Poolewe (+Gairloch)
2004/7/6(tue)~7/7(wed)

Highland西海岸を更に南下し、バスの終点近くの村Gairlochに泊まる事にしました。ツーリスト・インフォメーションもあることだし、ということで決めたのです。近くには有名な庭園もあるのです。
バスの時間までUllapoolをちょっと回った後に、フェリー乗り場で乗り込みました。乗客は2人。Loch Broomをぐるりと回り、Invernessに向かう道をそれ、海岸沿いを走り続けました。お天気が良く、西海岸の海が実に美しく輝いていました。
ツーリスト・インフォメーション前でバスを止めてくれました。そのツーリスト・インフォメーションがセルフ・ブッキングとなっているのです。係の女の子に聞いてみると、予約サービスはやっていないとの事。店内にある電話(無料)で自分で予約をするようにと言われました。電話は苦手なのですが、仕方なく使い方を聞いてやってみました。空いていないとか、シングルはないとか言われ、ノン・メンバーの所を聞いて回る事にしました。荷物はそこに預ける事が出来ました(有料)。そして、空いていても一人はダメとか、メチャクチャ高いとかで、ホテルまで聞いたのですが、見つかりませんでした。(この時は、ホステルに泊まるという事は考えていませんでした。)
仕方なくツーリスト・インフォメーションに戻って、まだ移動のバスがあるので隣のPooleweはどうかと相談しました。”あそこはもっと小さい”と言われ、彼女は私の状態を見て、他を当たってくれました。ちょっと離れた所にあったのですが、そこまで行くバスがその日はないので無理となりました。”Skyeなんかどう?”と冗談交じりには言われました(下記の交通の項目参照)が、そこでSkyeへ渡ると予定が狂ってしまうのですよ。(あとで、渡らなかった方が良かったと知りました。) バスの移動範囲はPooleweだけなので、結局そこにも聞いてくれました。そこは空いてはなかったのですが、そこの人が他を聞いてみると言ってくれたと、説明してくれ、折り返しの電話を待つように言われました。そして、見つかったので、そこに電話するようにと。無料の電話を使ってかけ、泊めてくれる事を確認しました。とりあえず、ホッとし、バスの時間まで1時間程あったので、ついでに近場を彷徨きました。宿はそれ以前でも苦労していましたが、こんなになるとは思いませんでした。宿探しで1日つぶした気がしました。しかし、宿探しの苦労はここで終わりではなかったのです。
Pooleweに着いて(Ullapoolの方へ戻る形になります)、宿はバス停からそんなに遠くなくて助かりました。また、雑貨屋も開いていて、夕食にも困る事もなく済みました。シングルなのかと思ったら、セミダブルとシングルのお部屋だったのですが、シングル料金で泊めてくれました。料金をはっきり確認せずに行ったのですが、翌朝確認したら、私の希望範囲でやってくれたのです。私がそんな状態で辿り着いたのを見てか、おばさんは宿にいる間も、色々心配してくれました。

Poolewe
Poolewe”プーリュー”と読んだらよいようです。Loch Eweという入江の奥、南側の海岸沿いにある小さな村です。名前の由来は”Pool of the ewe”で、poolはゲール語ではpollでpool(水たまり)またはhollow(谷間)、eweはIuと書いて、yew(イチイの木)に関係する川の名前だそうです。
村には雑貨屋(郵便局も兼ねる)、ティ・ルーム、ホテル、アウト・ドアショップがそれぞれ1軒づつあるという状態です。クラフト・ショップもあったかもしれませんが、2年前に泊まったMull島のBunessanという村よりは更に小さい所でした。
Loch Eweの向かいにはInvereweという村があります。こちらは有名な庭園があるので、割に知られているようです。2つの村の間に、キャンプ・サイトもありました。歩いて20分くらいでしょうか。
Gairloch
Gairloch”ゲアールロッホ”と呼ぶようです。Pooleweの宿の人への電話で、”今どこにいるの?”と聞かれた時、”ガーロッホ”と言ったら、あまりできないのを察して”ゲアールロッホね”と返されました。その時は”ゲ”で始まる事しか分からなかったのですが、あとで地名辞典を調べたらゲール語の”Geàrr”とあり、他の方に確認したら、それで良いらしいとの事でした。ちなみに”Geàrr”は”short”の意味だそうです。
Loch Gairlochの奥にある村で、海岸沿いに家並みが並んでいます。Pooleweとは丘を1つ隔て、小さな半島越しにあります。マリン・スポーツ目当てのお店がちらほら見られました。少し南に車で5分くらい行った所にはGairloch Harbourがあり、そこにもちょっとした集落があります。こちらの方が賑やかに感じました。
交通
  1. バス
    RapsonsがUllapoolからGairloch Harbourまで運行しています。平日1本、曜日や季節によっては増える事もあります。UllapoolからPooleweまで約1時間25分、Gairlochまで約1時間40分。
    D&E CoachはInvernessまたはAchnasheen StationとInverewe Gardensの間を運行しています。所要時間はInverness-Inverewe Gardensが約2時間15分、Achnasheen-Gairloch Harbourが約50分です。また、Gairloch Harbour-Inverewe Gardensは約20分というサービスもあります。平日・土曜日に運行されていますが、区間によっては1本とやはり少ないです。
    RapsonsはGairlochのポスト・オフィス(村の中心)まで行きますが、D&E Coachは村の中まで行かないものがありますので注意が必要になります。
  2. 航路
    Gairloch HarbourとSkye島のPortreeとのサービスがあります。平日1日2本、所要時間は約1時間30分。上記の両方のバスが港まで乗り入れていますので、移動には問題ないと思われますが、乗り継ぎ時刻は数時間あります。6°Westという会社が運行していています。Portreeを訪問した時、こんなのあったけ?と思ったのですが、この年4月から運行が始まったらしいです。36人乗りの小型の高速艇(その後訪れたPortreeで見かけました)で、人(チャリもOKか?)のみの乗船のようです。移動と言うより、マリン・クルーズを楽しむ方が多いのかもしれません。冬期は運行していないようです。
    ツーリスト・インフォメーションの女性が宿が見つからない時”Skyeはどう?”と言ったのは、この船に乗って移動する事を言っていたのです。乗船時刻には十分間に合いそうでしたが、、Portree到着は17時30分なのでやはりそこから予約をしないといけなかったのです。
Gariloch Heritage Museum他
Gariloch Heritage Museum展示物は主に地元の生活用品、特に農家で使っていたものが多いようです。入口には灯台のライトが再現されています(右写真)。有料。
宿が決まった後、ツーリスト・インフォメーションの女性がバスまで1時間程あるので、お茶でも飲んでゆっくりしたら?と勧めてくれました。言われた方向に行くと博物館がありました。この裏手にティ・ルームがあるはずなのですが、その前にこの博物館に入ってみる事にしました。入口の灯台以外は余り興味を引くものはありませんでしたが、ちょっとした見学は出来ました。(お茶は結局飲んでいません。)
その他、時間が無くまた遠方だったので訪れてはいませんが、手に入れた資料の中から面白そうな所をご紹介しておきます。
  • Rua Reidh Lighthouse
    Gairlochの北約20kmにある灯台です。灯台自身は一般公開されていませんが、その崖の上からはOuter Hebridesが見え、海鳥や海の動物達が見られるそうです。ここにはホステルやティ・ルームも併設されていて、ガイド付きのツアーもあるそうです。
  • Red Point
    Gairloch南西約10kmの景勝地です。近くには砂浜と砂丘もあるそうです。ここへ行く途中のShieldaig BayとBadachroと言う所に古代の集落跡もあるそうです。車でないと行けません。
    何故かここの写真(印刷)を以前から持っています。WolfstoneのDuncan Chisholm(フィドル)の初ソロアルバムのタイトルが”Redpoint”そのものなのです。彼はInverness生まれですが、Wester Ross(この辺りの地域)にも繋がりがあり、この景勝地を訪れた事があるのでしょう。そこからヒントを得てアルバムのイメージを作ったようです。ジャケットに使われた写真は残念ながらモノクロで、お天気も暗いようで、景勝地の美しさは見て取れません。
  • Gairloch Marine Life Centre and Cruises
    Gairloch Harbourにあります。この地域の海洋生物の写真やビデオの展示があります。またクルージングも行っていて、海鳥、アザラシ、ネズミイルカ、イルカ、クジラ達が見られるそうです。
  • Flowerdale waterfalls and woodland walks
    Gairloch Harbourから川(名称不明)を川沿いに登る事になります。パスもあるようですが、どのような状態かは不明です。
Inverewe Gardens
Loch Eweの奥に突き出た岬にある庭園です。北緯57.8°ですが、沖を流れるメキシコ湾流のため、亜熱帯植物の生育が可能になっています。Britain島で最北の庭園と言われています。19世紀中頃からOsgood Mackenzieがこの辺りを造園化し、1922年のOsgoodの死後は、娘のMairiが引き継いでいます。1952年、Mairiがナショナル・トラストに譲り、一般公開されてきました。1952年には訪問客が3000人で、現在は年間13万人の訪問客があるそうです。通算は350万人を数えています。
回りには大きな村はないにもかかわらず、海岸縁の道は大型観光バスが行き交っていました。この庭園目当てだと思われます。開園時間が9時30分だったので、宿を9時過ぎに出ました(歩いて20分程)。途中景色が良かったので写真を撮ったりしていたので入園した時は9時50分になっていました。それでも数名の入園者がいましたが、お昼近くになると、団体客がどっと入っていました。本当に人気があるようです。
庭にはそれぞれ名前が付いていますので、ここで気になる庭を紹介しておきます。
  • Walled Garden
    最も人気がある庭です。1870年に作られました。Loch Eweに面した場所に扇形に壁が作られています。多くの花が植えられているだけでなく、野菜や果物も植えられています。壁の上側には細い道が作られていて、全体を見渡しながら歩く事が出来るようにもなっていました。また、海側の壁を抜けると、細長い広場があり、休憩できるようにベンチも設けられていました。
  • Rock Garden
    Walled Gardenの先に進むとありました。ここに植えられているのは主にNew Zealandの潮風に強い植物と高山植物という事です。この奥にはInverewe House(非公開)が建っていて、前庭に当たる広場には様々な花が植えられています。1914年に最初の家が焼失し、Sawyer家が建て直しました。
  • Japan
    地図を見た時、ここにも日本庭園があるのか…と思いつつ行ってみると、全く違っていました。??と思い、ガイドブックを良く読んだところ、Osgoodの最初の植林の一つで、 そう名付けられたのは数年前に取り払われた大きな桜の木があったためだそうです。日本の原生林によく見られる植物が多くあるそうですが、原生林ってこんなのだったかな?とよく分からないまま見ていました。”Japanese Garden”とはなっていないのがミソです。
  • Am Ploc Ard
    この庭園中、最も高い場所です。Lock Eweや、その向こうにあるPooleweなどの村が眺められます。回りには木も多く、一望できるという訳ではありませんが、ベンチがあってちょっとした休憩になりました。
  • Devil's Elbow
    名前からすると、気味が悪い?というイメージがありますが、全くそんな事はありませんでした。ヘアピン・カーブの道になっている事から付けられているようです。
  • Jetty Path
    この道の突き当たりに船着き場がありました。ちょっとした入江のCamas Glas(Grey Bayの意)に船をこぎ出す事が出来るのでしょう。この船着き場からもLoch Eweが眺められます。
  • Pond Garden
    地図を見ると3つの池がありました。その中の最大のものがある所にそう名付けられています。池には小さな水草や蓮の葉が浮いていました。また、片側には笹の壁が出来ていました。池の縁にあたりにはカキツバタ(Japanese iris)もありました。”Japan”のエリアだけでなく、あちこちに日本ぽい植物があるように思えました。
  • Jubilee Walk
    1977年にエリザベス女王の在位25周年を祝って作られました。道の両脇にはScotlandの松の木がそびえていました。
  • Rhododendron(石楠花) Walk
    道の両側に様々な石楠花が植えられていました。まだ満開とはいきませんでした。他のエリアでも見かけました。石楠花はこの季節に旅行すると、あちこちでよく見かけます。
  • America
    南北America大陸の植物が植えてありました。割に背の低い花々が多かったように思います。ここを海側に抜けると、1本の印象的な木が立っていました。turky oak(トルコカシ)だそうです。
  • Azalea(アザレア、ツツジ) Walk
    Walled Gardenの上の方に作られていました。名前が付いている割にはツツジの数は少なかったように思いました。開花の季節はもう終わったようでしたが、まだチラホラ咲いていました。
Walled Garden
Walled Garden
Rock Garden
Rock Garden
Japan Garden
Japan
Pond Garden
Pond Garden
Rhododendron Walk
Rhododendron Walk
1日、ここに時間を使っても良かったのですが、レストランが外にあるため、3時くらいに出てしまいました。それでも5時間くらい、この庭園の中を彷徨いていました。結構広いので全ての庭を見て回る事も出来ませんでしたが、楽しい時間を過ごしてきました。
Walled Gardenは最初に入ったのですが、午前10時くらいでした。その時間、下段には虫が飛び交っていて、時々刺してくるのです。おそらくmidge(蚊、ブヨの類)と呼ばれる虫だと思うのですが、刺されたら1週間くらいはかゆいのです。かゆみ止めも殆ど効きません。虫よけが欲しい!と思いつつ散策していました。午後になるといませんでした。宿の近くの雑貨屋には虫よけが置いてありましたが、行った後だったので買いませんでしたが、その後もこの虫に悩まされた事があって、ここで買っておけば良かったと、後悔していました。春から夏にかけて、庭園や放牧地に行く予定の方、是非強力な虫よけを用意して下さい。
Pine Wood Trail
遅い昼食後、近場を彷徨いてみようと思ったら、この矢印があり、そこからパスが始まっていました。どんな所に行くのか分からないまま、時々建っている矢印(番号が付き)に従って歩きました。初めの方は割に広くて、歩きやすかったのですが、段々と狭くなってきました。そして、奥へ奥へと進んでいくのです。何処まで行くか分からなかったので、見晴らしが良い所に出た所で引き返しました。この辺りの詳細地図で確かめると、最後はループ状になっていて折り返すようです。文字通り、松の木林の中を進みますので、時々見える開けた景色以外は見所がありません。

  1. Waterside of Poolewe(英語):Pooleweの情報のページです。
  2. The National Trust for Scotland(英語):ナショナル・トラスト・スコットランドのオフィシャル・ページです。Inverewe Gardensの情報が参照できます。
  3. Visit Gairloch Online(英語):Gairlochの情報のページです。
  4. Gairloch Heritage Museum(英語):Gairloch Heritage Museumのオフィシャル・ページです。
  5. Gairloch Marine Life Centre and Cruises(英語):Gairloch Marine Life Centre and Cruisesのオフィシャル・ページです。
  6. Rua Reidh Lighthouse(英語):Rua Reidh Lighthouseでツアーを行っている紹介用のページです。
  7. Rapsons Driving Scotland Forward(英語):Highland中を巡るバスの運行をしている会社のページです。時刻表の入手が出来ます。
  8. D&E Coaches(英語):Inverewe-Gairloch-Invernness間のバスの運行をしている会社のページです。(時刻表がない? 上記のRapsonsで手に入るけど)
  9. 6°West(英語):Gairloch Harbour-Skye島Portreeの間の船を運航している会社のオフィシャル・ページです。