ほこほこ こほっこほっ… 小さな咳が聞こえる。 「大丈夫か?」 「ん…平気……なんや…起きてたん?」 「ついさっき…」 ごろんと寝返りを打つと眠気眼のままの火村が見える。 「おはよう…」 「うん…おはよう」 ふわっと伸びてきた指が髪に触れる。 「跳ねてるぞ」 「昨日、半がわきのまま寝てもうたから…」 というか、遅くまで話し込んで、慌ててシャワーしたら…気が付いたら寝てたから記憶にない。 「それで冷えたのかな…その咳…」 「そうかも…もう夏やないんやなぁ」 「そりゃな、彼岸も過ぎたし…」 たわいも無い会話を交わしながら髪から頬へと伝ってきた火村の指。 「…つめた…」 「すぐに冷えるな…」 ごめんと言いつつもそのまま指は唇へ。 ごく自然にその指をやんわりくわえる…。 けだるい朝のゆったりとした時間がふんわかと流れてく…。 「おいで…アリス」 そっとめくりあげた布団。 「うん…」 がさごそ…と潜りこんで、ぴたりとくっつく。 「あったかい…」 「あぁ…あったかいなぁ…」 「気持ちいい」 「本当に…」 何もしない。 ただ二人でくっついてほこほこしてたい、そんな朝。 「もう少し寝てろよ」 「うん…。火村も…」 秋はいいな…なんて思うそんな些細なひととき……。 それも全て二人だから… |
ラピッドにと思って書いてたら少し長かったのでこちらに…。 こういう朝ってすきだなぁ…。 |