12/01

 クラスメイトらと一緒にマクドナルドに行ったら偶然うちのクラスの女子がいてしかもそれが連れの一人が好きな女子で暫くしてその連れが急にニヤニヤし始めるから何かと思えばその女子が帰るときそいつにバイバイって手を振ってくれたんだとさあぁそりゃとても素晴らしい事ですねでなして貴様は俺を優越感に浸った目で見てますかこの野郎片想いってやっぱいいよな〜とか言いやがって俺が両想いの方がいいんじゃねぇのと言うとまだ恋愛を知らないガキなんだなハッって目で思いっきり見下しやがって大体少女漫画は恋愛漫画と言うけれど大抵恋だけで愛は無いよなとかどうでもいいこと考えたり畜生俺だって初恋が幼稚園の保母さんとか甘酸っぱい想い出欲しいよそんでもって幼馴染がいて小学校はずっと同じだったけれど中学で別れて高校でまた再開したら凄く成長してて速攻惚れるけれど相手には中学のときに既に彼氏ができていたので密かに見守るけれどいざこざで二人が別れちゃってショックを受けてる幼馴染の空虚な心を埋めるために頑張って励ましてあげるけれど内心では冷静極まりない打算を働かせていたりするちょっと切ないハートフルストーリーな生活を送りたかったよどうせ何を言っても僻みにしか聞こえませんかそうですか。一体何を僻んでるのか知りませんが。




12/06

 前略お爺様。牛丼の事を「肉どんぶり」って言うのやめてください。




12/13

今はテスト中。聞こえるのはシャープペンシルの紙との摩擦音。響くのは微かに椅子を動かす音や教師の足音。深淵さなどとは程遠い教室も、この瞬間だけは静寂に包まれる。この自然であるが非日常な空間では、自分の考えが外に漏れているのではないかと疑問の念すら抱く。そう、僕は考えている。このクラスの人間達を対象に。僕は彼等を妄想の中で弄んでいる。例えば前に座っている男子。僕は彼が笑い、悲しみ、何か行動を起こす様を思う存分捏造し、歪めさせる。彼の思いきり楽しそうに笑っている表情はそのままで、風景を葬式にしたりしている。彼の悲しそうに泣く表情を、誰もが笑っている漫才の場面に当て嵌める。これは、同人女が好きな作品を己のちゃちな想像で塗り回し、汚している様と同義だ。僕は彼等を汚している。この間はクラス全員が実は生き別れの兄弟だったという設定で物語を綴った。付き合っている二人がその事実を知ったときの、苦痛に歪めた顔。『俺はお前のことが好きなんだよ!』『だって私達は兄妹なのよ!?』『だからなんだって言うんだ! そんなことは関係ない!』『フラグ立てなきゃいつまでも血は繋がったままなのよ! フラグはどこ!? フラグは! このフラグマン!』 真実により崩壊するクラス。家庭。未来。僕はそういったものを想像、いや、妄想し、口の端を静かに吊り上げる。しかしこれを書き留めるようなことはしない。一度これが露呈されれば、妄想でなしに僕の状況は破壊されるであろう。記録となるものすら残すわけにもいかない。誰にもバレないよう、僕の頭の中だけに収めている。誰も僕がこんなことを考えているなどとも露知らず、のうのうと日々を送っている。そして僕は非日常の物語を密かに綴る。実に巧妙な遊びだ。これほど面白い遊びが果たしてあろうか


「そう思いませんか? 先生」
「そうだな……考えるのは勝手だがそれをテスト中に口に出し且つ見回り中である教師の私に感想を喚起するのは限りなく稚拙なやり方だと先生は思うな……」




12/14

 授業中にですね、時間が余って来年の抱負なんてものを訊かれましてですね、僕は無難に「何も無い」と答えたんですがね、一人の男子がですね、「自殺しないようにする」なんて言いやがりましたね、皆マジ引きしてですね、無理して作った乾いた笑いに教室は包まれてですね、とても教室の雰囲気が悪くなったんですね。




12/18

 マジ寒い。マジやってらんない。冬とか何。冬将軍とか何なの。地球温暖化とか嘘。絶対嘘。あれ政府の陰謀。こんな寒いのに温暖化なんてあるわけない。俺達騙すための嘘。温暖化で南極の氷が溶けたとか言って密かにペンギン独占するための嘘。政府はペンギン好きなの。あーとにかく寒い。12月なのになんでこんな寒いの。なのにの用法が間違ってることすら気にならないくらい寒い。マジやってらんない。寝る。




12/21

 皆さんにはあだ名ってありますか。あだ名とはその人の名前を略したり印象を名として具現化させることにより、親愛や軽蔑の念を表すことです。例えば、「まりっぺ」や「ぎょう虫」や「シドッチ」等。シドッチは別にあだ名じゃありませんが。ただしあだ名の使用には十分な注意が必要です。相手との位置関係をしっかりと把握しておかねばなりません。以前僕がメガネを掛けている人間に「おい、そこのメガネ! メガネっ子!」と声を掛けたら引きずり回されそうになったことをお伝えしておきます。このとき足りていなかったのは注意ではなく僕の頭ですが。さて、では僕のあだ名は何かというと、「留年」です。「卒業式は保護者席か」「俺の単位を分けてあげたい」「クラスメイトには敬語使われるんだろうな」 皆の心の中の僕に対する信頼はとても厚いようで嬉しいです。




12/25

 ごめん、なんで素直になれないんでしょうね。クリスマスとか大好きなんですけどね。ガキの頃クリスマスツリーの下にプレゼントが色々置かれてあったけど「親戚の〜から」とか書いてあって速攻サンタクロースに幻滅しちゃったんですけどね。そういえば高2までサンタクロースの存在を頑なに信じてた知人がようやくいないって認めたらしいですね。知ったこっちゃないですね。大体12月25日はクリスマスどうこうより弟の誕生日なんですけどね。弟がケーキの蝋燭吹き消したりしてるんですよね。高校生にもなってね。感慨も何もあったもんじゃありませんね。




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