Glasgowにはいつもフライトの関係で泊まり、そのついでに買い物をして、時間があればちょっとした所に行くようにしています。今回はついでではなくわざわざ1日を割いていました。その目的が南にある小島Ailsa
Craigです。天候によっては行けないこともありますが、取り敢えず予定はしていました。今回、帰国便は時間の都合でEdinburghになっていましたが、各地を回った後交通の便でGlasgowに寄ることになりましたので、2泊した後にEdinburghへ移動しました。
Gigha島では、朝はホテルの人にフェリー乗り場まで送ってもらいました。フェリーに乗ったのは徒歩が私一人、商用車が1台だけでした。フェリー借り切り状態で、お天気も良かったので南北の景色をたっぷり楽しみました。Tayinloanではフェリー乗り場からバス停までまたあのガタガタの道をトランクを引いて歩かなければなりません。時間はたっぷりあったので焦ってはいませんでしたが、運良く家族を見送りに来た方に乗せてもらいました。CitylinkのコーチはTayinloanから一気にGlasgowまで。バスも予約していましたし、平日の移動だったので、バスの中はゆったりしていました。今回の旅で乗り降りしてきたKennacraig、Lochgilphead、Inverarayを過ぎていく時、この路線に沿って旅をしてきたように思えました。その間に他に寄り道をしたみたいでした。色んなことを思い出しながらGlasgowに到着しました。
宿は以前2回程使ったことがある街中からはちょっとだけ遠い所でした。しかし、受付の印象が悪いし、部屋の中での食事を禁止(ラウンジではOK)していて、余り印象が良くなかったのです。しかも、朝食もダイニングの広さや内容が良くなかったのです。事前に分かっていれば、予約しなかったのに…と思う程ひどく感じました。到着時に使った宿はここより街中に近くて、スタッフも親切だったのですが、この時は満室だったので諦めていたのです。取り敢えず、最後の予定を消化してきました。
この小島は最初に見たのがArran島往復のフェリーからです。遙か南の水平線の上にぽつんとあったのです。それ以降気になっていました。その後、Kintyre半島を回った時でした。南にあるCampbeltownをちょっと外れると見えていました。この時は西側からの眺めです。その翌年に、Lowland地方を回った時、StranrearからAyrに行くバスからです。この時が東側からの眺めです。その時に、間近に見たかったのでわざわざ近くのGirvanまでいった程でした。その時にこの島へのボート・ツアーがあると知りました。 その後、幾度かScotlandを訪れていますが、それ以降すっかりこの島のことを忘れていました。思い出したのは前年に放送されたゴルフの全英オープンを見ていた時でした。会場がAyrshireなので、そのバックにこの島が見えていました。ということで、今回機会を作ってボート・ツアーで訪れました。事前にツアー会社にGirvanの出発時刻を問い合わせて、Glasgowからの日帰りが可能だと分かりました。 |
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Ailsa Craig | |
Ailsaはまさに独特な島です。高さは1,114フィート(340m)で周囲は約2.5マイル(4km)で、特殊で、非常に堅い花崗岩で出来ています。Ailsaの花崗岩はカーリング競技者に人気の石で、カーリングの試合が行われている時にテレビで見られている物を作るために今日でも石はまだ取り出されています。 島は歴史上ではCrossraguel修道院に所有されていました。1304年の宣誓書では、第3代Robert王がその修道院に贈り、次にはKennedy一族に渡り、現在もまだ彼等が所有しています。 中世には漁師も嵐の時に避難所としてこの島を使っていて、避難小屋として使われた岩の窪みに彼等の船を引き入れていました。これらの窪みはまだ灯台の近くで見ることが出来ます。 島は現在Marquess of Ailsa、またSSSI(Site of Special Scientific Interest、自然保護協会特別指定地区)の法の同意の下にRSPB Nature Reserveとして管理されていて、特別保護区に指定されています。 名前の由来 ’Fairy Rock(妖精の岩)’で、aillse(Scotlandゲール語)は’fairy(妖精)’、creag(Scotlandゲール語)は’rock(岩)’から来ているとされています。また、ail(古代ゲール語)の’steep rock’からともいわれています。恐らく元は古代のルマン語からの物のようでもあり、Ael's IsleでAel(古代ノルマン語で恐らく名前)とey(古代ノルマンン語)の’island’からで、後にScots語のCraigが加わり、-eyの意味が失われていきました。Clyde湾の目印となっているこの有名な島はまた’Paddy's Milestone(Paddyの道標石)’としても一般に知られています。 読み方は’エイルサ’でなく’ale-sa(アレーサ)’が正しいようです。 この島が有名になったのは長野オリンピック以降日本でも人気になったカーリング競技のストーンがここで取られていることでしょう。この競技の解説のためにこの島でのロケをした場面もあったように思います。 この島は現在特別保護区のため、上陸は許可されていますが最前の注意を払ってツアーが行われています。ツアーは向かいのGirvanから出発します。港に当日の案内があります。電話予約も出来ますが、電話を持っていない私は飛び込みで参加しました。制限人数が12人となっていましたが、数えた所14人いました。皆座ることが出来たのでこれくらいは良いのでしょう。他の方々が予約を入れていたかどうかは分かりませんが、出発する場所を知っていたようなので問い合わせはしていたようです。私はそれらしき人達に着いていったので分かりました。船は休憩していた場所から見えていたので、事前に分かっていました。 |
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灯台 1800年代にはAilsaでは多くの船の座礁があり、島に灯台の建設が必要だと考えられ、灯台建設のための土地を供給するために1882年にNorthern Lighthouse Boardに岬の端が売却されました。灯台は1886年に正式に完成しました。それは初期には石炭ガスで明かりをともしていましたが、数十年後にはパラフィン(灯油)で照らしていました。1990年3月にアセチルガスと太陽発電で自動化されるまで時までそれは続いていました。現在は太陽光発電で全て動いています。 上陸 船を下りる時、滞在時間は30分と告げられました。全4時間近くのボート・ツアーで片道1時間20分なのに30分だけとは計算が合いません。私の聞き間違いかと思ったのですが、30分近くになって他の人を見ていたら、やはり船着き場に戻っていっています。その間、出来るだけあちこちを見て回るようにはしていました。歩き回ることが出来るのは島の東側の平坦な所だけです。嘗てはここには住人がいて、石の切り出しを行っていたらしく、ちょっとした建物の跡(現役の灯台は除きます)が点在していました。石の運搬に使われたらしい線路も残っていました。この線路は船着き場から建物まで今も残っています(右写真)。また、小道もあります。それを外れると大きな石ころが転がっている所になり、この上は歩きにくいです。海岸沿いの小道は島の東へ続いていましたが、時間が来て途中で引き返しました。上を見上げると建物(廃墟)が見えます。地図によると’城’となっています。 |
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島一周 短いと思った上陸の後は、島を一周しました。単に行って帰るだけでなく、この時間があったので上陸時間が短くなっていたのです。 船は北から西に回る逆時計回りです。船着き場の側から北には線路が延びていました。その端にも船着き場がありました。石はここから積み出されていたようです。途中、洞穴が3つ程ありました。これが嵐の時に使われていた避難所でしょう。また、真北になる位置にはFog Horn(霧笛)が残っています。真南にも同じ物が残っていますが、最初遠くから見た時は岩のスタックかと思ったくらいの大きさです。 西側に回ると、島の平坦な所は全くなくなりました。干潮の時は石ころの海岸が現れるようですが、この時は崖だけしか印象に残っていません。岩は縦に細長く切られたものが並んでいるような表面です。Giant CausewayやStaffa島などの綺麗な柱ではありません。その崖や上には海鳥たちが巣を作っていました。この海鳥たちの中でもここで象徴的に扱われているのがパフィンです。嘗てこの島は人間が持ち込んだネズミに荒らされて、鳥達がいなくなってしまいました。しかし、そのネズミが駆除(?)されたため、島に鳥が戻ってきたとか。この島を知った後にそんな記事を見つけました。ですから、つい最近のことです。記事のタイトルが”Puffins win”となっていたので、何に勝ったのか気になって読んだらこの島のことでした。そのパフィン達も海に浮かんでいる所を見ました。Staffa島では陸でも見ていますので、この岩の島の上の方に巣を作っているかと思います。 そして南側に回りました。こちらも崖のみで特に景色に特に変化はありません。洞窟が1つありました。また側に小さな岩礁があり、地図を見るとLittle Ailsaと名付けられていました。そして北と同じFog Hornが見えた所で、ほぼ一周したことになります。こちらには線路はありませんが、Fog Hornまで小道は続いているようでした。 |
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途中で 島に向かう途中で、係のおじさんが皆に”クジラがいる”と。そこで海を見渡すと、確かに背びれが見えました。見えた人が他の人に指さしていたところ、他の所にもいました。そしてあちこちから背びれが見えたのです。クジラの群れに入り込んだようです。エンジンを切って暫くクジラたちを見ていましたが、やがて見えなくなったので、また船は動き出しました。しかし、再び進行方向に数頭が見えました。再びエンジンを切っていると、そのクジラたちは船に向かってきました。そして1頭は身体を船にあたる程側まで来て去っていきました。そちら側にいたので、その身体もはっきり見えました。あまりにすごくて写真を撮るのも忘れてしまいました。乗客皆が興奮気味で、これから向かうAilsa Craigのことは暫く忘れてしまったようでした。 船会社のサイトを見ると、クジラには度々会うようで、種類もミンク・クジラとなっていました。確かに小型でした。St Kildaから戻っている途中で会ったのもこのミンク・クジラと思います。 |
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帰港後料金を支払い、直ぐに駅へ向かいました。Glasgow-Girvanは列車の移動です。行きは直通です。切符を買った時、9時12分発直通なのに11時発でAyr乗り換えと言われましたが、駅員が間違っていました。念のためホームで間違いがないかを再確認して乗り込みました。11時の列車ではツアーに間に合わないので、この早い時間でした。しかし、帰りがよく分かりませんでした。Glasgow(Central Station)の構内にあるのは直通のみしか書かれていません。それだと帰りの最終はボート・ツアーが戻る前になっているのです。小さい時刻表を手に入れると乗り換えで戻ることが出来るようでした。そこで、Girvan駅で確かめたところちゃんとGlasgow行きが乗り換えでも書かれていました。乗り換えでも合計時間は帰りの方が早く着きました。これはGlasgow-Ayrのルートが違うからです。Glasgowには午後7時半過ぎ到着。今回の旅の最終イベントに満足して、かなり疲れて宿に戻りました。 |