Mallaig(+Isle of Canna)
2004/7/13(tue)~7/14(wed)

Highland西海岸の旅を続けるにあたって、ちょっとだけ行ってみたかったのがこの沖に浮かぶ小さな島々でした。曜日によって行く島が違うので、その中で最も興味があったのがCanna島で、その航路の都合で滞在を決めました。島に滞在すると帰りが困るので日帰りです。その出発地が西海岸は最後の宿泊地となったMallaigでした。
PortreeからMallaigに移動する時には、Armadaleから渡る訳ですが、3時間程Armadaleにいた後、フェリーに乗りました。フェリーは遅れたので、接続の列車に乗る人はいち早く降ろしてくれましたが、私は乗らないのでゆっくりとしていました。それでも、時々、列車に乗るのかと心配して声を掛けてくる人がいました。ツーリスト・インフォメーションで事前に取った宿の場所を聞いたのに、小さな町だからと方角を良く教えてくれなくて、もう一度聞いたら今度は女性が丁寧に教えてくれました。投宿後、もう一度ツーリスト・インフォメーション(セルフ・ブッキング)で翌日の宿(Fort William)を聞いたのですが、全て満室。時間が来て追い出され、翌日来いと言われたのですが、時間が無く、結局良く時の夕方まで持ち越してしまいました(そして大変な事に…)。

Mallaig
Mallaigたいして大きくない、主に漁業を中心とした町です。最も有名なのが、West Highland Way(道路、鉄道とも)の終点である事だと思われます。そして、ここからお向かいのSkye島(Armadale)に渡る事ができる訳です。West Highland Wayのこの町までの約10kmは風光明媚な景色が広がるルートで、結構人気があるようです。その先の西の島々への道となるため、この一帯は”The Road to the Isles”と呼ばれています。
交通
  1. バス
    地元の中を巡回するバスがあるはずなのですが、見つかりません。他の町・村を繋ぐ路線も見つける事が出来ませんでした。
  2. 鉄道
    Fort Williamを繋ぐサービスがあります。Fort William-Glasgow間もそのまま乗る事が出来ます。また、夏の期間だけですが、Fort Williamとの間を1日1本Jacobite Steam Trainが走っています。こちらは移動用より観光用と考えた方がよいでしょう。
  3. 航路
    Skye島のArmadaleとの間に大型フェリーが就航しています。所要時間は約30分。平日・土曜日に1日6本、夏期期間は日曜日も運行され1日7本となっています。
    西側に浮かぶ小さな4つの島を巡回するフェリー(車は不可)が就航しています。平日・土曜のみで曜日によってルート・寄港先が異なるので事前に時刻表をチェックする必要があります。
Mallaigのビジター・アトラクション
とりたててその他にどうって事がない町ですが、2ヶ所程展示館があるのでご紹介しておきます。
  1. Mallaig Heritage Centre
    展示物は、漁業を含む西Lochaber(この地域の総称)の模型と説明の映像、Mallaig鉄道、Knoydartでのクリアランスなど、です。通年開館。
  2. Mallaig Marine World
    水族館と海に関する展示を行っています。Scotlandに生息している海洋生物を生で見る事が出来ます。また、Mallaigでの伝統的漁業の展示もあります。通年開館ですが、たまに閉館の時もあるようです。
-The Small Isles(Hebridesの海に浮かぶ小さな島々)-
Mallaigから出発して、西側の海に浮かぶ小さな島々(Small Isles)へフェリーが就航しています。Rum、Eigg、Muck、Cannaの4つの島々をSmall Islesと呼んでいます。
それまで、Scotland各地の島々を巡ってきましたが、こういう小さい島にも行ってみたいと思いました。但し、宿泊が難しそうなので、ちょっとの時間だけ上陸できればということでした。日帰りで1日だけとなるとどこか1ヶ所に絞る必要があるので、その中で選んだのがCanna島でした。曜日によって就航先が異なるので、希望の日は水曜日となりました。このルートはその前にRum島にも夜ので、2つの島は眺める事が出来る訳です。残りの島は遠くから島影をフェリーの船上から眺める事が出来ました。
ここでフェリーが就航している4つの島に関して、ご紹介をしておきます。
Canna島
Canna Harbour最も西に位置する島になります。古代スカンジナビア語のKanna(バケツの意)に由来し、おそらく島の形状のためにそう呼ばれたのではないかということです。肥沃な土地のため、”Hebrides諸島の庭”とも呼ばれる事があります。島には小作農が行われ、牛もいます。また、157種を超える鳥が生息しているとみられています。Sanday島と共に島全体が1981年ナショナル・トラストの所有となっています。島の東側には岩場の上に立てられたCoroghon Castle(廃墟、右の写真の右側の平坦な部分に突き出ているもの)があります。
当初、私はこの廃墟に行ってみようと思っていたのですが、前に歩いていた男性2人につられて、逆方向に行ってしまいました。後でここにも行く時間があったようなので、ちょっと悔しい気持ちです。遠目には見ていたのですが…。
Cairn at Canna Canna島とSanday島は木製の橋で繋がっています。Sanday島側の橋の袂には白い記念碑(塚?)がありました(写真左)。キリストとマリアのステンドグラスが貼られ、貝殻(らしい?)お供えみたいなものが置いてありました。先に着いた2人男性の一人は側に傘を地面に突き刺して帰っていました。どういう意味か不明です。
Canna and Sanday
Canna島とSanday島(左側)の全景
Rum島
Rum最大の島で、海にそびえる絶壁と山が特徴となっています。ゲール語のRùm(部屋、空間の意)に由来するようですが、ケルト以前からの由来の名前であるかもしれないとの事です。20世紀初頭まではRhumと綴っていたようです。赤鹿、パフィンのコロニー、’ラム’ポニーとして知られる小型のポニーの飼育などでも知られています。1957年から自然保護区になっています。港から見える山はHallival(723m、右写真の右)、Askival(812m、右写真の左)で、非常に印象的です。
Kinloch Castle港近くにKinloch Castleが建っています。島唯一の大きな建物となっています。100年以上前のものでGeorge Bulloughが建てました。屋根が崩れ落ちたために、速急な修復が必要となっています。現在はScottish National Heritageが所有しています。
この島に最初に帰港する訳ですが、お天気が悪い上に、乗り合わせたボーイ・スカウト達がうるさくて景色を楽しむどころではありませんでした。彼等はこの島に滞在するようで、帰りは乗ってこなく、ホッとしました。
Eigg島
Eigg2番目に大きい島です。おそらくゲール語のEag(切り通し、切れ目等の意)に由来するようです。遠くから見ると2つの台地がつなげられたように見えます。居住者がいる唯一の島で、彼等は様々なツアーを行っています。島の北西部のLaig湾岸には鳴き砂がある事で知られています。また、大虐殺の洞窟や古代遺跡もあるそうです。
Muck島
最小の島で、東西約3km、南北が約2kmです。最も南に位置しています。ゲール語で”Isle of the Sow(豚の島)”という意味だそうです(Mucはゲール語で豚の意)。地形よりもここで豚が飼育されていた事によるものだと言われています。豊かな植物相と多くの鳥に恵まれ、特にGallanach湾(北側)に顕著に見られるそうです。また、この島は約1世紀の間、MacEwan一家の所有となっていました。
フェリーから遠目には見えたと思われますが、あまりに小さくて写真には撮れませんでした。

  1. The Road to The Isles(英語):Lochaberの西海岸およびSmall Islesの情報のページです。
  2. Fort William and Lochaber - Mallaig(英語):Mallaig情報のページです。
  3. Mallaig Heritage Centre(英語):Mallaig Heritage Centreのオフィシャル・ページです。
  4. The Internet Guide to Scotland - Small Isles(英語):Small Islesに関する情報のページです。
  5. Caledonian MacBryne(英語):Small Islesへのフェリーを運航している会社のオフィシャル・ページです。