなんだか赤ん坊になった気分です


「ふふっ。だったらそろそろおっぱいの時間ですね」


 マリアは、抱きかかえた僕の頭に自分の頭を乗せて呟いた。

 マリアを味わいたいという欲望の方が意識を覆っていく。


 僕はマリアの胸の先端に佇む、綺麗な桜色の乳首に吸い付いた。


「ふぁっ


 びくりと身体を震わせ、息を飲むマリア。


 舌でころころ乳首を転がし、ちゅうちゅう吸い始めると、徐々に固くなってゆくのが感じられる。


 マリアの乳首を含んだまま、舌で胸に埋め込むように押すと、弾力を持ったそれは
僕の舌を押し返してくる。


「はあぁぁ
 マリアはうっとりとした声を漏らす。


 僕も知らず知らずのうちに陶酔し、いつしか夢中でマリアの乳首に吸い付いていた。
 自分の耳にも、マリアの乳首を吸引する甲高い音が聞こえる。


「ハヤテ君


 マリアの声で、僕は我に返る。

「ハヤテ君 テクニックがあるようなんですけれど お姉さん、

チョット、気になっちゃいますね。」


「実は、数年前までホストクラブのウエイターのバイトをした時、色々教えてもらったん  です、・・・・でも僕初めてですから。」

(仕事抜きの場合だけど)

 

「・・・・私も初めてですから。初心者どうしですね。」

 笑顔を浮かべつつ、恥ずかしそうに、マリアは相槌を打った。

 

「そうなりますね」

(マリアさんゴメンナサイ実は、歌舞伎町 裏リスト番外篇に載っても良いほど程の

レベルだったんです。あの頃は、○成年だったので裏リストには、

乗りませんでしたが・・・・)

 マリアの白い下着と股間との間に、ほんの一瞬だけ、粘液の細い一本の糸が引いたのを
僕は見逃さなかった。


 僕の眼の前に露になっているマリアさんの下半身。

 

 所々、愛液で滲みだしている。

 僕は、マリアさん秘部にの指先の平をあてがい、更に左右にマッサージし始めた。

 

「ハヤテ君に……恥ずかしいです

 

秘部からも愛液をとめどなく湧き出させている。



 僕に全てを晒しているという羞恥心に打ち震えてか、マリアさんは腰を小刻みに震わせ 溢れ出た愛液は、マリアさんの太ももと僕の指を伝い、ぽとりと雫となって
滴り落ちた。

細く射しこむ月明かりが、マリアの顔に濃い翳りを落とし、輝かせた。
僕は、眩いばかりの裸身をうっとりとみつめた。

 

その思いを振り捨てるように、舌と舌をからみあわせた。

 

 マリアの体から発散する甘酸っぱい匂いが、僕をたちまち欲情させた。



「あ……
 深い溜息のような声を出し、マリアはぴくん、と僕にしがみつくようにする。

 

Fin

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