05/01

 パブロフは犬の名前じゃありません。パブロフは犬の名前じゃありません。そう呟きながら道路にマヨネーズを振りかけていると乗用車がスリップしてガソリンスタンドへ突っ込んだ。僕のせいじゃありません。僕のせいじゃありません。そう呟きながら罪を償うために、僕は道路へ身投げした。そして受け身を取って着地した。馬鹿野郎。軽々しく命を捨てるんじゃねえ。死んだら償えると思ったら大間違いだ。生きて償うんだ。一生懸命生きて、償うんだ……。


 あまりに更新しなさすぎました。これからは謝罪の意味も込めてバリバリ更新しようと思います。具体的な計画も立てています。計画によると今年は10回更新する予定だそうです。そう、なんと僕は既に計画を踏破していたのでした。つまり僕はもう更新する必要がありません。これには本人である僕も、流石に驚嘆を禁じえません。正に飛ぶ鳥を逃がす勢いです。ですが僕とて惰弱ゆえに鳥を逃がすのではありません。あの鳥には妻も子もいるだろう。それを僕が落としたらどうなるんだ。働き盛りの夫を失っては一家は路頭に迷うしかないではないか。どうしてそのような鳥を落とせようか、いや落とせるわけがない……。




05/13

 自転車に乗っていたら学校でパシられてるのがとても似合いそうな風貌の方が不意にこちら側に動き鞄を自転車にぶつけてきて、自分からぶつけたきたのも関わらず不愉快そうな顔で舌打ちして一言。「ぶち殺すぞ」 これだから人生やめられませんよね。最近は家にいるとずっと真三国無双2をやっているので更新どころか他のことすら何一つやってません。今15人クリアしましたけど飽きてこないのでどうしようかと考えあぐねています。どうしようつうか死ねばいいと思う。




05/17

 マリア様が見てる! マリア様に見られてる! いや、嘘。マリア様は僕らを見てはいないし、誰も僕らを見てなんかいない。自意識過剰だ。僕らはいつだって自意識過剰過ぎる。恥ずかしい本を買うときは店員に怖気づき、カラオケボックスで店員がジュースを運んで来ると歌うのを止める。クラスの可愛いあの子が自分の方を向いてると自分に気があると思う。やめろ。その肥大した自意識をどうにかしろ。誰も僕らなんか見ちゃいない。全ては思い上がりだ。本屋の店員は客の買う物に興味は無いし、カラオケでだって客が何を歌ってるかに気を向けてる店員なんかいない。クラスの可愛いあの子だって僕らを見ているのではなく、僕らの向こうにいる霊を見てるんだ。

 こうしてクラスの可愛いあの子は気持ち悪い不思議ちゃんへと変貌した。これからはクラスに皆に忌避され、果てには苛められるであろう。しかしこのこと決して嘆いてはならない。何故なら、可愛かったあの子は僕らの心の中で永遠に生き続けるから。




06/24

 面白いことなんか書けません。当方大学に入学して2ヶ月経つのに携帯電話のアドレス帳が1件も増えていないというオモシロ人間ですが、面白いことなんか書けません。オモシロ人間は必ずしも面白いことを書けるわけではないという教訓です。この教訓を知ったとき、ナポレオンは驚きのあまり失禁してしまったそうです。恥ずかしい。本当にナポレオンは恥ずかしい。失禁するなんて一体貴方何歳ですか。29? 29歳? なら仕方ない。29歳なら失禁しても仕方ないよね。ナポレオン悪かった。恥ずかしい奴だなんて言って悪かった。お前は29にもなって失禁する立派な奴だ。他の誰も、お前への追随は許されない。その偉大さでフランスを手中に収めよ、英雄。




06/25

 おじいちゃんが胸が苦しいと言い出したので、それは恋だね、胸の中の想いをぶち撒ければすっきりするよ、そうアドバイスしたところ、おじいちゃんは血を吐いて倒れた。先程病院に運ばれました。違うんだよおじいちゃん……僕はそういうことを言っているんじゃないんだ……どうして言うことを聞いてくれないんだよ……僕は皆のことを思って発言しているのに……僕の言う通りにしてれば絶対大丈夫なんだ……最後に出会ったのが去年の夏のアイスを今年食べても大丈夫なんだ……。




07/01

 授業後知らない女が「ノート取ってます?」と話し掛けてきて本当は無茶苦茶取りまくってたけれどめんどくさいので取ってないと嘘をついた。こうやって着実に友達を作る可能性を潰していってるんだと思った。そしてその内可能性すら失くなるのだろう。いつのまにか冷蔵庫の中から消失したあのプリンのように。プリンを勝手に食べた奴は絶対に許さない。見つけたら鼻の穴にヨーグルトを流し込んで耳の穴から噴出させて、芸人としてデビューさせてやる。そして僕はその収入を横取りして悠々と生活するんだ。正に非の打ち所の無い完璧な計画だ。一点の曇りすらない。曇りがあるのは僕の頭だけだ。




07/02

 (昨日の更新で「知らない女」という表現を使用し、まるで知っている女がいるかのような振る舞いをしましたがそのような事実は一切ございません。誤った情報を流したことを深くお詫びします)




07/03

 重沼君は注文したハンバーガーにピクルスが入っていたので拳銃自殺した。享年19歳。そして正面の座席で食事をしていた僕のハンバーガーに血がいっぱいかかった。気持ち悪いのでやめてほしい。血のかかったハンバーガーなんてとても食べる気になんかなれない。弁償するべきだ。僕はそう憤慨した。でも重沼君はもう死んでしまった。死んだ人間は弁償できない。なら誰に弁償してもらうか。重沼君のお母さんに弁償してもらおう! そう思い立った僕は重沼君の家に行った。

 重沼君のお母さんは重沼君が死んだとき88歳で、彼女は86歳のときに重沼君を産んだ。所謂高齢出産ってやつだ。矢張りそういった年齢で子供を産むのには色々大変らしく彼女は苦労したみたいだ。子供が無事生まれてくるようにと5人の子供の首を狩って魔術紛いのこともしたらしい。それが警察に見つかって厳重注意されたりもしたが彼女はそれでも生まれてくる子供の健康を願って様々なことに手を出すのをやめなかった。万引き、無免許運転、スピード違反、路上駐車、飲酒、薬、脱税。犯していないのは殺人ぐらいで他のことは大抵やった町の札付きのワルとなった。そしてある日彼女は自分に付いていた1枚の札を取って呪文を唱え始めた。呪文を唱え終わると彼女の体は光り輝き、そして気が付くと重沼君は産まれていた。気持ち悪い産まれ方だ。親も親なら子も子。血は争えないね。




07/17

 肉厚が少々強過ぎる・顔面神経痛なのかも知れないという二重苦を背負った女がすれ違いざまに「自由になりたい」と言っていた。これで三重苦。彼のヘレン・ケラーも三重苦に苦しんだけどこいつには負ける。だってこいつはいくら水をぶっかけてもきっと何も気付いてくれやしない。freedom!となら叫ぶかも知れないがwaterなんて決して言ってくれやしない。そんで水かけるだけかけといてノーリアクションは虚しいから僕が代わり「water! water!」と叫ぶ羽目になるんだ。じゃぶんじゃぶん。w・a・t・e・r! じゃぶんじゃぶん。w・a・t・e・r! そしたら独りでそんなことをやってるのを隣人に見られて羞恥のあまり家に逃げ込んで後生引き篭もるんだ。いいんだ、所詮僕はそんな運命なんだ。放っといてくれ。そのバスケットボールをあのゴールの中に。




07/26

 貧乏ゆすりばかりでは飽きてくるので富豪ゆすりをしてみた。もしもし。お宅の娘さんは預かった。返して欲しければ指定の場所まで金を持って来い。私はオタクではない。出会い頭に人をオタク呼ばわりするとは失礼な奴だ。不愉快だ、私は帰らせてもらう。ガチャン。失敗した。大体僕なんかが富豪ゆすりをできるわけがなかった。貧乏ゆすりがせいぜいの男だったんだ。甘過ぎた。僕は甘過ぎた。その証拠に僕の全身には蟻が這っている。僕の甘さは蟻にすら見抜かれている。これから僕のことはアントニーと呼んでください。




07/27

 三日坊主を英語風に言うとかっこいい。綴りはmicker-boze。




07/30

 若い女は道端でモデルにスカウトされている。僕は道端でモルモン教にスカウトされている。何かがおかしい。ここにきっと何か世界の秘密がある。僕は勘付いた。しかしどのような秘密があるのだろうか。それがわからない。だから僕は山梨先生に質問しに行くことにした。山梨先生は高校のときの数学教師で、初めての授業のとき質問がある人はいつでも質問しに来なさいと言ったからだ。山梨先生はいつでも半袖を着ていた。冬だろうと雪が降ろうと半袖を着ていた。もう80を過ぎているのに、そう感嘆のこもった目で山梨先生を見たものだ。しかし山梨先生はただ呆けていただけだった。僕は少し失望したがそれでも山梨先生を他の教師とは一線を画した目で見るのもやめなかった。それは生徒が教師をただ見る目と言うには行き過ぎた目であった。僕はこのまま彼のことを見続けたいと思った。でもその幸せは長くは続かなかった。山梨先生は実は定年を過ぎていたのである。いやそれのみならず山梨先生は教師ですらなかった。近所のおじいちゃんが学校に入り込んで勝手に授業を行っていただけであった。山梨先生はただちに学校から追い出され二度と学校の敷居はまたがされなかった。そして誰もが次の日には山梨先生のことを忘れた。けれど僕は忘れなかった。いつでも質問しに来なさいという台詞も、あの焦点の定まっていない目も。


 山梨先生の家に着いたとき先生は海に流されていた。仕方ないので帰って餡蜜を食べた。




08/09

 自分突っ込みは可愛らしさの象徴であると共に他人を信用していない証です。ボケても他人が突っ込んでくれるわけがない。なら自分で突っ込もう。そういった心の表れなのです。実に卑しい行為。この人間社会において他人を信頼できない者にまともな人間がいるわけはありません。彼らは押し並べて屑です。ゴミ箱にでも放り込んでおくのが正しい処置の仕方でしょう。でも人間はゴミ箱には多きすぎて入らないことも多々あります。そういうときは蓋の周りに輪ゴムを巻き付けると良いです。すると固くて開かなかったビンの蓋もなんと易々と開く。これは結構役に立つので覚えておいた方がいいですよ。




back