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Glenfinnan |
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Fort Williamに泊まるのはこの谷を訪れるためでした。10年前に列車で横を通り過ぎた時に、そこに見えた記念碑と鉄道用の橋が気になっていたのです。この谷のアトラクションを紹介しておきます。
- Glenfinnan Monument & Visitor Centre
GlenfinnanはLoch Shiel(湖)に流れ込むFinnan川の領域になります。
1745年7月25日のJacobit蜂起後の8月19日に、ここで軍旗を掲げました。湖畔に立っているMonumentは1815年Alexander
Macdonaldによって作られました。高さは65フィート(約19.8m)、上に立っている像はBonnie
Prince Charlie(Charls Edward Stuart)を表しているとも、ハイランダーを象徴的に表しているとも言われています。1834年にMonumentに付け加えられました。LanarkshireのCarluke出身、John
Greenshieldsの作。頂上には同時に6人まで、という制限があります。現在はNational
Trust for Scotlandが管理しています。
Monumentに入る小道の側にはVisitor
Centreがあります(駐車場あり)。ここでMonumentへ登るチケットを買いますが、入場のチェックはしていませんでした。Visitor
Centreの中はJacobite軍に関する資料や品物、蜂起から戦況・敗北までの説明パネル、付近の模型やオーディオでの説明などがありました。
旅の最初の頃のInvernessでCulloden古戦場に行きましたが、この2つの場所はJacobite軍の歴史に於いて重要な所となっています。今回、歴史的には逆になりますが、どちらも訪れました。
Visitor Centreに入ると、前にいた女の子がハリー・ポッターのファンで、チケット売りの女性がロケ当時の詳しい説明を窓越しに指さして彼女にし始めました。その間受付は空で、チケットを買えないのです。私もその説明をちらっと聞いていましたが、良く聞こえなかったので詳しい話は分かりません。のんびりしています。チケットを買った時、”階段は急で、上は狭いので気を付けネ”と注意されました。この時初めて上に登る事が出来ると知ったのです。同時に6人まででしたが、前に登っていった親子が4人だったので後に続きました。下りる時、別の親子が登ってきたので、(螺旋)階段で何とか交わそうとしたのですが、向こうが気付いて下まで下りてくれました。下に着いた後、上には誰もいないと言ったので、彼等は登っていきました。上は本当に狭くて、階段からの出入りも窮屈です。眺めは結構良かったです。
- Glenfinnan Viaduct & Jacobite Steam Train
Glenfinnan鉄道橋は1897年から1901年にかけてSir
Robert McAlpineによって建設されました。Fort
WilliamとMallaig間(約42マイル、67.6㎞)の鉄道のために架けられています。当時の最新技術であるコンクリートを使っての建設でした(遠くから見ると石橋に見えるようですが、近くで見ると明らかにコンクリートです)。橋には21個のアーチがあります。Fort
William-Mallaig間を1日に1本、Jacobit Steam
Trainが走っています。夏の間のみの運行で、所要時間は2時間5分。大人の往復料金が25ポンド、子供が14.5ポンドと高め。予約が必要で、ファースト・クラスもあるそうです。
私はこのJacobite Steam Trainには乗っていません(でないと、走っている写真は撮れません)。宿泊の件で、行きの時間には間に合わない上に、料金が高かったのでやめたのです。その後の普通の便に乗り、Glenfinnanで下りた訳です。蒸気機関車の帰りがGlenfinnan駅を15:21に発車するので、その頃に、近くの高台に登って(虫に悩まされながら)この列車が鉄道橋を通過するのを撮影しました。写真を撮るために他に2人(+1:奥様)と見るだけの子供とお爺さん(犬付き)もいました。
ところで、この光景、どこかで見たと思われる事でしょう? そうです。あのハリー・ポッターの映画です。実際ここでロケが行われました。そのため、ここが人気上昇しているような気がします。この写真も映画のあのシーンっぽくなっています。但し、帰りのため列車の方向はハリポタのHogwartsとは逆になっています。
この橋の通過時は他の列車もそうですが、スピードを緩めます(カーブと観光のため?)。車内では、Glenfinnanに関する説明も放送されていました。おかげで、良いショットの写真が撮れました。
- Glenfinnan Station Museum
Glenfinnan駅を下りると、前に車両を使ったダイナーがありました。腹ごしらえに入って、窓越しに見える景色も楽しみました。野鳥の餌台もあり、多くの鳥が集まってきて、更にタヌキ(ではないと思うけど)みたいな動物がウロウロしていました。毎度の事らしいですが。そして支払い時にまだMuseumに行っていないのなら、と入場券をくれました。
せっかくもらった入場券、帰りにちょっとだけ寄ってみました。場所は駅舎内で、入口は記念品などの売り場になっていました。展示はWest
Highland Railwayに関するもので、Glenfinnan鉄道橋建設時の写真などもありました。
- Loch Sheil(おまけ)
Glenfinnan Monumentの側に細長く広がるのがこの湖です(海に通じていないので入江ではありません)。Glenfinnan鉄道橋からもよく見えます。写真は移動中の列車から撮ったものです(湖の左端にMonumentが立っているのですが、分かりますか?)。この湖はクルージングのツアーもあるそうです。美しい景色の他、赤鹿、イヌワシ、その他の希少な野鳥がクルーの生解説で見られるそうです。
この湖もハリポタの映画(3作目)で最後のシーンで出てきていました。
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Old Fort |
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Glenfinnanから戻り、宿のチェックインを済ませた後、まだ明るいので近場を歩きました。Inverness方面の道を進み、海岸へ出る道へ住宅街を通って進みました。丁度Loch
Linnheの奥で、Lochy川の河口にあたる所にでました。そこから海岸沿いに遊歩道があるので町まで戻る事が出来るのです。何て事はない所ですが、夕方の散歩には丁度良い所でした。水の中で釣りをしている人も見かけました。この散歩の終点となるのがOld
Fortでした。10年前も訪れていますが、説明板があったのでここでもあらためてご紹介しておきます。
100名もの兵士の駐留地であった大規模な要塞(Fort)の遺跡です。要塞は1690年にMackey将軍によって建てられました。William王後に、その名を冠して町の名前に付けられました。Fort
Williamに対するゲール語の名前は"An Ghearasdan"で、"要塞"の意味です。ほぼ200年後、要塞はその防備を撤去され、土地は1889年にWest
Highland Railway Companyに買い取られました。要塞に線路を敷くためでした!
現在、ここにはわずかな石垣と盛り土が縁に残り、中央部は草地(刈り込まれています)になっています。敷かれた線路も駅が移動したためにありません。駅・バスステーションのすぐ側なので、乗り継ぎの時間が余ったりした時になど訪れてみて下さい。名残も少ししかないのですぐに見終わります。 |
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Glencoe |
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Fort WilliamからEdinburghへ向かうバスは近くの名勝Glencoeを通るので、ここで少しご紹介しておきます。このルートは以前も通ったり、ミニバス・ツアーで入口まで訪れた事はあったのですが、今回バスの中からデジカメを使って色々と写真を撮ってきました。
この谷で最も有名なのが”Glencoeの虐殺”で、1692年2月の寒い冬の夜にWilliam3世の命令でMacDonald氏族の大虐殺が行われたのでした。38名が殺害されましたが、その他の大部分が逃げる事が出来たそうです。ただ、逃げ出せても厳しい気候の中で餓死や凍死した人達も大勢いたとか。
谷は東西に延びていて、その両端を塞がれると逃げ道がない、という程両側に山が迫っています。谷間にはCoe川が流れていて、道路は川沿いを走っています。路線バスなので(バス停以外は)止まることなく進みますが、観光バスや乗用車などは時々眺めが良い場所に止まっていました。途中にGlencoe
Visitor Centreもあります。また、Fort William-Milngavie(East
Dumbartonshire)間のWest Highland Wayというパス(全長152km)がこのGlencoeの一部(東部)を通っています。 |