Isle of Skye

1994/6/30(thu)~7/05(tue)
Isle of skye map Fort WilliamからMallaigまで列車で約1時間半、MallaigからArmadaleまでフェリーで30分、ArmadaleからPortreeまでバスで1時間半、乗り換えの時間を合わせて合計6時間近くで旅の前半のメインとなる地にたどり着きました。Skye島へは本土から2つのルートがあり、その両方をたどってみようと思いこういうルートを取りました。フェリーから次第に近づくSkye島を見ると、とうとう来たんだな・・・と。感無量というところでしょうか。

島の中では最大の町のPortreeに泊まることにしてそこからあちこちを見るつもりでした。しかし、各ポイントがかなり離れているので少々難がありました。おまけに島内の交通機関がストップする土・日と重なってしまい、移動が大変。土・日はまる2日のレンタサイクルをして過ごしましたが、心残りができそうで予定より1日余計に泊まることにしました。(予定の1泊を削ったのはPortreeから北の端の近くのWickに行く途中で泊まる予定だったInverness。Portreeから一気にWickまで移動しました。)

Skye島
Skye島に関しては最近色々なところで紹介されるようになってきたようですが、誰もが言うように一度は行ってみたい所です。かなり観光化されているのに、何故か心が落ち着くところでもあります。人々も優しく接してくれ、また子供達も人なつこく声をかけてくれたこともあります。
島全体は山が殆ど。険しい山、山頂がテーブルになっている大地、片方が崖等地形もバラエティで全く飽きません。写真を撮るには絶好の景色ばかりで、この旅行で取ってまとめたアルバム2冊(それぞれ5cmはある)の1冊の半分近くを占めています。
Skye島は別名”霧の島(Isle of Mist;ゲール語でEilean a'cheo、Tシャツやトレーナーによくプリントされています)”と聞いていたので、そんな雰囲気もいいな・・・と思って行ったら最初の4日は素晴らしいお天気で、最後の日だけその雰囲気を味わえました。どちらにしても楽しめる所です。
Portree Portree Habour
Portree Harbour
(後ろの建物はGathering Hall、茂みはThe Lump)
Skye島最大の町ですが、ちょっと歩くと森や山、放牧地に出るという所です。片側は海で漁船が並んでいます。観光向けの商売を除くと、あらゆる種類の店がワンセットに集まったような所です。おまけにThe Lumpというちょっとした岬があり、それが特に私の育った田舎の町を思わせました。町の一番交通量が多いSomerled Squareにも信号はなく、島全体でも工事中の信号以外は見かけませんでした。これに気付いたのが、Invernessに着いて駅前の交差点を渡る時でした。それだけ自然にここの生活に馴染めたのでしょう。
小さな町ですが、泊まるにはホテルもいくつかあり、またあちこちにB&B、更に夏の間などはお小遣い稼ぎに自宅の部屋をB&Bにしているところもあるので不自由しません。私が最初に泊まった所もまだ子供(やんちゃ坊主)が小さい4人家族でした。お風呂や食堂は家族が使っているもので、外国の家の台所を見せてもらうことになりました。
Aros : Skye Heritage Centre
Portreeを少し外れた所にあるセンターです。ここにはSkye島の歴史の展示館、お土産店、レストランがあり、日曜日も開いているのでちょっとした時間を過ごすには良いところです。お勧めの場所です。
展示館(有料)にはテープで説明を聞けることですが、6カ国語のテープが用意してあるそうです。その中にはさすがにゲール語もありましたが、ビックリしたのは日本語も用意されていたことです。私が行った時には日本語のテープが見つからなくて英語で聞きましたが、戻す時「今度来た時には日本語のテープを見つけておくからね」と言われました。2年後に行きましたが、展示館へは入っていないのでその後見つかったかは分かりません。他はフランス語、ドイツ語、イタリア語でした。
Skye島最大の難点
...といっても私にとってですが。近年、この島では植林を進めていて植えているのが松と杉。杉は丁度花粉を発散する樹齢の頃で、この時のお天気もあり花粉がかなり飛んでいました。この年は日本では花粉は少ない年だったにもかかわらず、私は2回も発散時期に出会うというついていない年でした。(この後の地でも花粉には悩まされ続けました。)

島の北西部への日帰りツアー
Fairy Bridge Fairy Bridge
このツアーで最初に止まるのがこのFairy Bridgeが見える場所です。若いガイドの男のがこれにまつわる話をしていましたがよく分かりませんでした(私が聞き取れなかったため、ガイドが悪いわけではないのです)。fairyがランプを持って云々という話だと思います。
Portreeからここに着くまでもいろいろ話がありましたが、聞き取れなかったことや思い出せないことばかり。でも、バスから見る景色はとても良かったことを覚えています。
Dunvegan Castle Dunvegan Castle
島の北西部にあるこのお城は人気の観光ポイントの一つです。入江の奥の崖の上に建っていて侵入者を迎え撃ったという感じです。実際そのような歴史があるようです。この時点では29代目の領主をJohn MacLeod氏が務めているとありました。中は見学できますが、チケットを買う時に良く伝わらなかったのかGardens Onlyになってしまいました。
庭の方は手入れが行き届いているところも多く十分に楽しめます。時間的には長かったのですが(1時間半くらい)、お昼の休憩も兼ねていたので足りない気がしました。バスの前の席に陣取っていた老夫婦が集合時間に遅刻したのですが、理由はSeals boat tripに行っていたからということでした。この時間ではCruiseはきつかったようです。皆もう少し時間が欲しかったと思っていました。
出発時間に皆が集まっていると「バスの時間を教えて欲しい」と1人の男性が近寄ってきました。ガイドが調べるとまだお昼なのにもうそこからPortreeへ出るバスはないとのこと。とっても不便な所というのを実感しました。その男性は「お金を払うから乗せてもらえるか?」と聞いて無事に私たちのバスでPortreeまで行くことができました。
MacLeod’s Tables MacLeod's Tables
頂上が平らになった2つの山(469mと488m)はDunvegan Castle Gardensからよく見えました。この姿なのでよく目立ちます。Dunvegan西のDuririnishという半島にあります。バスの中からもずっと見えていました。あの頂上はどうなっているのでしょうね。
Giant Macaskill Museum
希望者もいなかったことから横を通り過ぎただけですが、スコットランドで一番背の高い男が住んでいたという家です。どれくらいかはよく分かりませんが、写真(蝋人形)を見る限り、やはりデカイ!
Loch Bracadale Loch Bracdale & Loch Harport
西に面した美しい入江です。絵葉書やカレンダーの写真にも多く使われているビューポイントで実際飽きることのない眺めでした。沖にある岬には灯台が見えます、といってもズームを上げた写真でかろうじて確認できるくらいですが・・・特に駐車場があるわけではないので通り過ぎる人も多いかも知れません。私たちのバスが止まっているところを見て乗用車に乗った人達も止まって見ていました。この日はお天気も良かったので眺めも満足しました。
Black & Red;Cuillins & Glamaig
最後のバスを降りたSligachanから見えるのがSkye島最高峰のCuillin Hills(879m~993m)です。頂上がとがった山にはまだ雪が見られました。Skye島には色々の形の山がありますが、その中でもこの山は印象的です。全体的に黒っぽい感じなのでBlack Cuillinsと呼ばれているようです。Portreeからも見ることができます。
Cuillin Hillsの黒に対して、"red"と言われているのがSligachanのすぐそばにあるGlamaigです。ここからは円錐形に見えますが、横に回ると細長く頂上が偏った山でした。ガーネットが産出されているとかで赤っぽいのはそのせいでしょう。
Black Cuillins Glamaig
Black Cuillins Glamaig(red)

サイクリングの2日間

1日目:北部の半島Trotternish一周(10:30~19:30、約78km)
土・日丸2日借りた自転車は月曜の朝に返せばいい(自転車屋さんは日曜の5時に返すより月曜の朝が良いと言ったのです)ということで日も長いことだし・・・と思いっきりの遠出をしました。ちょっと長いとは思いつつOuter Hebridesを見ることができるかも知れないと思いTrotternishの半島を一周しました。後で距離を計算してビックリしました。殆どが坂で、後半の登りは殆ど押していました。お天気は素晴らしく良く、汗をかいて走り回っていました。
Uig Uig Harbour
半島の北西部にある村で、ここからOuter Hebrides(LochmaddyまたはTarbert)に向かうフェリーが出ています。この地形が良い港となっているようです。Portreeからは16マイル(約25.5km)でしたが、まだここまではとても元気で降りて押すことはありませんでした。手前の坂の上から見たUigはのどかな雰囲気でしたが、フェリー乗り場近くのグラウンドでは土曜日とあってサッカーの試合をしていて賑やかでした。
この頃はまだ元気で勢い余って思わずUigの分かれ道を下手に進んでしまいフェリー乗り場に着いてしまいましたが、2年後ここにフェリーから眺めるとは思ってもみませんでした。ついでに少しその辺りを眺め、分かれ道に戻りました。今度は登りで、登り切ったところで内陸部をStaffinまで走る道にあいます。
Skye Croft Museum -Life of the Island-(Kilmuir)
Uigからこの展示館まで途中ちょっとした峠でOuter Hebridesをゆっくり見ながら、更にcrafts shopにも寄る等の余裕がありました。そしてこの展示館に着いたときは汗だくになって、受付のおばちゃんに「あんた自転車でどこから来たの?」と聞かれ「Portreeから」というとビックリしていました。
この展示館は農家の生活をそのまま見ることができます。ある小屋に入ると鍛冶屋の道具が・・・表の入り口にちゃんと"smith"とありましたが、実家がかつて鍛冶屋だったので道具を見ただけでどんなところか分かりました。日本でも同じ道具を使っていたのです。またSkye島のある一族の歴史も展示しているコーナーもありました。
このすぐそばにはSkye島の歴史上有名な女性Flora MacDonaldのお墓があります。そしてOuter Hebridesも綺麗に見ることができました。下の写真はそこから撮ったもので、水平線に島影が映っています。実際はもっとはっきり見えました。
Skye Croft Museum

Outer Hebrides from Kilmuir

Duntulm Castle Duntulm Castle
Skye Croft Museumを後に気持ちがよい景色を眺めながらしばらく進むとこの城の案内板がありました。ところが、ここは廃墟で出入りも自由。何となくむなしい気もしてきますが・・・このお城も崖の上に建っていました。
このお城を後にするとしばらく海岸線を離れて進むことになります。数キロメートル眺めて進んだOuter Hebridesともお別れです。2年後にそこを訪れるとは思ってもいなく、その時は見たことだけで満足していました。
Quiraing
Trotternishの半島を貫く台地の端にあるのがこのQuiraingです。丁度Uig-Duntulm-Staffinを結んだ三角形の中にあります。この頃はここの地形のバリエーションに驚かされながらバテ始めていました。また、坂が下りになると勢いつきすぎて写真どころではなくなってしまいました。右の写真はQuiraingではなくその南に当たるBeinn Edraです。こんな奇抜な形をした台地がこの後ずっと続いていました。何度見ても飽きない景色です。
Beinn Edra
Staffin
DutulmからUgから山越えをする道と合流する地点までは細い道が続いてました。そしてその間はどこにもお店がなくてのどが渇いてしまいました。道が広くなったことでStaffin近づいたことが分かり、休憩と食事ができると期待していました。道のそばにレストラン兼お土産店兼食料品店がありそこで休憩。これが夕方(といっても日は高いのですが)5時くらい。遅いお昼になってしまいました。
この休憩で余計に足がガクガクになってしまいましたが、8時くらいにPortreeに戻ることを目標に進みました。
The Old Man of Storr& Storr Lochs The Old Man of Storr & Storr Lochs
Staffinからはバテながらも先に進むしかなくビューポイントも見逃して進みました。そして目の前に更に奇抜な形の岩が見えました。この辺りは予備知識も入れてなかったのでいったいこれは何?と思いつつそのまま突き進んでいきました。写真も撮らずに通り過ぎたのですが、Loch Storrにさしかかったところでやっと止まる気になりました。この奇怪な岩はThe Old Man of Storrで、Skye島の写真や絵葉書、観光用のパンフにもよく登場しています。場所によってはPortreeからも見ることができます。Loch Storrを入れたこのアングルの写真も多く、Runrigの"Caputer the Heart"という4曲入りのミニアルバムのジャケットにも同じアングルが使われていたことにビックリしました。絵になる景色なんですね。
この辺りの景色を楽しむ余裕がなくなって残念に思いつつ、2年後にまたサイクリングで訪れました。それほど悔しい気持ちで通り過ぎていたのです。

2日目:Broadfordまでの往復(19:00~17:00、約89km)
サイクリング1日目で完全にバテていたのに、2日間のレンタルで乗らなきゃどうしようもないし、他にすることもないので今度は南の方に進むことにしました。できればBroadfordまで行くことができたら、が最後は意地を出して進みました。距離を計算したら2日目の方が長かったようです。
Sligachan Rubh an Torra Mhoir & Raasay Island
バスツアーでも降りた地点です。ここはキャンプサイトにもなっていて、広場にはキャンピングカーが見られました。ホテルもあるように書いてありました。交通の要所でもあるようです。帰りには休憩を撮った所でもあります(缶ジュースを飲んだだけですが)。
Sconser
ここからは隣のRaasay島までのフェリーが出ています。またすぐ近くにゴルフコースもあることで有名です。私が通った時も2~3人の人がプレイしていました。そのゴルフ場を抜けたところで横道にそれて海側を進みました。この道はビューポイントもあり、また花が色々咲いていてゆっくり進みました。その花の中でもcob cottonは日本で見かけないために私には珍しく思えました。ヒースや野バラも多く見られました。右の写真はその道から見えるRaasay島です。
cob cotton この脇道はLoch Ainortという入江の奥で合流するのですが、本道を見るとすごい坂。帰りは押して上ってしまいました。右の写真はそのLoch Ainortを本道から見た写真です。中腹辺りでの休憩で撮った写真です。細い道が脇道です。 Loch Ainort
Cob Cotton
Broadford
ここがこの日の目的地となった所です。Skye島第2の町(村?)でツ-リスト・インフォメーションなどの施設もある程度整っているようです。レストランもありましたが、余り食欲もなくガス・スタンドの横のお店が開いていたのでパンとジュースを買って海を眺めながら食べていました。
ここを先に進むとArmadaleとKyleakinに道が分かれるという交通の要所です。

2日間殆どが坂という所を長時間サイクリングしてさすがにバテました。普段は軽い自分の体に合わせたロードレーサーに乗っているので余計に疲れました。月曜の朝に返しに行く前にもう1泊しようと小さなホテルに飛び込んだ時、受付の女性が「もう1日借りることができるよ」というのですが、私はもう乗りたくないと返事。広場では私の前に借りた体格の良さそうな男性が2人疲れ果てたのかボーっと座っていました。彼らは3日間借りていたのです。
借りた時パンクの修理用具まで貸してくれてパンク修理をしたことがなかった私はギョッ! でもそれも使わずに無事に返すことができました。

Sleat:南部の半島

Armadaleにも行ってみたいし、2度と来られないかも知れないと思って予定を変えてもう1泊。さすがにバスにしましたが・・・PortreeからArmadaleまで、途中荷物が乗ってきましたが乗客は私1人。運転手がClan Donald Visitor Centreの前で降ろしてくれました。(Armadale Pierが本来のバス停、そこから徒歩で15分くらいかかる) 降りる時運転手は「帰りは5時にフェリー乗り場まで行くように。僕が待っているから」というのです。なるほど、帰りもその運転手でした。帰りは乗客は数人いました。私は顔パスでした。
Clan Donald Visitor Centre
このセンターはSleat(”スレット”と読む)という半島にあり、この半島はSkye島のガーデン・エリアと言われ、南部に突き出ています。センターの敷地内にはArmadale Castleと手入れされた庭が広がっていました。お城は屋根が抜け落ちた廃墟になっていますが、隣に建て建物の中でスライドの上映を見ることができました。Skye島の侵略の歴史から、ゲール語の歴史までを上映してくれました。庭をゆっくり見て回ることもでき、研究所の展示館、そしてレストランとお土産店も備えているので半日間でも時間が余ったと言うことはありませんでした。
the Swimming Otter
写真右:Armadale Castle(廃墟)

写真左:The Swimming Otter
Visitor Centreの庭の池にあった可愛い像
Lawrence
Broderickという人の作品
Armadale Castle
Armadale
Skye島に最初に足をつけたところでしたが、その時は回りを見る余裕もなくPortreeへ向かったのです。バスの時間よりも少し早めにフェリー乗り場に着き、海を眺めていました。この日はお天気が悪くなり、丁度”霧の島”を味わうことになりました。とりあえず、これで満喫したと思うようにしてPortreeに戻りました。

最後に、Runrigに誘われてはるばる遠く出かけた所でしたが、さすがに出身地だけにあちこちのレストランで曲がかかっていました。おまけにPortreeの写真屋さんでは"Amazing Things"の絵葉書まで売っていたり、お土産店でも彼らのグッズがあったり・・・これとは関係ないのですが、丁度行われていたワールドカップではBBCの放送区域内で唯一出場していたアイルランドが本戦で負けた時の思い出のシーンの映像のバックに彼らの"Going Home"までかかる始末。1泊余計にしたホテルで見ていました。素敵な思い出を作ってくれた所でした。

  1. スカイ島情報(英語):Skye島に関する情報のページです。
  2. スカイ島ツーリスト・ボード(英語):Skye島のツーリスト・インフォメーションのページです。
  3. アロス(英語):Portreeの町外れにあるビジターセンターのページです。