1950年代半ばごろの三田無線研究所製“DELICA CS−6”です。
トランスレスの5球スーパーにBFOとANLを付加したタイプの6球スーパーです。
発売当初は、すべてGT管で構成されていたようですが、写真のものは過渡期でMT管との混合構成になっています。
現在、私の手元にありますが、本来の所有者は知人のJA3X**です。
Qの高そうなでっかいIFTが特色で、しかもコアをまわすタイプではなくトリマで調整するユニークなものです。
今でもBC帯や短波放送のラジオぐらいは十分聞こえますが、結構選択度が良いので音質はかなりこもります。
この後、トランス付でSメータ回路が付加されたより実用的なCS−7(7球)が発売されています。
スピーカは自作の箱にアウトプットトランスと共に収めています。
DELICAの受信機は、大学の研究室にMCR−633が置いてあったことを覚えています。
プラグインコンバータや真空管むき出しの送信機など、ユニークな商品も多くありました。
当時としてはJRCやアンリツなどと張り合っていたものと思いますが、ディップメータのメーカとして、さらにブリッジ系の測定器に特化して今も三田無線は存在します。
また、電電公社出身の(私夫婦の仲人をしていただいた)元上司が三田無線や大河内先生をご存知だったので、業界では結構有名たっだんだ、と思います。