Portrushを朝に出発する列車に乗り込みLondonderryへ。最初の予定ではColeraine乗り継ぎでバスで移動するはずでした。この乗り継ぎがよくわからない(インターネットで調べても不明)のでツーリスト・インフォメーションで訪ねたところ、バスか列車か?と聞かれた時列車もあるのか・・・と急遽調べ直したのです。鉄道のほうはLondonderry州の北海岸を通っているので、ついでにまた海岸線を見ることに。途中砂浜や干潟を眺めながらの旅。そのうち向こう側のそう遠くない所に陸地が見えてきたのですが、そこはIreland共和国。入り江を挟んで別の国になるのです。そして大きな町に着いたところで目的のLondonderry。 終点とは思えない駅でしたが、線路がその先にないのでやはり終点。そして、駅舎を出た所で教会関係のおじさんがビラを配って”ボッシュ・フリー”と言っている。何が”タダ”なのか分からずとりあえず市街地の地図の所に行ってツーリスト・インフォメーションの場所を探しました。それが川向こう。結構長い橋で、歩くには無理があるような気がしました。どうやっていこうかと思っているところに先ほどのおじさんがもう一度私に向かって”ボッシュ・フリー”と言いながら、指した先を見ると・・・そこにはバスが。列車の乗客が皆乗り込もうとしているのです。”ボッシュ”とは”バス”のことだと分かりました(アクセント、強いんだもん)。列車の乗客のための無料バスが来るのを教えてくれていたのです。そのバスに乗り込んだところで”このバスはどこに行くのか?”を知らないことに気づきました。まあ、変なところでないことは確か。着いたのは川向こうにあるバスセンターでした。ツーリスト・インフォメーションもそんなに遠くないので、助かりました。 宿を確保して向かっているうちに雨がシトシト降り始めました。体の心まで冷えそうな雨に濡れて宿に着いたところで暖かいお出迎え。最初の計画では泊まろうかどうしようか迷っていたのですが、やはり立ち寄ってみて良かったと思っています。 |
”Walled City”と呼ばれているこの町は今でもその”壁”に囲まれたブロックを中心に町が広がっています。そもそもこの町は最初に小高い所を中心に壁を築き、そのうちに壁の外に次第に人が集まるようになって大きくなった町だそうです。この”壁”は今でも完璧に残っていて、その上を歩いて一周することができます。 歴史上この町は昔から複雑かつ微妙な立場に置かれてきたようです。また最近ではこの町の名前を一躍有名にした”Booldy Sunday(血の日曜日)”があります。この日からIreland紛争が始まったと言われているくらい。(最もその前から根深いものはあったのでしょうけど。)今はそんな物騒なこともなくなったのか普通に歩くことができますが、何となくやはりピリピリしてくることがありました。 右の写真は”壁”の上からの西側の住宅地を見たところ。Belfastと同じように家の壁に絵が書いてありました。左上の丘の白っぽい部分は墓地。紛争でなくなった人も埋葬されているようです。 |
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この町は元々Derryという名前だったのですが、England支配後にLondonとの関係を表すためにLondonderryと変えられました。Irelandの中にはこれが気にくわない人が大勢います。それで、Ireland共和国ではこの町の表記は単に”Derry”とされています。しかし北Irelandも含む英国内では”Londonderry”と表記されています。バスや列車の行き先もそうなっています。話をする時にもこの違いのことを頭に入れて相手がどんな立場の人かを見ながらどちらを使うかを判断しなければならない難しさがありました。これからもこのことにはずっと気を付けておく必要があると思います。とりあえずここでは英国の表記にしています。 | |
交通 | |
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The Walls of Derry | ||
Irelandで唯一完全に残されている壁であり、ヨーロッパでも最も優れた壁の町の例となっている。1613-1618年の間に17世紀h初頭のEnglandとScotlandの植民者を防御するIrelandの組織のThe
Honourableによって造られた。 周囲約1マイル(1.5Km)の壁は、町の中心部を回る歩道が造られ、最初の町並みを眺めることが出来る珍しい遊歩道が提供され、その町並みは今日まで中世の通りを保存している。 日の出から日没まで一般公開されている。無料。 |
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<壁の町への門> 壁の中の町へ入る4つの門-Bishop's Gate,Ferryquay Gate,Butcher Gate,Shpiquay Gate-が最初に造られ、更に3つの門-Magazin Gate,Castle Gate,New Gate-が付け加えられた。歴史上重要な門が2つある。
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当初、訪れる予定がはっきりしていなかったため、この町についてあまり事前に調べていかなかったのです。町に着いた後この壁に驚かされてしまいました。今まで城下町というのをあちこち見てきたのですが、これほど完璧に残されているのは見たことがなかったのです。 ゆっくり自由に見て回ることが出来るとあって、朝からゆっくりとしたペースで一周しました。朝は少しお天気が悪かったし夕方時間が余ったのでもう一周。町の人はその存在が当たり前なのか、壁の上を歩き回っているのは観光客だけのようでした。 写真右:Wate BastionとMagazine Gateの間にある砲台の列 地図では砲台が続いているようになっているのですが、実際列があるのはここだけでした。1日町を回っていた時はなぜか門(遊歩道の門)が閉まっていてここだけ通ることが出来ませんでしたが、出発の朝に見たら門が開いていたので入る事が出来ました。 |
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Tower Museum(Wall内) | ||
先史時代からの町の歴史を展示している博物館。地質学的な成り立ちからの説明がある。ケルトの修道院生活、Derryの植民と包囲網の特別展示もある。火-土曜日とバンク・ホリデーは10-17時、7-8月は月曜日が10-17時、日曜日が14-17時の開館。有料。
宿に到着後、午後に町を見て回るだけの時間があったので出かけると小雨がまだシトシト。こんな時は美術館や博物館を見て回るのが良い、ということで目ぼしい中まずこの博物館へ。有料だったので結構いいものではないかとの予想をして行きました。入った時間が4時近く。興味を引くものばかりでゆっくり見ているうちにビデオの上映が始まり、閉館も近かったので残りの展示物を見て回る余裕がなくなりました。展示内容や上映ビデオは上質のものでした。とってもお勧めの場所です。(写真右) |
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Harbour Museum(Wall外) | ||
この地方の海事に関する歴史を主に扱った博物館と絵画ギャラリーです。月-金曜日10時-13時と14時-16時30分の開館。無料。 この建物の周りをぐるぐる回ってHarbour Officeという玄関の表示がされているのがこの博物館だと気づきました。受付で記名し後はふらふらと見て回りました。1階のホールに船の模型や錨等の船の備品が展示してありました。何故かここでもLewis島のチェスがあって、どういう関係?か不明のまま出てきました。2階の部屋は主にギャラリー。この町の関係のものでした。さっと見てあまり時間もかからない所でした。 |
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Craft Village(Wall内) | ||
お土産を買いたい人はこのブロックで物色するのが良いのでは?Irelandのお土産(記念品)として良いものが見かけられました。その中にTower Museum Shopもあり、博物館の中からも階段(リフトもあり)でつながっていました。小雨が降っている中、雨宿りついでにこのお店に入ったら町の観光についてのアンケートを取られてしまいました。 |
St Columb's Cathedral(Wall内) | ||
この町で最も歴史的な建物で、宗教改革(1628-1633年)以降ヨーロッパで建設された最初のプロテスタントの聖堂である。また、Irelandで最も古い教会のベルが設置された。 通年の月-土曜日、夏季は9-17時、冬季は9-13時と14-16時開館。有料。 壁の上を回っていると教会の尖塔が見え、次に洒落た円形の出っ張りが見えてきて、そして横を通り過ぎた時その二つが同じ建物(聖堂)のものであることに気づきました。中には入っていませんが、この立派な建物にしばらく見とれるくらいでした。(写真右上) |
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The Guildhall(Wall外) |
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新ゴシック様式の建物で、この町の人々のための市民および文化センターになっています。ここではコンサートや展示、会合が年間を通して行われています。ガイド・ツアーが完全予約制で行われています。 "壁"の外とは言ってもすぐ側。建物の概観が目を引き付けます。中をちょっとだけ覗こうとしたのですが、入り口での警備(手荷物および身体検査)が厳しくすごすごと引き返しました。(別に悪いことをしようと思ったわけではないのですが、そこまでして見学する程得るものがあるとは思えなかったので。)(写真右中央) |
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The Fifth Province(Wall内) | ||
様々なドラマティックな効果とオーディオ-視覚技術を使って、ケルトの歴史と文化を紹介・解説しています。 |
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Bloody Sunday Centre(Wall内) |
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別に名所ではないのですが、町の歴史上の必要性から作られたのではないかと思います。出入りは自由に出来たと思いますが、入っても私にはあまり意味がある所ではなかったように思いました。場所はShipquay Gateのすぐ側。(写真右下) |
The Foyle Valley Railway Centre(Wall外) | ||
この町の顕著な鉄道の歴史を展示しています。Riverside
Parkの近くを通って3マイルの美しいところを走るディーゼル車両があります。火-土曜日10-16時開館。無料。列車の運行(有料)は季節によって異なり、事前に確認することが必要です。 町を一日かけて回ろうとしていた日に行ってみると玄関のシャッターが下りていて見学できなかったのです。ところが、出発の朝に時間があったので近くに寄ったついでになんとなく見るとシャッターが開いていて、しかもおじさんが中から出てきていたのです。そこで玄関前まで行ってみるとそのおじさんが"どうぞ"とばかりに中に入れてくれました。私は鉄道ファンではないのですが、結構面白く感じました。ここにあった路線図を見るとかつてはIreland中に鉄道網が敷かれていたというのがわかりました。実際に使用されていた客車もあって、中には豪華なコンパートメント(応接セットみたいな造り)も。なお、この鉄道会社はCounty Donegal Railwayとなっていました。(この後訪れたDonegalの町にも同じ会社のものが展示してあった。) |
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町の中に立つ像達 |
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町の中を歩いていると目を引く像が立っていました。絵葉書にもなっているくらいで、それぞれに意味のあるものでした。
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Riverside Walk | |
ここも川沿いに発展した町なのですぐ傍に川がありました。そしてそこに当然のように遊歩道が作られていました。Belfastの少し不気味な遊歩道を歩いたにもかかわらず懲りずにまたここでも歩いてみました。しかし、こちらのほうは人通りも多く明るい感じでした。傍を車の通行量が多い大きな道路が通っているせいもあって人が見当たらなくても気楽に歩くことが出来ました。河口に向かって歩いて、大型スーパーの傍らで行き止まりでした。そこから河口を見ると虹が出ていました。この日は穏やかで下の写真にあるような風景が見られました。写真の左側に見える橋はFoyle Bridge。 | |