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Black Isle, and Fort Augustus
最初の予定では前年にもInvernessに宿泊したので、Fort
Augustusに泊まろうとしていました。ところが、ElginでInvernessの北にあるBlack
IsleのRosemarkieにある博物館のことを知り、どうしても行きたくなったのです。Inverness宿泊で、Fort
Augustusは諦めようと思ったのですが、3泊すると日帰りで行くことが出来るのです。その後のAviemoreの3泊予定を2泊に変更すると可能になるのです。しかもFort
Augustusの宿は取りにくいようで、Invernessの方は宿も十分にあることは知っていましたので、今回もまたInvernessに泊まることに。この町は交通の便が良いので必然的にそうなってしまうのかも知れません。これで5回目の宿泊となった訳です。
宿はInvernessのツーリスト・インフォメーションで取ってもらいました。メンバー数が少なくなっているのか、シングルで希望の値段がなかなか見つかりませんでしたが、係がなんとか頑張ってくれました。以前泊まったことがある所の近くだったようで、見覚えのある通りでした。この通りにはB&Bが並んでいます。メンバーでない所も多く、またシングルがない所も多いので、飛び込みではちょっと苦労することもあるかも知れません。
Caledonian運河の散策(1) | |
投宿後、Black IsleとFort Augustusまでのバスを調べた後、十分に時間があったので、再びフラフラとNess川沿いを散歩しました。 ここは宿泊するたびに夕方散歩していますが、今回はもっと早い時間だったために、その先のCaledonian運河に出て、上流へ向かい、Ness川と運河の分岐点まで行ってみることにしました。最初に訪れた時も運河沿いの道を歩いたのですが、あまりに遠くて途中で引き返しました。その次の回の宿泊では、レンタサイクルをして行きました。(右はこの散歩のスタート地点あたりで、右ガウンが、左がNess川です。) そして今回、時間があったので再び歩いてみたのですが、やっぱり遠くて、片道約2時間半。行けども行けども、変わりばえのしない景色に少々ウンザリ。引き返すにしても、また同じ景色なので、そのまま目的地点まで進みました。そんなことで帰りはバスに乗ることにしました。Fort Augustus行きのルート上にあり、時刻表を持っていました。丁度良い時間があったので、あとはバス停さえ見つけたらいいのでした。 運河をたまに通り過ぎる船(中には救命艇も)を羨みつつ、やっと係留されている船の一群を見た時はホッとしました。その先に1つだけのlock(閘門、左写真)があり、更にその向こうが分岐点となっています。分岐点近くまで行ったところ、水量が少ないためか、水が分かれている部分は狭くなっていました。その側までは手前に滑りやすくて危険な場所だったので歩けずに、手前の土手の端までしか行けませんでした。 lockまで引き返し、船が通り過ぎるのを眺めながら休憩。これ以降Glasgowまで、運河とlock三昧になってしまいました。そんなつもりはなかったのですがねぇ。バス停は運河の向こう側になるのでここを渡らなければなりません。そのために、門の上に通路が設けてあります。チャリも渡ることができます。門が閉じている時(上下流に2つあるので船の通過中でも必ず片方は閉じている)は誰に断ることもなく渡ることができます。ここでは開閉は動力を使っていますが、係のおじさんが”俺は力持ち”とばかりに力瘤を作ったポーズで私に写真を撮れと言わんばかりでした。ここでもう1つ有名(?)なのが鴨達が船と一緒にlockを通過することらしいです。私も船に乗って通過したことがありましたが、その時も親子3羽がいました。自分で飛べるのだから何もここに入らなくても、というご意見ももっともですが、名物(?)だからお土産話の1つに加えても良いかも。 バス停探しに時間が掛かると思い、早めに運河を離れました。幹線道路に出たところですぐに見つかりました。時間が余った…。lockの所に引き返しても良かったのですが、もう一度バス停で休憩することに。バス停のボックスのガラスが割れていたために中で待つことが出来ずに歩道の段差に座って待ちました。お天気が悪くなくて幸いでした。(翌々日ここを(バスで)と追った時もガラスはまだ散乱していました。いったいいつ掃除するのやら…) |
Inverness到着日にRosemarkie行きのバスを調べました。ツーリスト・インフォメーションで”ミニ・バス”サービスなるものを見つけ、これがRosemarkieまで行くのです。出来ればBlack Isleの他の所も行きたいのに…と思っていました。博物館はそんなに時間が掛かる訳でないので、余った時間をそのあたりで過ごすつもりでした。もう1ヶ所のFort Augustus行きのバスを調べようとしたらツーリスト・インフォメーションにはなかったのです。こちらはCity Linkのサービスがあることが分かっていましたのでバス・ステーションへ行って調べることに。そこで懐かしのRapsons BusがBlack Isleを回るサービスをやっていることが分かりました。1日乗車券もあり、これでBlack Isleを有効(?)に回ることが出来るようになりました。 | |
Black Isle | |
名前はIsle(島)となっていますが、実際は半島です。Invernessの北側に位置しています。南側がMoray湾とその奥のBeauly湾、北側はCromarty湾に囲まれています。Highlandの観光区分では北Highlandに入っています。InvernessはInverness,
Loch Nessd & Nairnですから、湾を隔てて別の区域となるわけです。また、さらにこの辺りはRoss
and Cromarty地区との表記もされています。 名前の由来ですが、ゲール語のeilean(島)と黒土または暗い森で覆われていることを指したdubh(暗い)を英語に訳したもの。ゲール語名は”St Duthacの島”という意味のEilean Duthacで、間違って”Black Isle”という英語に翻訳されたという説もあります。(St Duthac:St Duthusとも書きます。1000-1065、Cromarty湾の北側にある町Tainで生まれ、Irelandで亡くなりました。亡骸はTainに戻され、元St Duthus教会に埋葬されています。) |
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交通 | |
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Rosemarkie | ||
Moray湾に面した海岸線の中程にある町。対岸はFort
Goergeで、前年に観光バス・コースのついでに訪れていた所でした。この町から南側に突き出ているChanonry岬とFort
Goergeの岬の間は1kmくらいしか離れていません。Moray湾で最も狭い所です。 町の名前は’馬の岬’という意味で、ゲール語で、Ros は’岬’、marc は’馬’です。 お天気が良い日で、海岸沿いの道路は車の通りも結構あり、また、のんびりと過ごす人達もかなりいました。近くには森林散策で人気のFairy Glenもあります。 |
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Groam House Museum | ||
この町を訪れることになった最大の目的の博物館です。 ピクト関連の中心となっているセンターです。重要なRosemarkie十字石板を含む彫刻石が展示されています。12月中旬-2月末を除く通年で、5-9月は毎日、冬期は土・日のみの開館。無料。 中に入るとおじさんが待ち受けていました。階上にビデオを見ていた訪問客はいたものの、1階には誰もいませんでした。そこでそのおじさん、私に色々教えてくれました。ここはピクト文化では重要な場所であると。これが誇張された言い方なのか、と思ってしまうところでしたが、Rosemarkieの名前の由来を見ていた時に同じ事が付け加えられていましたので、おじさんの独りよがりではないようです。また、どうやってここを知ったのか?と聞かれ、Elginの博物館で案内されていたというと納得していました。その後に入ってきたフランス人にも同じ質問をしていました。ガイドブックに書いてあったそうです。日本とヨーロッパの違いはこんな所にもあるようで…。 何か質問は?と言われ、”ここの石は本物か?”と聞きました。よくレプリカのことがあるので。1つの石以外は全て本物とか。中央に立ててあったRosemarkie十字石板も実際にこの地区の教会から発掘され、他の石も近辺の農地から見つかったものとか。時間があったら、他の場所も回ると良いと言ってくれましたが、公共交通機関では無理な話です。リーフレットだけ頂いてきました。ピクト石に関連したグッズも多く販売していて、つい嬉しくなり、説明書やらCD-ROM付きのデザインブックなど色々と買い物をしてしまいました。 2階ではピクト石の発掘に関してのビデオ上映をやっていました。ビデオを上映する頃には訪問客が多くなっていました。2階にも展示はありますが、町の歴史などの展示で、余り興味が湧きませんでした。 |
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Avoch | ||
Rosemarkieの南西約1kmにある海沿いの港町。 町名は’小川の場所’という意味で、Abh は廃れた古いゲール語の’水’の意味で、abhainn(ゲール語で’川’)に関連する言葉です。この言葉はAveron(Cromarty湾の北側の町Alnessを流れる川)と同じ様に大陸ケルトのab またはav に由来しています。ach はゲール語で’野原’を意味するachadh の変形です。 ちょっと前に買った地図にはこの町にヘリテージ・センターがあると書いてあったのですが、新しい観光ガイドにはなかったので、他に特に見る所はないようです。じゃ、何故行ったの?と言うことになりますが、実は、RosemarkieからCromarty行きのバスに乗り遅れ(時間を10分間違えていたため)、その後3時間(!)も次のバスが来ないため、Inverness行きのバス(乗り遅れたバスが戻ってきたもの)でちょっと戻った所を彷徨いてみようと思って降りた所がこの町でした。港あたりを彷徨きましたが、それでも時間が余り、近くの雑貨屋で絵葉書を買って友達に手紙を書いていました。この日もお天気が良くて、またちょっと日焼けしていました。 |
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Cromarty | ||
Black Isle半島の北東端、Cromarty湾の入口にある町です。ここから対岸のNiggへフェリーが出ています(夏期のみ)。車が2台しか乗れないような小さなフェリーで1.2km位しか離れていない対岸への到着も肉眼で見えるほど近い所です。Cromarty湾を回るよりこちらの方が早いのでしょう。 町名ははおそらく’曲がり角のちょっとした所’という意味で、ゲール語でCromは’曲げられた’、achはゲール語の場所を示す接尾辞で、-anは小さいことを表す接尾辞です。ここが削られて細くなったBlack Isle半島の先にあるSouth Sutor(崖の名前らしい)にあるという地形に由来しているようです。1263年にCrumbathynとして初期の古代ゲール語の記録があります。1398年にCromardy、1565年にはCromarteと変化しています。 ここには入ってみたい所がありましたが、何せ、バスに乗り遅れ次のバスで着いた時にはとっくに入館時刻を過ぎていました。取り敢えず、ガイドから紹介しておきます。
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Black Isleその他の町 | ||
半島にあるちょっとした町も紹介しておきます。
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Invernessから、Loch Ness Monster CentreがあるDrumnadrochitとUrquheat城経由で約1時間で着きました。生憎久しぶりの雨でしたが、ひどい降りになった時には近くのお土産店などの屋内に避難していました。帰りのバスは夕方の最終を予約していたので、結構長くいました。さすがにここまで動き回った疲れがたまっていたのか、帰りのバスの中で貧血気味になってしまいました。宿の近くのスーパーの前でバスが止まったので、他の人と一緒に降りて、夕食を買って宿に戻りました。 | |
Fort Augustus | |
細長いNess湖のInvernessとは反対側の南西にある町。InvernessとFort
Williamを結ぶGreat Glen(偉大なる谷)と呼ばれる中にあります。Great
GlenにはNess湖、Oich湖、Lochy湖があります。これらの湖はGreat
Glenの水溜まりのような…この谷に沿って旅をするのも面白いかも知れません。 以前はKilchomain(’St Colman’の教会という意味)として知られていました。Cumberlandの公爵であるWilliam Augustusを祝して、1715年のJacobite蜂起後、古い要塞が再建された時に名前が変わりました。その要塞は現在ベネディクト修道院の側にあります。 |
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交通 | |
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Caledonian運河の散策(2) | |
Fort Augustusに着いて、ツーリスト・インフォメーションによって町の地図を入手し、先ず向かったのがNess湖とOich湖を結んでいるCaledonian運河の4つのlock(閘門)が連なっている所でした。船の航行も盛んなようで、すぐにlockの開閉も見ることが出来ました。下から上まで上がって、その様子を色々見ていると、結構時間を取っていました。下記のボートツアーから戻ってきた時も運河の幅ギリギリの大きな船が下っていたので、ずっと眺めてしまいました。 一番下のlockの下流にはA82の幹線道路が走っています。ここを船が横切るのですが、当然船の上の部分がつかえてしまいます。そこでこの部分を回転式の橋にしています。この回転も眺めていました。バスも通る幹線道路ですが、船が通る時は遠慮なく車を止めて、回転させています。止められる車は信号待ち程度の時間なので文句もないようです。運河にはこういった橋(spin bridge)があちこちに作られています。徒歩はlochの上を歩いて渡ることもできるので、これまた全く問題はありません。 lockの側にCaledonian Canal Museumがあります。Caledonian運河の開発の歴史をパネルで紹介しています。無料。 |
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Cruise Loch Ness | |
lockと博物館を見た後、The Clansman Centreという所に行ってみました。ところが丁度お昼休み。仕方なく、すぐ側のボート・クルーズの案内を眺めていたら、こちらは丁度12時のツアーがスタートする時間でした。余り乗り気ではなかったのですが、次の出発が2時。どうしようかな?とチケット販売所の窓を眺めながら考えていたのですが、受付のおばさんが、”あんた、参加するならまだ間に合うよ”と。”行かないのか?”とせかされて、つい”行く”と言ってしまいました。おばさんはクルーに”まだ1人、入るよ!”と船を止めてくれました。と言う訳で、料金所のおばさんにのせられてしまったボート・クルーズでした。 ボートはNess湖を回って1時間で戻ってくるツアーです。湖から見える両岸の景色を案内してくれますが、殆どが森か崖。崖崩れが起きたポイントあたりで引き返していました。この時は雨は止んでいたので行きは船外にいたのですが、帰りに船室に入ると、前方に2つのモニターがありました。湖底のスキャンの解析画像です。片方は赤いグラフが表示されていました。もう片方は湖底の地形のグラフィック画像です。ネッシー探しなんでしょうか? この時間のクルーズに行っておいて良かったです。次の2時の時には雨がひどくなっていたからです。戻ったところで、最初の目的のThe Clansman Centreに入りました。Scotlandの剣を製作、販売しています。その他手作りのお土産品も多くありました。 |
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River Oich Walk | |
Caledonian Canal MuseumにあったPCガイドに4つの散策コースが紹介してありました。時間があったので1時間半から2時間くらいのコース(約7km)を選んで、カウンターでガイドのコピーをもらって行ってみた。入口が分からず苦労しました。そして途中で気付いたのですが、この時間はあくまで入口からの所要時間で、Museumからその入口までの時間は含まれていないことです。その時間、およそ20分でした。一般道から林道に入る所が入口かと思っていたのですが、更に奥にありました。進んだ所に駐車場があり、その先が入口でした。車だったら問題なかったのでしょうけど。帰りのバスの時間まで3時間くらいあり余裕があったはずなのに、入口までの時間を加えると慌ただしい散策になってしまいました。 コースには分かり易いように杭が打ち付けてあって、たまにある分かれ道なども迷わずに進むことが出来ました。私が選んだコースは黄色で示してありました。もう少し長いコースが途中まで同じパスを進むのですが、こちらは緑でした。入口には2種類の杭がありました。 先ず、コースに入るとすぐにOich川に出ます。そこから延々と川沿いのパスを歩きます。雨は降っていなかったのですが、雨で湿った道には大きくて真っ黒なナメクジが出てきていました。これを踏まないように避けて通るのにも神経を使いました。コースは周回しているので、半分進んだ所で、川沿いを離れ、林道に入ります。川沿いを戻っても良かったのですが、林道の方が(ナメクジがいないため)早く戻れるのでした。この半分の先(コース外)にTorr Dhuinという廃墟があるらしいのですが、途中まで行きかけて道が分かれた所でどちらに進むのか分からなくなって引き返しました。この散策で会ったのは、半分くらいの所で親子3人(年配のご夫婦とその娘さんらしい、しかも日本人ではないかと思われる東洋人でした)と林道で犬を連れたおじさんだけでした。 Oich川は上流のOich湖からNess湖に流れ出る川です。これと並行してCaledonian運河があります。間に木が生い茂っているので両方を同時に見ることは出来ないようです。 |