Inverness

Dundeeに宿泊した後、Highlandの北海岸まで1日で行けないことはないのですが、移動で疲れてしまうので途中で宿泊することにしました。交通の便が一番良いのはInvernessでしたが、ここには3回も泊まっていることだし、と思い他を考えてみました。しかし、他で泊まるにしてもやはりInvernessを通ることになります。しかも、Invernessは宿が多く楽に見つかり、更にここから他の名所への交通も整っていることから結局泊まることにしました。Invernessの町も結構好きなので泊まるのがイヤだった訳でなく、単に同じ所に何回も泊まることを避けようかと思っただけでした。それならばと、この近辺でまだ訪れていない所を探し出してみました。まだまだあるものです。特に歴史上、有名なスポットもあり、見飽きることはありませんでした。
DundeeからPerth乗り換えのバス（こちらが安いので列車の予定を変えました）で約3時間半、途中の景色も楽しみながらの移動でした。この移動のルートで通ったと思われる道が帰国後洪水に遭い、車が埋まっていたニュースを知りました。私が通った時はお天気は良く、何の傷害もなかったのですが、自然の脅威を感じてしまいます。
Invernessに着き、列車の駅構内にある予約センターで宿を取ろうとしたところ、見つからなかったのですが、ツーリスト・インフォメーションならもっと沢山のリストがあるから行ってみるように言われました。そして、全く手こずることなく宿が取れ、ついでに行きたい所の情報も手に入れました。やっぱりInvernessは観光地としては優れていました。

Culloden古戦場の近くにある先史時代の遺跡を訪れるために、先ずバスでCullodenへ向かうことに。ツーリスト・インフォメーションでCity Tour（オープン・ルーフのダブル・デッカー）のリーフレットを見ると、Cullodenを回るコースもあったのです。しかも他のCawdor城も回るのです。そのCity Tourのバスを使ってInvernessの東側の名所を訪れてみました。
	Cullodon古戦場
	Scotland歴史上最も重要で、且つ最も悲惨な場所の一つです。ここで1746年4月16日にJacobite軍と政府軍が最後に戦いました。この時Jacobite軍は徹底的に打ちのめされ、Scotland王朝もほぼ途絶えた状態になってしまいます。この戦い（敗戦）以降、キルト着用、バグパイプの演奏、いかなる武器の携行が禁止されてしまいました。（この一部は1782年解禁されましたが。）Jacobite軍を率いたCharles Edward Stuart（Bonnie Prince Charlie）は賞金をかけられましたが、Flora MacDonaldの手助けにより、Oute HebridesやSkye島を5ヶ月間逃げ回った後、Franceに戻り1788年に亡くなっています。古戦場は現在は茂みが広がっていますが、当時も湿地帯だったようです。その茂みの間に道が作られ、一回りできるようになっていました。Jacobite軍と政府軍が立っていた位置にはそれぞれのシンボルの旗が立てられています。Jacobite軍は赤に白い紋章（右上の写真）、政府軍は黄色に黒の紋章（右下の写真）の旗です。政府軍の方はざっと史家ありませんでしたが、Jacobite軍の方には何処にどのclanがいたかという案内板があちこちに立てられていました。古戦場全体はThe Memorial Cairnの側の展望台（といっても高低差はありません）から眺めることが出来ます。また古戦場に入ったあたりにはそれぞれのclan別（たまには複数もあり）の墓碑が並んでありました。左の写真は"Clan MacKintosh"とありました。この写真の墓碑だけに花が添えられていました。一族の末裔あたりの人が訪れたあとなのでしょうか。古戦場にはビジター・センターが建てられていて、オーディオ・ビジュアル上映（日本語による説明もあり）と発掘品や古戦場の模式図、パネルなどの展示ルームがあります（有料）。勿論、レストランやお土産店もあります。また、そのすぐ隣にはOld Leanach Cottageという昔の農家が展示されています（中に入ることも出来ます）。	Jacobite軍の位置（中央に赤い旗が見えています）
		政府軍の位置
	ここは、この後訪れたいと思っていたClava Cairnsのついでの積もりでした。戦場としてはそんなに広くはないのでしょうが、やはり戦場だった所です。ちょっと回るつもりがかなり時間がかかってしまいました。しかも、途中であちこち寄ってみるものだから、他の人より余計に時間をかけてしまっていました。また、中央を横切る道もないため、一回りしなければなりません。結局、ここで2時間半以上も取ってしまいました。

	Clava Cairns
	先史時代の遺跡を訪れるのが好きなので、ネットで探してみたらInverness近郊にも大きいものがあるということを知りました。Culloden古戦場のすぐ近くとは知っていたのですが、方向も道のりも分かりません。幸いCulloden古戦場にはビジター・センターがありそこにいる職員から聞き出すことができました。”歩いていくのか？”の質問にそうだと答えると、”30分くらいかかるけど”と言われましたが、それくらいはなんてことありません。彼は先ずざっと口で説明した後、近くにあった地図でもう一度説明してくれました。その地図で曲がる所なども分かったので迷うことはありませんでした。途中に”橋”が見えてくるから、といわれて何のことかと思ったら、鉄道のアーチ型の写真に収めたくなるようなものでした。この遺跡ですが、石器時代後期から初期青銅器時代、紀元前約2000年から1500年のものです。目的の場所には、3つの石塚と１つのストーン・サークルが残っています。その周辺には少なくとも27の塚があったとされています。その遺跡群の名残のスタンディング・ストーンも途中で見ることも出来ました。 3つの塚のうち、中央は石室が真ん中にあり、そこまでの通路はありません。この脇のストーン・サークルがあります（左写真）。北東、南西の塚には石室とそれに続く通路があります。いずれも形は綺麗に残っているようです。また、それぞれの塚には取り囲む様にストーン・サークルが作られています。南西の塚を取り巻くストーン・サークルはその一部は道路の向こうになってしまっています。この塚の回りは木々に覆われ、お墓だったこともあって、お天気が良かったにもかかわらず少々ひんやりとした雰囲気でした。駐車場もあり、その横にはピクニック用のベンチなども設置されていました。途中のNairn川では釣りを楽しんでいる人達を見かけました。Clava Lodgeという豪華な宿泊所もあり、回りはレジャーも楽しめるような所のようです。ここは自由に出入りでき、案内（図解）板があるだけで他には何もないのですが、解説書（分布図付き）がCullodenビジター・センターに売ってありました。	北東の石塚中央の石塚南西の石塚
	Cawdor Castle
	City Tourがここも回るなら、とついでに寄ることにしました。 1370年以降、Cawdorの豪族の所有となっています。一般にはShakespearのMacbethにも出てくる有名なお城として知られています。中は綺麗な調度品や、新旧の台所が並べて展示されていましたが、撮影禁止。”去年のAbbotsford Houseとはえらい違い”などと思ってしまいました。回りには手入れされた庭があり、見事に剪定された植木も見物でした。また、迷路も設けられていましたが、中には入ることが出来ないようになっていました。ここは次のバスまで1時間半ほどあったのですが、城内はざっと見ただけで、あとは庭の散策で時間を費やしていました。バス停の近くの池ではアヒルたちもいました。また、すぐ近くにはゴルフ場もありました。
	Fort George
	City Tourの最後の降車となる所です。ここは、ホント、思いっきりついでになりました。 Cullodenの戦いの後に作られた要塞で、Moray Firth（この奥にInvernessがある）に突き出た岬に建てられています。併設された売店に行くと警備員が声を掛けてきて、中に入るならば荷物検査をしなくてはいけないと。そこで、見学にはどれくらいかかるかと聞いたら、”全部見て回るには2時間”と。最終バスまでは1時間もなかったので、荷物検査の時間も合わせるとチケットを買って見る程のこともないと思われたので入場はやめました。一般の観光客用の入口とは別に、警備が厳重な車用の入口もありました。軍の設備として今も使われているようでした。そこで壁のすぐ側の海岸をちょっと歩いてみました。大きな要塞なので、Moray Firthの湾口が見える位置まで行こうとしてもなかなか行きつきませんでした。壁の上では、お天気がよいので日光浴をしている男性達（軍関係者？）も見かけました。最終バスにも無事に乗ることが出来ました。バスはMoray Firthの海岸沿いを走ります。Inverness空港の横と、Stuart Castleの側を通ります。Stuart Castleは見たところ、Fort Georgeよりも面白いのかもしれないと思ってしまいました。