TRIO TR−1000



 ‘67年、6mポータブル(当時はこれでもハンディと言っていた)にトリオが進出し、6mのポータブルトランシーバを売っていたエスミ電波などマイナーをつぶしたきっかけの機種です。(その後、井上のFDAM3がだめ押しの引導を渡した。)



回路としては、受信が7MHzのトランジスタラジオにクリコンを付けたようなもの、送信はオーバトーン発信からの3段です。送信の出力系以外、ゲルマニウムトランジスタが主でなんとプラス接地です。今の感覚では逆で、この極性を間違うと大変です。
そのうえ電源は12V(単1電池8個)で、現在の常識の13.5や13.8Vではありません。送信周波数は水晶5個の切り替えで、ちなみに50.3が標準装備でした。なお、井上のFDAM2は50.55が標準でした。また、ケースは無骨な鉄板製です。
 





現物(上)と(かなり傷んでいますが)当時のカタログです。

上部に空いている四角の穴は、水晶発振子を入れかえるためのものです。
本来は、蓋が付いていました。




TR−5000

 トリオが‘68年に発売した6mモービルAM/FMトランシーバです。出力5W、送信は(本体のみでは)水晶制御のみですが、パナ6やFDAM3への対抗のためか、外付けのVFO(VFOー10)が後に追加されました。
モービルチャネルと書かれた51.2MHzでは、受信も水晶制御にできます。51がメインと言う慣習ができる前で、当時トリオは、51.2に設定していたようです。販売店では、50.1から50K刻みで標準水晶を売っていました。SSBは少なくてAMがかなり低いところまで使えたので、FMは、概ね50.8以上で使われていたようです。FMでの変調偏移を水晶制御でも稼ぐためか24逓倍という多段です。そのおかげで、VFOでは発振させたままにできるので、安定度は抜群です。(同時期のFDAM3では安定度の悪さに定評があり、VFOを活かせたままにすると言う改造ネタがありました。)置台に見えるのが専用電源です。


上が現物です。チューニングノブはFD−AM3のものに変っています。
結局、パナ6やIC71などの固定機、TR5100やIC−6FなどのFM専用モービル機、FDAM3などのポータブル機が発売される中で位置づけとしては中途半端なものになりましたが、受信の選択度、混変調への弱さ以外、個人的には結構優秀なRIGだったと思っています。