フライトと訪れる場所を一通り決めた時、3日ばかりもう一か所訪れることができることになりました。そこで思いついたのがFort Williamでした。Nevis
Rangeにもう一度行ってみたり、Caledonian運河の西の端にも行けると思ったからでした。お天気でどうなるかわからないので、次のEdinburghを1日削って4泊することにしました。宿の予約をした後バスの予約をする時にObanとFort
Williamが1時間半ほどで行くことができることに気づきました。日帰りでもできるんだ、と思いましたが、足回りを考えるとFort Williamに泊まる方がいいことになりました。
Fort Williamの宿泊は他よりもさらに難しくなっていました。宿代は全体的に高いので、土日を挟んだ4泊でできるだけ安く上げようと見つけたのがAirbnbを通じての予約。予約も即OKでした。でも、住所で宿を探してもそれらしい所が見つかりません。現地で、タクシーで送ってもらった所が普通のアパート。タクシーの運転手は最上階の部屋と言ってトランクもそこまで上げてくれましたが、どうも部屋番号が違う。とりあえずその部屋の人に聞いたら一番下の部屋だと。やっと宿のインターフォンを鳴らして出てきたのが若い男性(Keith君)でした。お小遣い稼ぎに部屋を貸しているらしい。と言ってもかなり広そうなお家でした。部屋には同居人もいました。また、もう1人宿泊者がいました。B&Bとはいっても、ほとんど素泊まり状態。食事は台所を使って自分で料理し、冷蔵庫の1段を開放して食料を入れていいことになっていました(夕方買ってきた食料を入れようとしたら沢山入っていました。もう1人の宿泊者が占領していたのでした)。Colonsay島のバックパッカーロッジみたいなことになりましたが、電子レンジはありました。また、FMラジオの電波もとらえることもできました。ネット接続も認証キーを教えてくれるのですが、PCがXP(セキュリティがよくないため)なので聞きませんでした。
Great Glen Way~Caledonian Canal(+Old Inverlochy Castle)
Caledonian運河の西の端へは徒歩で行ける距離なのでルートを調べていました。その時にウォーキングルートがあるのに気づきました。始点はFort William。その通りに歩こうと決め、お天気も嵐でなかったら行けるし、日曜日でも交通機関には依存しない(帰りを考えていなかったのですが)ので当初から計画していました。このルートの他にスコットランドを歩き回るルートがありますが、そのうちの有名な4ルートを下記に挙げておきます。このルートにはアザミがデザインされた6角形のマークがあるポールが所々立てられてあり、確認しながら進むことができます。 | |||||
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Great Glen Way | ||||
ここはGreat Glen Wayの西の端です。このルートには、スコットランドの東と西を結ぶ壮観な景色、素晴らしい自然遺産、そして魅惑的な歴史があります。足、自転車、船でGreat
Glenを探検することができます。 Great Glen Wayはスコットランドで最も長い谷沿いに117 km/73マイル(下記のリストと異なっていますが)の距離です。このルート沿いではスコットランドで最も積水量が多いネス湖、Britain島で最も高い山Ben Nevisや素晴らしい景色などを見て進みます。全ルートまたはルートの一部を歩いても、Great Glen Wayでは楽しむことができます。 Great Glenの地層の初期の活動は4億年前に起こり、北の大地から南の大地まで南西の方向に何百キロに渡り動きました。その地層での多くの活動はその頃から起こり、現在でも活動しています。ここ200年の間にGreat Glenでは60回の小さな地震が起こっていますが、幸いなことに、そのほとんどはあまりに小さいため地元の人々にだけ知らされています。 このルートは事前に調べてはいたものの行く前にツーリスト・インフォメーションに寄った時、置いてあった(無料の)地図にも詳しく書いてありました。お昼をスーパーで買った後このルートに入ろうとしました。しかし、はっきりわからず、始点を探したところ、何と過去の滞在でも毎回訪れているOld Fortでした。ついでなので今回も写真をいろいろな方向から撮った後(右写真)、ルートに入りました。 原っぱの中をしばらく歩くとRiver Lochyを渡る少し長い橋が現れました。渡り終えた後振り返ると岸の向こうに廃墟らしいお城が見えました。こんなところにお城が…まったくノーチェックでした。ここで見逃すわけにはいかないので引き返して見学しました。(下記に詳細を記述) Fort Williamのお土産店で新しいトレーナーを買いました。その胸にはこのアザミのロゴと”I've walked The West Highland Way”の刺繍があります。”Great Glen Way”が欲しかったのですが、なかったので同じアザミのロゴなので買うことにしました。 |
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West Highland Way | Great Glen Way | Rob Roy Way | St. Cuthbert's Way | ||
距離:96マイル/154km 始点:Milngavie(Glasgowの北西) 終点:Fort William 季節:4月―10月 最少人数:1 難易度:3 |
距離:75マイル/120㎞ 始点:Fort William 終点:Inverness 季節:4月―10月 最少人数:1 難易度:3 |
距離:79マイル/126km 始点:Dyrmen(Ballochの北東) 終点:Pitlochry 季節:3月―10月 最少人数:1 難易度:3 |
距離:66マイル/105km 始点:Melrose 終点:Holy Island(England) 季節:4月―10月 最少人数:1 難易度:3 |
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Caledonian Canal | ||||
<Caledonian Canal> Caledonian Canalの建設には21年を要しました。スコットランドの西から東海岸の間で船を内陸で航行させるためGreat Glenに沿った湖をつないで人工的に22マイル(35.4km)を通すことになりました。目的は船がPentland海峡(スコットランド本島とOrkney諸島の間の海峡)の荒れた海の航海を避けるため、そして敵からの海上襲撃を回避するためでした。またこの運河は労働力を供給し、1700年代後期から始まったHighlandの各地からの移民流出の波を逆転することを助けました。 今日運河はまだ船(タグボート、救助艇、海軍の訓練艇、そして釣り船)とレジャー・クラフト(特にヨットとモーター・クルーズ船)を安全に航行させています。また、Great Glenの素晴らしい景色を楽しむ訪問者たちに人気も上がってきています。 運河全長はは約60マイル(約97㎞)の距離でロック(閘門)は29、鉄道橋(2)を含む橋は8、水道橋は3あります。この運河のかなりの部分は4つの湖(Loch Dochfour, Loch Ness, Loch Oich, Loch Lochy.)を含んでいて、また大型クルーザの往来もあります。 Great Glen Wayのルートはこの運河のCorpach Sea Lockに行った寄ったのち、運河沿いを東に進んでいきます。Corpach Sea LockとCorpach Double Locksの計3つのロックがあり、丁度大型のクルーズ船が係留されていました(右写真)。海はLoch Linnheで、なんとなく最初に訪れたForth-Clyde運河のBowlingと似ている感じがしました。船の往来を見るとこちらの方が元気な気がしますが。 <Neptune's Staircase> Sea LockがあるCorpachから2マイル(約3㎞)の位置にこのNeptune's Staircase(Banavie Locks)があります。8つのロックが並んでいます。また、この下にはBanavie Swing Bridge(A830)とMallag Extension Railway Swing Bridgeがあります。 私のGreat Glen Wayのウォークはここまで。このロック群は以前列車から見たことがあります。その時はここがCaledonian運河の西の端と思ったのですが、よく調べたらさらに西に運河が続いていたことを知りました。今回西の端を訪れ、改めてこのNeptune's Staircaseも訪れることにしたのです。丁度Great Glen Wayのルート上にもなっていたことだし… ここからFort Williamに戻るわけですが、疲れたので列車で戻ろうと時刻を調べました。3時間以上も待つことになりました。それでは長すぎるので、バス停がないか探して、駅の側に見つけたのですが、時刻が分かりません。さらに住宅街の方へ向かうと、待合ボックスと時刻表がありました。幸い日曜日にも運行していてちょっとだけ待てば乗ることができることが分かりました。バスは終点まで乗る積りでしたが、その前のバス停が街中でほとんどの人が降りていたのでつられて降りました。終点で降りたかったのはNevis Rangeに行くバスの始発の場所なのでどこなのか確かめたかったのです(翌日確認しました)。 |
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Old Inverlochy Castle | ||||
Inverlochy城は1280年にBadenoch(Fort Williamの東の一地域)の首長であるJohn Comynによって建てられました。Great
Glenの南側への戦略が指揮されていて、ここでは3回の戦いがありました。 この要塞はスコットランドで最も力強くて上層階級への志向がある一族の一つであるComynの地域の安全を助ける数ある砦の広大なネットワークの一部でした。要塞の壁は10mあり、梯子で登ってくることを防ぐ様に設計され、堀の後ろに完全な形で残っています。Great Glenの南側の入口であるLochy川の門からInverlochy城への管理は軍隊と商人が入るようになっていました。ここには小さい港があったのでしょう-供給品が(現在閉鎖されている)壁の1階の出入り口を通って降ろされていたようです。海戦は1297年に終えました。 1431年に、城の周辺でキャンプした英国軍はガレー船によって到着したHighland人の小さな隊によって敗走させられました。2世紀後の1645年に、王党主義の同族人たちは-ほとんどがMacDonald族ですが-Campbell族が率いる契約軍を、雪で覆われたHighland通って彼らの敵を出し抜いて行進した後、ここで滅ぼしました。LornのMacDonaldの詩人はこの戦いの抒情詩を書き記しました。 Comynが追いやられた後、この城はもはや貴族の家ではなくなりました。しかし、まだ使えていました。1500年代には法廷となり、1700年代にはInvergarry鉄工所の倉庫になっていました。壁の上の3つの差し掛け屋根の名残が見られます。 |
<名前の由来>おそらく’狭い谷’でしょう。Gleann(スコットランド・ゲール語)で’glen’または’valley’(どちらも’谷’の意);comhann(スコットランド・ゲール語)で’narrow(狭い)’。 この壮観で深くて氷河作用でできた谷には切り立った岩が多くあり、今日では山登りで有名で、1692年にここでMacDonaldの大虐殺が行われたことで悪名が高いのです。Glencoeの最近の村はCoe川の西の端、Leven湖に流れ込む所にあります。 |
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Glencoe Woodland Walk |
Visitor Centreのテラスから森林地帯をぐるっと回るルートがありました。3ルートあったのですが、その内の一番長そうな1マイル(1.5㎞)、約30分のコースを進んでみました。一周する中のエリアはほぼ植林中で特にこれっといった眺めもなくセンターに戻りました。右の写真はそんな中でとりあえず撮ってきたものです。 |
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River Coe |
途中小川を渡り、川が見える所まで何とか着きましたが、河原との間に柵があったのでそれ以上近づくことができず退散。結局、聞いた駐車場まで行くことにしました。右の写真は河原に近づいた時のRiver Coeの眺めです。 |
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An Torr and Signal Rock |
駐車場に戻って案内板をよく見るとSignal Rockというのがあってそこまでのルートも書いてありました。他にAn Torrを回るルートとClachaig Burnという集落に行くルートが示されていました。 <Signal Rock> ゲール語の名前はTom a' Ghrianainで意味は’Hill of the Sun'で、Signal Rockが上にかぶさっています。多くの言い伝えや伝説がSignal Rockにはあり、非常時にはGlencoeのMacDonald一族の集合場所となっていたという伝統があります。岩はその名前の通り何年もの間かがり火をともすことに使われていて、1692年2月13日の大量虐殺が始まった時ここでかがり火がたかれたと信じている人たちもいます。しかしながら、この話には何の証拠もありません。 ゲール語の名前の丘は昔のこの場所についてのもっと多くの手がかりを与えることでしょう。太陽を意味するゲール語の単語Grianはキリスト教以前の祈りの場所に関係していて、何千年前の人々が彼らの古代の神々に祈るためにここにやって来た特別な場所だったのでしょう。 岩をぐるっと回ってSignal Rockの上に登ると、谷の素晴らしい景色を見ることができます。 岩の上から恐る恐る下りながら、駐車場まで戻りました。途中森の中を歩き、最後にRiver Coeを渡るのですが、その辺りでちょっとだけ寄り道。川の流れを見つめていました。 |
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Visitor Centreには思ったより早く戻ったので、記念品を売店で物色。その中には”St Kilda”の本もあり、つい買ってしましました。Glen Coeとは全く関係ないのですが。どうしてここで販売されていたかは不明。私のように買う人間もいますが。暑くなったのでアイスクリームをセンターの外で食べて休憩。その時に一人の男性が声をかけてきてバス停のことを聞いてきました。その後に、”Keithの所に泊まっている?”と。なんと彼はもう一人の宿泊人だったのです。朝ちょっとだけ顔を合わせただけでよく顔を覚えていなかったのですが、向こうはこの時期に一人でうろついている日本人(アジア人)はそんなにいないから覚えていたみたいです。彼の名前はCarlos、スペイン語圏のようでした。バス待ちをしているカップルとスペイン語らしき言葉で話していました。バスは結局40分遅れで来ました。Portree行きでまたSkye島に行きたいなぁ、と思いながらそうするわけにいかないのでFort Williamでちゃんと降りました。 |
以前にNevis Rangeを訪れた時にはFort Williamのことほとんど調べずに来て、その時にゴンドラに乗って行ける所があると知って登ったわけです。その時は1994年でしたからネットも使っていないので事前調査は無理だったのですが。 今回再訪問するのにバスとゴンドラの時間を調べてはいました。しかし、始発のバス停が分からないのでツーリスト・インフォメーションで聞こうとしたら、その日(日曜日)に行くと思われ、”今日はバスはない”と。そんなことは分かっているし、お天気の具合を見て翌日(月曜日)か火曜日と答えたのですが、少ししてもう一度言われ、また同じように答えました。若干ムッとしました。そんな訳で、始発の場所を聞く気も薄れ自力で確認しました。海側にありました。 お天気の情報はObanで月曜日が良いらしいと知ってはいたのですが、家主のKeith君と話している時に火曜日の方がもっといいと聞いて、行く日を決めました。 当日バスを待っていたら数人の人が集まってきました。みんなNevis Rangeが目的でした。そしてバスが来た!と私以外はそちらへ。これがGlen Nevis行き。運転手は当然乗せてくれません。その時に後ろにNevis Range行きが到着。皆で乗り込みました。前回乗ったバスの道は覚えていませんが、後で新旧の地図を確認したら、道ができたようなので新しいルートかもしれません。ゴンドラのチケットを買っていざNevis Rangeへ。 |
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Nevis Range、Mountain Gondola |
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Two View Points |
ゴンドラの上の駅に到着後、とりあえず前回も歩いた2つのビューポイントへ行きました。前回はまだ雪が残ってましたが、今回は全くない状態でした。時期が異なるので地球温暖化の影響とは言えないでしょう。寒さもそんなに緩かったのですが、風はかなり強かったです。2つのビューポイントの間にゴンドラ駅のレストランで昼食をとり、記念の消印を押してくれるというので自分宛てに絵葉書を送りました。 <Meall Beag> 標高630m、所要時間:約30分 残念ながらBen Nevisに近いビューポイントですが、手前の山々に邪魔されて見えません。その代わりといっては何ですが、手前の山々とAllt Daimという川の壮観な眺め(下写真)は楽しむことができます。また、2日前に訪れたCaledonian Canalや西の端のCorpach、Loch Linnheとその奥のThe Narrows、River Lochy、Fort Williamの船着き場まで眺めることができました。 |
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標高:663m、所要時間:約20分 昼食後、こちらの方へ向かったのですが、風が特に強くなった気がしました。前回来た時の頂上のすぐ下は崖という記憶がなぜかあったのですが、間違って覚えてはいなかったようです。北側の山々やLoch Lochyも確認することができました。 |
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帰りのバスでは途中で少し長く停車したのですが、その時に窓の外を見るとBen Nevisがきれいに見えました。Great Glen Wayでも見えてはいたのですが、頂上に雲がかかっていてよく見えていなかったのです。これぞということで写真を撮りましたが、間の窓ガラスの反射が入ってしまい、左のような結果になってしまいました。デジカメの機能に”ガラス越しの撮影”というモードがあるのに、その機能を思い出さずに撮ってしまいました。そのモードがどれくらいのものかはわかりませんが。 |