01/05
「なっ……!」
「フフフ……」
「う、うそだ! そんな、うそに決まってる!」
「そうだ! これは鷽(うそ)! スズメ目アトリ科の美しく鳴き声のきれいな小鳥で口笛のような鳴き方をするのが特徴の鷽だ! 雄は灰色、雌は褐色の羽毛に包まれ尾羽や風切羽そして頭部は黒く、雄は頬からのどにかけては鮮やか紅色である!」
「馬鹿なっ……! 鷽は山地の樹林にすむ鳥、こんな町中に……そうか! 今は冬! 鷽は秋から春にかけては、低地や人里で越冬している! 果樹や桜の冬芽を食べてしまうことから害鳥扱いされる場合もある! ということは鷽がいてもなんら不自然ではない……! クソっ、迂闊だった!」
01/08
先ずは再確認してみましょう。ここはどこ? 学校。高校。建前上は勉強を営む場所。システムは? 共学。男女が共に通う。女子の方が多いけれど男子が圧倒的に少ないわけでもない。今いる場所は? 廊下。歩く場所。それぞれの教室との出入り口がある空間。一般的には走ってはいけないとされる。今は何の時間? 大掃除。冬休み明けに初っ端から生徒全員で掃除をさせられている。拒否権は無い。俺の役割は? 廊下の窓拭き。洗剤かけて雑巾で拭く。でも班の他の奴らが誰もやらないのでなんとなく呆っと突っ立っている。さて、ではすぐそこにいる女子どもは何をしている?
スカート捲り。
「スカート捲れちゃう〜」じゃねえっつの。アンタラここどこだと思ってますか。どこだと思いますか。廊下って知ってますか。どうせあれだろ、俺がそこで振り向いたらセクハラ扱いだろ。非難轟々だろ。ゴーゴーだろ。帰りの会(そう、帰りの会)で「セクハラする人がいるので、止めてほしいと思います」とか敢えて実名は出されず無言の圧力をかけるんだろ。そんで先生が「皆さん今から目を瞑ってください。セクハラした人は先生の胸だけにしまっておくので、正直に手を上げてください」とか言うんだろ。そんで俺が上げなかったら放課後数人で「なんで上げなかったんだ? あぁん? おいコラァ!」とかシメるんだろ。次の日俺の机には「セクハラ最低!」の落書きだろ。畜生、畜生。
01/24
「死ぬほど美味い!」というキャッチコピーの飲食店の料理を食べて、本当に死んだらJAROはどうするのかなぁ。
01/30
「で、いつ告るの?」
「……なんでお前に教えなあかんねん」
「いいじゃん別に。つーか告るだろ?」
「どうかなー。せんかも」
「なんで。最後だろうが、しろよ」
「だってなー。なんかもう告るか、殴るかだし」
「いや、いいじゃん。俺なんて殴るしか選択肢無いし」