09/02

 ここ数日間私は恋愛シミュレーションゲーム(以下恋愛SMゲーム)というものプレイしていた。その名の通り架空の世界で擬似恋愛を楽しむゲームである。そこでは私は六股をかけていた。6人の女子を同時に攻略(恋愛SLGでは女の子と仲良くなることをこう言います)していたのだ。道行く女子全員に愛想を振り撒き次第に振り向かせていく。各々にだけ好意があるかのように全員に接する。ゲームの中の私はその行為になんの疑問も抱いていない。私が1人の女子と下校するとその様子を見ていた他の1人が拗ねて怒る。すると私は、違うんだ、あいつは彼女なんかじゃない、僕が本当に好きなのは君なんだ。そう弁解する。そして次の日にはまた別の女子と帰り、そのまた別の子に弁解する。ゲームの中の私はその行為になんの疑問も抱いていない。私が1人の女子と最終段階へと踏み切り、告白する。君のことが好きなんだ。相手も私を受け入れてくれる。そしてエンディングを見たあとデータをロードし別の子に同じ台詞を放つ。君のことが好きなんだ。ゲームの中の私はその行為になんの疑問も抱いていない。しかし私には耐えられなかった。己の振る舞いにそれ以上目を向けることはできなかった。私はクズにはなれなかった……私はクズにはなれなかった……。




09/03

 男の感じ方と女の感じ方は違うらしい。どう違うのかはよくわからないけれど、違うというからには矢っ張り違うものなのだろう。例えば僕は男で、猫の死体を見たら悲しくなるけれど、女はそれを見てニヤニヤするということなのか。そうなのか。そういうことなのか。どうなんだ。答えろよ。そうなのか。そうなんだな。残念だ。本当に残念だ。そんな人間だとは思わなかった。君と一緒にお茶は飲むのはもうやめることにする。だからアイスクリームを一緒に食べよう。甘い甘いアイスクリームを共に食べよう。田中はいないが、なに、構わないさ。アイツは今頃アイスクリームよりも甘い時間を過ごしてるだろうからな……。




09/04

 マジック点灯の意味がまるでわからない。人に訊いてみると優勝が決まるまでのカウントダウンなどと言っていた。しかし謎は深まるばかり。カウントダウンとは何をカウントするのか? どこでするのか? 何が点灯するのか? マジックがするのか? マジックとは点灯するものなのか? ではマジックとは一体? どのような色? どのような形? どのような材質? 触り心地は? 艶加減は? 体型は? 目の大きさは? 好きな食べ物は? 好きなTV番組は? 趣味は? 好みのタイプは? 恋人はいるのか? いないのか? では僕にチャンスはあるのか? もしも別れた直後ならアプローチは控えた方がいいのか? あざとい人間だと思われやしないか? それとも今がチャンスなのか? 今こそがチャンスなのか? 今こそが、チャンスなのか?




09/07

 ディスプレイの向こう側には人間がいると言うがそれは大きな間違いだ。ディスプレイの向こうには何がいるのかなんて本当はわからない。例えばある掲示板に書き込みがあったとしてもそれは向こう側に人間がいる(書いた人がいてその本人の意思を反映させている)とは言えず、ホクリクサンショウウオが打ったものなのかも知れないし(ホクリクサンショウウオは絶滅危惧種に指定されています)、また人間が打ったのだとしてもその人はピアノを弾こうとして誤ってキーボードを叩いてしまい、結果そのような文字列ができただけかも知れないのだ。ディスプレイの向こう側に人間がいるかどうかなんて貴方にはわからない。そしてなんと、僕にもわからない。

 こんな偶然、本当にあるんだね……。




09/16

 半年前に東大生は「熱い」と言うだけで爆笑の渦、という話を聞きました。




09/22

 友達になってくれませんか?




09/27

 前回の更新をして4つのメッセージをメールフォームから頂いた。その殆どが友達になってやらなくもない、というようなことを仄めかしていた。これが多いのか少ないのかわからない。例えば僕が選挙の立候補者で、この4つが僕に対する投票数であれば僕は負け犬に違いない。もしかするとあまりの投票の少なさで話題になるかも知れない、そんな社会の底辺だ。しかし、これが逆だとすればどうだろう? これらは僕が投票できる数だとすれば。常人では一つしか持ち得ない投票権を僕はその4倍も所有していることとなる。即ち僕は常人の4倍の価値がある人間なのである。どんな人間にもこの偉大さは目に見えるだろう。これでもう誰も僕を蔑ませやしない。僕は人の4倍の価値を持つ人間……僕は人の4倍の価値を持つ人間……。



>類友は御免。
 一緒に見られたくないということだろうけどそこらへんは大丈夫。類友に思われないよう貴方と一切関わりを持ちません。話しもしないし、接触もしない。関わりの可能性があるものを一つ残らず潰していきます。最終的には僕と貴方は完全に無関係な人間同士になり間違っても類友と思う人はいなくなるでしょう。
>友達になりますよ。なるっての!いや寧ろなってください。
 こいつは口ではこんなことを言っているがいざ見てみるととんでもないクズである。なんと名前もアドレスも書いていないのである。名前もメールアドレスもわからずどうやって友達になるというのだろう? それともそんなものは要らず、ただ想い合う相手が何処かにいるという希薄な繋がりで十分だとでもいうのだろうか? 僕はそれで十分だ。君がそこにいるという事実だけでいるだけで僕は幸せだ。
>ぜひ
 関係の無い話ですが、豚の鳴き声は「ぶひ」です。
>ちょっと吃驚しました。大丈夫ですか? 友だちの定義ってよく分かりませんよね。
 友達の定義は簡単です。部屋で一緒に映画を見る、それだけで僕らはもう友達同士。観る映画はなんでもいいですが、ショック死のことを考えてホラー映画は避けるようにした方がいいでしょう。ラッキーカラーは橙色、ラッキーアイテムは弓。意中の相手には積極的に塩を振りかけるようにすると何か進展があるかも。




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