1<白血病って?>

告知

白血病って告知されたらどう思われるでしょうか?
ショックを受けられない方は殆どいらっしゃらないと思います

知人に告知されたことを話すと、一瞬絶句し目が宙を泳ぎながら返す言葉に困られている様子が判ります
伝え方が難しいと感じる時がよくありました
今日でも、それくらいインパクトのある病気だと思います

それでも医者は、インフォームド・コンセントが強く言われ、言わなかったら責任を問われることもあるので、告知しないで済ませることはありません

あるドクターは「○性○○○性白血病です、ただこの病気は決して治らない病気ではありません、私は現在考えられる最適な治療方法で、必ず治したいと思っていますから、治療上辛い時もありますが、あなたも治ることを信じて頑張って下さいね!病棟のみんなが応援しています、頑張りましょう!」握手!!
「いろいろ副作用や合併症がありますが、全員に出る訳ではないので、その時々に対応していきましょう、その為に、身体に出てきた変化は些細なことだと思っても必ず、私や看護師に伝えて下さいね。早く対応出来たら後が楽ですから」
そして身体の変化を報告すると経過に応じて、懇切に病状の説明もし、質問にも答えてくれる


別のドクターは「貴方は○性○○○性白血病です、この病気は初期の合併症が厳しいので、乗り越えられる人が80%、その後の5年後生存率が50%ですから発症された方全員の5年後生存率は40%となります。厳しい数字ですが、決して助からない訳ではないので、私も関係者も精一杯の努力をしますから、頑張って下さい!あと、治療中に○○症や○○症や・・・・・・・(数えきれないくらいの症例を並べて)などの、合併症や副作用が想定されますが、全員が発症する訳では無いですが、一応お伝えしておきます」

患者はどちらの告知を望むのでしょうか
後のドクターの方が、詳しく話しているようですが、患者の生きる意欲を殺いでいないでしょうか


=5年後生存率=

余命とか、生存率ってよく聞きますよね
そして「今日か明日か」生きるか死ぬかの切羽詰まった場合を除いて、世間に余命を超えて生きている人の多いことか?
その筈です、患者のモチベーションUPのためには結果的には効果的なのかも判りませんが
もともと、責任を問われないために、想定できる最短の期間を言ってるんですから


じゃあ5年後生存率はどうでしょう?
5年後40%は高いですか?低いですか?

先ずこれは、かなり以前の統計数です
現在、統計が公表され、使用されている数字は最短で3年前位の数字だと思います
それから遡ると、その方達が発病された時期は、8〜10年前となります
つまり、最先端の治療法、治療薬は適用前の統計だという事を踏まえて下さい
直近の統計はもっと良くなっている筈です
そんな、統計くそっくらえです

そして、人間は上半身だけ生きているなんてあり得ないですから
個々の患者にとっては、≪0%≫か≪100%≫の二つしかないんです
40%の≪100%≫の人がその時点で生きていらっしゃったから、統計は成り立っています

私は、5年後も≪100%≫であって、統計の数字をUPしたいと考えています

もし、数年前の統計で、生存率がたとえ、20%だとしても
20人の≪100%≫の方が頑張って生きていてくれたから集計された結果です

一般社会で生活していても、交通事故に遭ったり、不慮の事故や災害で亡くなったり思いがけないことは頻繁に起こっています
それを考えると、5年後40%って頑張った数字だと思いませんか?


余談ですが、数年前、関西の芸能人が覚せい剤を呑んだ同室の異性を助けなかったとして、保護遺棄致死になるかの裁判で、弁護側の鑑定医でさえ早く処置をしていた時の生存率が40%(検察側は90%)の鑑定があったのに、致死にあたらないとの判断がされたのは、すごいショックで患者、医療関係者の感覚と一般社会の感覚のギャップにショックと憤りを感じました


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で?

白血病(血液系疾患)は、今でも厳しい病気には違いありません
生きることも、副作用や合併症に耐えることも

ですが、以前のように、死を待つだけでは無くなっています
今でも、ドラマでは不治の病扱いですし、悲劇のヒロイン扱いです
しかし、最近の新薬の開発や、治療法の開発によって、日々生存率はUPしている筈ですし、延命だけでなく吐き気倦怠感などに対応した新薬も開発され、ある種QOLの向上も図られています

糖尿病や肝臓疾患と並ぶ状態までには近づいているかも判りませんし、治癒率は高くなっているかも判りません

希望を捨てずに頑張っていると、次の一手も期待できます、今日明日のことに一喜一憂せずに、1年後、3年後、5年後の目標を立てて、進んで行きたいと思います





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