以前メッセンジャーでした昔話でも。

 昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ穴掘りへ、お婆さんも山へ穴掘りに行きました。お爺さんとお婆さんは掘った穴に身投げしました。完。

 えらい不評でした。




 オッス、オラ三蔵法師! 権力と金を得られそうな御偉い法典を取りに旅をしてるんだ。途中、間抜け面の妖怪に襲われるだろうけどこちらにも心強い味方がいる。猿の妖怪孫悟空、河童の妖怪沙悟浄、豚の妖怪猪八戒。こいつらを手足のようにこき使って、酒を飲みながら優雅に撃退してみせるぜ。リッチで苦労の無い生活を得るためにオラ頑張るぞ。あ! こいつら妖怪だと思ってたらただの猿と河童と豚だ! やっべー! どうすんべ! でも河童って伝説上の動物じゃん! おっしゃ、見世物小屋に売って一儲けだ! うっひょ〜、儲けた儲けた! おし腹減ったから豚喰うか!


 いやなんでもないです。ごめん。昔話とかとことん向いてないようです。ホントごめん。




07/07

 昨日、僕がいつも使っている駐輪場から電話があって、今日定期券を持って来てくれれば駅に近い方に場所を変えてくれる、とのことだった。その駐輪場は柵に囲われているわけではなく川に沿った歩道を利用していて、場所によっては駅から結構遠くなる。僕は最長の場所を指定されていた。3ヶ月前の僕なら迷わず変えてもらったんだろうけど、その最長の場所に向かう途中に見える川の流れだとか、青い木々だとか、でこぼこのレンガ道だとか、そういったものを見れなくなるのがもったいなく感じて、結局変えてはもらわなかった。

 その感情は僕が今日電話のことを失念していたという事実よりも強い。




07/11

 2ゲットしました。




07/16

 関西の人達はまず付けないけれど、語尾に「じゃん」を付けることがある。それは相手への肯定の促し。そして僕は悟ったんだ。ベートーヴェンの交響曲第五番『運命』の「ジャジャジャ、ジャーン!」は本当は「ジャジャジャじゃん!」と言いたいことを。多くの芸術家達はその才能をその時代には評価されず、後世にてようやく評価された。ベートーヴェンとて例外ではない。だが僕が彼の曲を理解したことによって、彼の生は報われたのだ。僕はここで改めて、ベートーヴェンに追悼の念を捧ぐ。




07/17

「ふん、しくじったな」
「も、申し訳ありません……次の機会には必ず……!」
「我が社の掟は知っているな。失敗した者に次は無い」
「お、お待ちください! どうか、どうかもう一度だけチャンスを!」
「くどい。(パチッ) 連れて行け」
「お願いです! 再度チャンスを、チャンスをぉ!」

 ニュースでキャスターが台詞をトチる度にこのような光景が思い浮かばれてならない。なんなのだろうか、この不思議な感覚は。このなんとも言えない、既視感を伴った想いは。




07/19

氏名=和穂
message=宝貝を返して下さい。


 こんばんは和穂さん。さて宝貝を返してくださいとのことですが、とても人に物を頼む態度には見えません。人に己の意思を通すときはそれ相応の物を差し出すのが礼儀ではないでしょうか。そしてこの場合は全人類にとって共通の価値がある金、金を数束用意するべきだと思います。しかし金だけではいいかというとそういうわけでもありません。誠意、そう誠意を見せることにより人は心を動かされるものです。必死の形相で銀行強盗を行ってくれれば僕も考える余地があるというものです。さて先ほど全人類にとって金は共通の価値観を持つと言いましたがそれは無論僕にとっても例外ではありません。そして金に困った僕は宝貝を骨董品屋に売ってまいりました。僕の手に宝貝はありません。宝貝は骨董品屋、三丁目の「血に染まれ!」の看板が目印の骨董品屋にあります。しかしそこの店主は宝貝には目が無く、腹が減ってはすぐに食べてしまうので宝貝はもう店主の腹の中に納まっています。宝貝はもうこの世にはありません。ご愁傷様、さようならまた会う日まで。あと最近貴女は眉毛太すぎます。




07/23

氏名=和穂
message=こんばんわ。黒戸さん。 先日は失礼な手紙を送ってしまいもうしわけありませんでした。 時間がなかったのであれだけしかいえませんでしたが宝貝は人間界に存在してはならないものなのです。だから申し訳ありませんがその宝貝を返してもらえませんか?その、お金と交換するような奴なんか相手にするなと殷雷が言ってますが、私もお金を払って返してもらうのはよくないと思います。 ところで、私……そんな眉毛太いですか?最近よく言われて気にしてるんですが。 えっと、それでは失礼しますね。


 宝貝は猫が食ったっつってんだろ馬鹿。




07/24

氏名=和穂
message=え、ええっと……怒ってしまいましたか?何か悪い事を言ってしまったというなら謝ります。でも、猫に食べられても宝貝は無くならないんです。どうか、返してもらえませんか?今すぐにとは言いません。殷雷が殴れば吐き出すだろって言ってるんですが、私はそんな可愛そうな事はしませんから安心して下さい。


 アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ! アリーヴェデルチ!(さよならだ)




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