05/03 Fri

 また遅刻した。1時間15分。11時に待ち合わせで家の時計を見たら11時半だった。何が悪いんだろうか、と考える。俺が悪いんだろうか。うん、俺は悪いんだろう。しかし本当に俺だけが悪いのだろうか? いやいや、責任転嫁をしようってわけじゃない。ただ問題を自分だけに向けても解決しないこともある、外にも目を向けてみる必要がある、という話だ。うん、そう考えると様々な問題点が見受けられる。俺の人生の半分もの時間を奪うPC、己の思考が何一つ鍛えられることのない数々の本、惰眠を貪らせるベッド、風で俺を部屋の中央まで押し返す時期早々の扇風機、天井から俺を見張るスパイダーマン。そう、総てが俺を遅刻へと導いている。だから俺は部屋から不要な物を取り除いた。一切合財取り除いた。そして今、部屋には何も無い。そう、俺は引っ越した。今思い悩むべきは遅刻などというくだらないことではなく、大家に隠れてどうやってムササビを飼うか、だ。俺は一番手っ取り早い方法は大家にムササビを好きになってもらうことだと気付いた。だから今から俺は大家の部屋に行く。大家は、大胆にそしてシュールにムササビを好きに、なる!




05/09

 その、なんだ。予備校で近くの席にいるオタクどもが煩い。いや、僕も所詮は一糞オタだ。しかしあそこまで恥知らずではない。人前でそういった話題は避けるし、少なくとも声高に言おうとはしない。今日だって「シャアって最後どうなったん?」「あれ死んだんだっけ」「最後死んだんやろ」などと平気で喋りまくる始末だ。だからシャアは死んでねぇっつの! あのあとアムロと結婚して子供産んだんだっつの! しかも態度が非常に癇に障る。まぁ俺、ガンダムとか別に熱中してないけど知識としては持ってるって感じ? みたいな下司な根性が透けて見える。なんだそれ。馬鹿か。僕は素直になれと言いたい。素直に自分はガンダム好きだと言えと言いたい。言ったら楽になれるよ。何もかも受け入れちゃえ。言っちゃえ言っちゃえー。お前……山上さんのこと、好きなんだろ? 隠すなよ、言えって。嘘つくなよ。皆知ってんだぜ! ホントだよ、バレバレなんだよお前。だから山上さんに言ってこいよ、ほら。……あーあ、山上さん泣いちゃった。お前が泣かせたー。あーあ、山梨が山上さんを泣ーかせたー。




05/17

 つまりは心意気だ。頬にバンソウコウを貼り、拳を軽く握る。人差し指を突き出し、それを鼻と口の間に添える。左右に擦りながらそこで台詞。

「へへーんだ!」




05/21

 僕の彼の言葉に深く感動した。思わず目から渦潮が出た。そして家族が全員渦潮で溺死した。僕は殺人罪(謀殺の疑い)で捕まる。判決は死刑。目から出した渦潮で家族を溺死させた殺人犯として一時世間を騒がす。そして死刑執行まで残り1週間と迫ったとき、僕は脱走する。逃げる僕。追う警察。めくるめくる逃亡劇。僕は類稀なき手腕を発揮してまんまと十数年間逃げおおせる。今月に定年を迎える老刑事の努力も虚しく、とうとう時効まであと一日となる。僕は逃亡中に出会った女とそれを乾杯する。「君の瞳に百万ボルト……」。百万ボルトを目に食らい、絶命する女。またも警察に追われる僕。もう日本に僕の居場所は無いだろう。海外しか僕には残されていない。アフガニスタンに行って、絵を描こう!




05/21




      ↑ムササビ飛び




05/24

 「あの陶酔した表情はムササビより寧ろモモンガなんじゃないか?」というどうしようもない指摘を知人からされました。ホントこの百姓はしょうがねえな。ムササビとモモンガの区別も付かないのか。クワ持って畑でも耕してろよ。そんでトマト作って積み上げて「トマト魔人! トマト魔人!」とか叫んでろよ。まぁ他の賢明なる読者の皆さんは勿論ムササビとモモンガの区別が付いていて、上の写真がムササビ飛びだということが一目瞭然だと思いますが、この百姓のために説明します。先ずムササビはモモンガ比べ目玉が小さい。これがポイントですね。上の写真でも……あれ、目大きくないな……寧ろ瞑ってるな……まぁいいや。次に、身体の大きさ。ムササビはモモンガと比較して頭胴長が約2倍、30〜40cmあります。上の写真でも……どう見ても1mは超えてるな……体重もありそうだしこんなんで空中滑空できるのかな……まぁいいや。そして最大の特徴と言うべきが、尻尾。ムササビはなんと、尻尾から火を吹きます。尻尾から火を吹くことからムササビと名づけられたそうです。全然関係無いですね。上の写真でも……あ! こいつ尻尾が無ぇ! 誰だテメェ! さてはムササビじゃねぇな!




05/27

 「きゃ〜ん、憧れの先輩と目が合っちゃった〜☆」「アンタそれ何度目よ」「いやんバカんえっち〜」 こんな性格の人間になりたかった。皮肉でなしに、と言ったら嘘になるんだろうけどきっと僕が好きな人と目が合ったら吐きたくなるだろうし話したりなんかしたら「さぁ殺せ! 殺せよ!」と叫びたくなるだろうしいやその行為自体にあまり問題があるわけじゃなくその行為を経る結果もたらされる思考や行動に因るんですけれどねとまぁ、こんな欠陥を持った僕がどうやって恋愛をすればいいのか? 好きな人を作って目を合わせてゲロ吐けばいいと思う! そしてゲロ神と成り、ゲロを司る神として崇められる日々。山に篭り俗世と関わりを断ち、たまに自分を求めて来る者に言葉を授ける。「最近ゲロがオレンジ色なんですけど……」「野菜ジュース飲みすぎ」 そんな心溢れるゲロ世界。食事中の人ごめん。




05/28

 ごめんなさいサウスパークは見たことありません。でも前々から気になっていたんで、好きな人と目が合って吐くシーンがあるのならば今度観てみようと思います。ていうかもう借りてきました。ゲロシーンに胸をときめかせながら観ようと思います。でも。でも、だ。もしそのシーンが無ければお前を、狙う。罰を与えにお前を思う存分狙う。窓際に居るお前をスナイパーライフルで狙いをつけ、止める。「俺はお前を32回撃つことが出来た。6×7だ」 意味の無い掛け算をお前に押し付ける。しかも間違える。お前の近くにわざとスポーツバッグを置き忘れる。お前がなんだろう、と中を開けたら中に札束が詰まっている。お前は億万長者だ。いいか、覚えておけ。俺はお前を狙うぞ。




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