Enniskillen

2001/6/10(sun)~6/11(mon) 
Northern Ireland map Enniskillen Lower Lough Erne Belleek BelfastからDublinまで当初の予定を変更して宿泊を2晩づつにするともう1ヶ所余計に寄ることが出来る、と思い始めた時どこにしようかと選んだのがこの町でした。Dublinの後にMan島の予定だったのでDublinまでのどこか、そして予定のコースのルート上にある町で・・・そしてバス(Bus Eireann)がDonegalからDublinの間にまた北Irelandを通りこの町にも寄ることが分かったのです。この際北Irelandの町にもう一度寄ることにして、ということで大した情報も無しに行くことにしました。
Donegal Townでバスを待っていると"Dublin Non Stop"と表示されているバスが予定の時間に着くのです。”えっ、これではダメなの?” 前日ツーリスト・インフォメーションに確認したのに・・・。そこで運転手に確認しようとすると側にいたバス会社らしき人が”どこに行くつもり?”と聞くので”Enniskillen”と答えると”これだね”と言って荷物を棚の方へ持っていってくれました。”ホントに止まるの?”と思いつつ運転手に行き先を告げると問題などあるわけないという顔で料金を告げられました。Enniskillenだけでなくその前のBallyshannonやBelleekも止まっていました。あの”Non Stop”は一体何なのでしょうか? またも国境を越えたのですが、ここらしいというだけではっきりは分かりませんでした。この場合(つまりIreland共和国から北Irelandに入る場合)は口蹄疫の消毒液噴射はないようで・・・。
さて、急遽訪問することになったし宿の情報も無し、おまけに日曜日。まあ、どうにかなると楽観的に降りた町。バス・ステーションの目の前にツーリスト・インフォメーションが。しかも日曜日でもオープン(お昼の休憩はあり)していたのです。これはラッキー、でちょっと遠いけど宿を取ってついでにタクシーも手配してくれ何とか泊まることだけは出来ました。
北Irelandの湖水地方と言われるFermanagh州の最大の町です。この州の南東から北西に跨るUpper Lough ErneとLower Lough Erneという2つの湖に挟まれた町です。町の中心部はその2つの湖を繋いでいるRiver Erneの中州にあります。この中州のあちこちに船着き場がありクルージングが楽しめるようになっていました。
この地方の歴史はかなり古く、約9,000年前くらいに人が住み始めたそうです。ケルトの歴史としては紀元前300年頃から影響が見られ始めたようです。
右の写真は繁華街のあたりの筈。大型のショッピングセンターが中州の外に出来ていました。
交通
  1. バス
    Bus EireannがIreland共和国のDublinとDonegalを繋ぐルート上にあるので利用することが出来ます(この町で乗車する時は英国ポンドで支払い)。Ulster Busは北Ireland各地方都市とのサービスを行っています。いずれもバス・ステーションは同じ所で町の中心部にあります。
  2. 空路
    Lower Lough Erne湖畔に飛行場があります。市街地から4マイル(6.4km)離れています。2001年5月から8月まで週に1便Zurich(スイスのチューリッヒ?)からあるとか。またJersey島とのフライトも。他の英国の都市とのフライトも計画中とか。うんー、空路は考えない方が良いかも。

町巡り

Enniskillen Castle
嘗てはGaelic Maguireの首長の砦として有名なお城でした。Fermanagh州博物館の中にはこの地方の歴史や自然、景観が展示されています。城壁の中にはRoyal Inniskilling Fusileirs(王立Enniskillen火打ち石銃兵)の博物館となっています。地下には15/17世紀の生活様式の展示があります。
特別展示は5-9月は、火曜-金曜日が10-17時、土曜日と月曜日が14-17時、日曜(7-8月のみ)が14-17時。10-4月は、月曜日が14-17時、火曜-金曜日が10-17時となっています。有料。
ということで、特別展示館には時間的に入ることが出来ませんでしたが、城内(この部分は無料)はオープンになっていて自由に歩き回っていました。
Towerhall(写真右)
町の中心にある目印になるような建物です。このホールの東西に続く道が一応この町の繁華街でもあります。
着いた日にこのあたりの通りを歩いても人気が少ない。日曜日だからか・・・と思っていたのですが、もう一つ原因がありました。夕方宿に引き上げる時道路が渋滞していました。それが直ぐ近くのグラウンドでサッカーの試合(それもリーグ戦かも知れない)観戦の帰りだったのです。それで人気がなかったのか・・・と。1台の車からは興奮してどうも私に向かって叫んでいたようで、全く何を言っているかは不明でした(私の英語力と言うより、叫んでいる方の興奮状態のアクセントかも)。やっぱり、サッカーはすごい!
Castle Bridge(写真下)
Enniskillen Castleに隣接する石橋です。1888年に建設されたような記述が資料にありました。そんなに古くはないのか・・・結構車の通りが多かったです。
Methodist Church(写真右)
車の往来が激しい幹線道路の北側に見える立派な建物です。名所と言うわけではありませんが、目を引きます。その隣にはSt.Michael's RC Churchという可愛らしい教会が建っていました。
この地方は一見和やかな雰囲気でしたが、(北アイルランド議会の)選挙結果を見ていたらカソリックとプロテスタントの対立が結構あるのではないかと思えました。こんな所で教会に近付くのはちょっとまずいかな?と思いつつ写真だけに留まりました。
Upper Lough Erne,Lower Lough Erne & River Erne
さすがに湖水地方と言われるだけあってクルージングが盛んな所のようでした。日曜日の午後にボートツアーが組まれていたのですが、知った時には既に時間を過ぎていました。この時期は平日はやっていないか、クルーザー1隻1日貸し切りで100ポンドと一人旅には手が出ませんでした。Playing Fieldsの側で会ったお爺さんにも”ボートに乗れ”(この人もアクセントが強かった)と盛んに言ってくれたけど手だてが見つからないまま諦めました。因みに"lough"はIreland英語で”湖”のこと。Upperの方が南になります。Lowerを流れ出る川はBallyshannonを通って最終的にDonegal湾に注ぎ込みます。
写真右上は両湖を繋いでいるRiver Erne。Castle Bridgeから眺めたもの。中央の島はCastle Island。
写真右下はバスの中から撮ったLower Lough Erneです。Upper Lough ErneはDublinへ向かうバスの途中でちらっと見るだけでした。
Buttermarketと???
初日の夕方、宿に戻ろうと川沿いを歩くとふと不思議なものが目に入りました。どう見ても”鳥居”。その向こうは病院だけど、どうしてこんな所に?翌日側に行っても何故ここにあるかは不明。近付いてもやはり”鳥居”でした。更にButtermarketというクラフト・センターを覗いた時のこと。中央のカフェの建物の軒先には季節外れ(6月でした)の”鯉のぼり”が吊してあるのです。その前に1軒の工房の窓に漢字で”時計修理”と結構バランス良く書かれた張り紙も見ました。この町は日本と何か関係があるの?と思ったのですが、何せ事前チェック無しで行った町、日本企業が進出しているかも不明でした。頭をひねりながら帰国したのですが、その後も全く不明。大抵の旅行書にはこの町のことさえないし、インターネットで調べても何も無し。ということで、ご存じの方、ご一報下さい!
Forthill Park & Cole Monument
中心街(中州)を出て東に進み急な坂を上った丘にあります。記念碑は、Wellington公の将軍の一人であったGalbraith Lowry-Cole卿(1772-1842)を記念して1857年に建てられました。屋上までは108の階段があります。公園(無料)内は常時入園可能です。記念碑は5-9月は毎日14-18時(水曜日の除く)までオープン。他の時間については相談のこと。有料。
丘自体もかなりの坂。木々に囲まれてホッとしてきます。記念碑の入り口で管理人(?若い女の子でした)に料金を払って登り始めたのですが、これが急な螺旋階段。頂上まで着いてホッとして外を見たら、そのテラスのあまりの狭さに驚いて出口で頭を打ちました。出口も小さいのです。テラスは人一人がやっと立てるくらい。下を見たら足が震えてきました。それでも眺めは絶好で、360度見渡せました。写真を何枚も撮ってしまいました。お暇があったらどうぞ。でも、高所恐怖症の人には無理かも。
Lower Lough Erneの方角;ちょっと遠すぎる様です。

北東の方角(と思います、今はもうどこ撮ったか分かんなくなった)

右が記念碑。左はVictorian Bandstandで私が行ったすぐはリスが1匹陣取っていました。
この地方のケルトについて
この地に着いた後初めてケルトの重要な遺産が近辺にあることに気付きました。ただ、はっきりした場所も分からず訪れる手だても不明だったために泣く泣く(?)諦め、資料だけを頂いてきました。機会があったらまた訪れてみたい気もしています。
この地にケルトの影響が見られ始めたのは紀元前300年頃だと言われています。紀元2世紀にはギリシアの地理学者Ptolemyが既存の世界とそこに住む民族の地図を作っています。Irelandはその地図の西の端となっていました。(資料ではこの後延々と説明が続きます。)以下にこの地で有名なケルトの遺産を挙げておきます。
  1. Devinish Island, Lower Lough Erne
    12世紀に建てられたラウンド・タワーが完全な形で残っています。またアウグスチヌス修道院が廃墟となっています。複雑にカーブした15世紀のハイクロスも墓地にあります。小規模な博物館も併設されています。フェリーで渡ることになるそうですが、料金の中に含まれているそうです。4-9月の火曜-土曜10-18時、日曜日の14-18時のオープン。
  2. White Island, Loweer Lough Erne
    廃墟となった12世紀の教会の主な特徴はそのロマネスク調の入り口です。壁の古風な石像のセットはその教会より古いものです。人用のフェリーがCastle Archdale Country Parkから出ています。4-6月は土・日曜が10-13時と14-18時、7-8月は毎日10-18時のオープン。有料。
    右の写真はEnniskillen Castleの近辺のケルトの遺産についての説明をした展示館にあった石像です。勿論レプリカ。
  3. Boa Island, Lower Lough Erneの北(陸続き)
    Janus Figureと呼ばれる2つの石柱があります。1つは両面に顔が彫られたもので、もう一つは元々はLusty More Islandにあったものとか。
  4. Drumskinny stone circle(Fermanagh州の北のはずれにある)
    先史時代のストーン・サークル、石塚、列石があるとか。
Belleek
石達を訪れるのを泣く泣く諦めたものの、頂いた資料の中にコピーでしたが面白そうなのを見つけました。それがバスで40分くらいのBelleekにあることが分かり、行ってみることに。余り本数はなかったのですが、Bus Eireannなら何とかなったので半日弱を使って出かけました。
ExplorErne Centre(Erne Gateway Centre)
ツーリスト・インフォメーションに併設されている展示館です。バスを降りて標識の矢印に従ったつもりがいつの間にか通り過ぎている。?と思いバス停まで引き返しても分からない・・・と思って回りを見渡すと綺麗な白い建物(下写真)が。この建物が目的地でした。バス停の目の前!でした。
展示内容はFermanaghの回りの湖と土地50マイル(約80km)がどう形成されたか;湖がこの地の人々の生活にどう影響してきたか;過去と現在に於いてFermanaghの交通、レクレーション、産業に湖がどう貢献してきたか、です。そして伝統的な習慣や、第二次世界大戦での湖の戦略的な役割、景色と自然の豊富な多様性などの説明もあります。
この展示の入り口近くで両顔面のJanus Figure(やはりレプリカ)が出迎えてくれます。説明も映像(テレビ)が所々に設置されていてわかりやすくなっています。訪れた時は私1人しかいなくて、思いっきりゆっくり見てきました。とってもお薦めの場所です。
5月1日から毎日11-17時のオープン。有料(安い!)。一通り回った後2階の休憩室で紅茶(コーヒーもあり、入場料に入っている)のサービスがあります。見終わった時には雨がひどくなっていたのでここで暫く過ごしていました。(それでも他の客は来なかった。)
Belleek Pottery
ExploreErne Centreを出てバスの時間まで少しあったので町の方へ行ってみました。町の入り口に大きな建物が・・・そこへ観光客らしき人達がコーチを降りて次々に入っていきます。で、つられて入ったのがこの陶磁器屋さんでした。結構有名なメーカーらしく有名人(私がファンの方も)が訪れた写真もありました。網目の陶磁器のボウルは名誉な贈り物とされているとか。陶磁器作成の見学ツアーが30分毎に行われているそうです。私は展示品をさっと見て出てきました(時間がなかったので)。
国境??
この町はDonegalからEnniskillenに向かう時に通った町でした。国境を越えてすぐのようで、地図を見ても国境線の上にあるくらいの位置。バス停でふとDonegalの方を見るとどうもその直ぐ先が国境のようで・・・道路標識の行く先案内が片方は英語のみ、もう片方は英語とアイルランド語併記(右写真)。同じ地名が並んでいました。ということで、これが国境でしょう。でも、他は何にもない。検問所もないし・・・写真の白い建物は"Comercial Diesel Station"という看板(要するにトラック関係のお店?)がかかっていました。


  1. Discover Northern Ireland(英語):北Irelandのツーリスト・インフォメーションのページです。
  2. Enniskillen Com(英語):EnniskillenとFermanagh州に関するページです。
  3. Fermanagh Online(英語):Fermanaghlカウンシルのページです。
  4. Belleek Pottery(英語):Belleek Pottery(陶磁器)のページです。
  5. アイルランド大使館:アイルランド大使館のページです。