[任天堂本社門]


今年は向かって左側から撮って見ました。
会場内が撮影出来なかったので、帰りに撮影。右側の本社名の入っているプレート前で記念写真撮ってる人もいました。



[お土産物]

左下「アソートせんべい」

以下は、お土産以外
まん中「お茶」
右下「CSR report 2007」
左後「紙袋」
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2008年6月27日、朝10時からの株主総会に出席してきました。今回も業績が良いので、昨年同様、600人くらい来るかなと思って(結局、ほぼ昨年同様、511人だったそうです(ソース:京都新聞6/27)ゲーム体験会が無くても減らなかったんですね)。、頑張って早めに着くようにしたつもりだったのですが、 京都市営地下鉄の京都駅で、「人が軌道にいるため、しばらくお待ち下さい」との事で3分間足止め食らっちまいました。どうやら、大事もなく、すぐに動き出したので良かったのですが。
今回は、地下鉄の改札を出たところから社員さんが「任天堂株主総会→」と言う小さな看板を持って立っていてくれたので、はじめての人も迷う事無くたどり着けた事でしょう。昨年度の 総会時の要望に素早く対処しているのが素晴らしいですねー。…それにしても、地上へ向かう狭いエレベーターフル稼動ですよ。この時点で、既に結構来てるなぁと言う感じでした。

                

いろんな人がバラバラやってくるので、他の社員さんが笑顔で対応する中、警備員さん大わらわで「株主総会の方ですか?」と取り合えず聞いて回ってる状態。どんな状態でも、自分の本分を尽くそうとする姿勢がステキです(昨年はもうちょっと余裕もあったんだけどね)。入り口でどこかのTV局が取材してました。建物に入り、すぐに右手で議決行使権用紙のチェックを受け、7階迄エレベーターで直行。議決行使権と引き換えに番号札(427番でした)とお土産(今年は、ポケモンセンターの「アソートせんべい ギラティナオリジンフォルム」が任天堂のロゴの入った白い手提げ袋に入ってました。一緒にお茶も入ってたのですが、これは、お土産と言うより、多分、例年のように2リットルペットボトルでお茶をカップサービスするのが難しいので(きっと昨年大変だったんでしょう)、ひとり1個入れて配った感じです。

9時35分くらいに会場に入りましたが、昨年より10分早いおかげか、前から5番目の中央席に座る事が出来ました♪右ナナメ前の男の人は、DSLピカチュウエディションでひたすら昨日発売の「大合奏バンドブラザーズDX」を開会直前までプレイし続けてました。デジカメを机の上に置いている一番前の男の人が何やら注意されてました(後で、私も注意されて気付いたのですが、今年は、会場の写真撮影が禁止になってました…)。昨年度より、総会に来る人の雰囲気がちょっと変わったなーと思ってたら(一昨年は、男性ばっかりの中に私みたいなのが混じると違和感ありありだったんですが)今年も、いろんな人が来てました。女性も増えましたね。子連れの人もいました。おばちゃんが二人連れ立って来ました。10時5分前に全役員入場・着席。今年の宮本さんは、シックな紺のスーツに、金と紺の巾広ストライプ入りのネクタイをしめてました。例年通り、開会宣言の写真を撮ろうとしたら、前述の通り注意されたので、今年は会場内の写真はなしです。

10時丁度に開会宣言。監査役中路さんより決算書類に問題無しとの確認。その後、岩田社長より事業報告。売り上げ高9665億3千4百万円→1兆6724億2千3百万円)、経常利益(2888億3千9百万円→4408億7百万円)、当期純利益(1742億9千万円→2573億4千2百万円)とも全ての数値が過去最高となった。昨年度と同様、スクリーンに「Touch!Generations」(マーク)・Wii画像・DS画像(当期3031万台、累計販売数7060万台)・「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」(当期全世界で956万本、累計販売数1477万本)「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(当期全世界で1181万本、累計販売数2381万本)「マリオパーティー8」(販売数出ず)「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」(販売数出ず)の画像。DSソフトの累計ミリオンセラータイトル数は30タイトル(前期末)→57タイトルに。Wii(全世界累計販売数2445万台)「Wii Fit」(国内販売数185万本)「大乱闘スマッシュブラザーズX」(国内販売数161万本、北米販売数324万本)「Wiiスポーツ」「はじめてのWii」の画像。Wiiソフトの累計ミリオンセラータイトル数は5タイトル(前期末)→26タイトルに。その後、連結会計年度表の抜粋表示と言った地味な使い方を今年もしていました。
最後に「対処すべき課題」。「Wii」は、リビングルームにおける家族のコミュニケーションを通じて「取巻く人々を笑顔にするマシン」となることを目指す。従来のゲームジャンルに加えて、生活に関係した遊びの開発や、アイデアを優先したバラエティ溢れる新作ソフトウェアをダウンロードして購入出来るサービス「Wiiウェア」の充実を図る。
「ニンテンドーDS」は、引き続き様々なソフトウェアの展開を行い、普及率の高さを活かした新たな用途の開拓を進め「所有者の生活を豊かにするマシン」となる事で、「一家に一台」から「一人に一台」という究極の目標に少しでも近付ける様、普及を推し進める。報告終了時にちょっぴり拍手あり(過去最高の売り上げのおかげ?)。10時25分くらいには、必要項目の全てを読み上げ、決議の前の質疑応答に入った。(今回の岩田社長は、すらすらとほぼ言い淀む事も無く、確実に読み上げられました。大変良く出来ました(笑))回答は例年通り、岩田社長がされています。

「質問1」1.アメリカや海外の景気減速に際し、景気に対する備えはどうか?
     2.バランスシートを見ると投資有価証券評価損が多い。損失内の14.8%も占めるのは、他の大手企業と比べて多すぎやしないか。細部まで目配りしているか。
     3.中間配当と期末配当の差が大きすぎる。期末利益のみ得ようとする投資家が増える可能性がある。それにどう対応するのか。
「回答1」1.ゲーム業界は経済的に特殊な動きをする。景気変動をそのまま受ける事は余り無く、ヒット商品があるかどうか?によって売れ行きが変動する。
      この1月〜5月までアメリカのゲーム売り上げは、32%上昇し、大変良い状況にある。現時点では、景気減速は、そのままゲーム市場に影響していない。
      旅行等のレジャーと比べて、お手頃価格の為、買い控えと言った、景気の影響を受けにくいと考えている。
      それでも、原油高等についての動きは注意深く見守っている。
     2.サブプライムに手を出したのかと(周囲、笑)考える投資家の方もいらっしゃるかも知れないが、それはありません。
      外貨建て資産による下落や、為替推移による影響であって、投機性の高い株に投資している訳では無い。
      外貨建て資産を持っている為に、計算上、円換算する際に差損が出るが、実際はドル建てで持ち続ける為、実損は無い。
      今後も気を付けて運営していく。
     3.余剰金は、自社株を買うべきと言う意見も以前はあったが、配当するべきと言う意見もあり、現在は、配当に回している。
      ゲームの売り上げに季節性は薄まっているが、クリスマス、正月の売り上げはやはり大きく、ここで年間の売り上げが決まると言っても過言では無い。
      アメリカでは、クリスマスが年間売り上げの半分を占める。その為、下半期を見ない事には、成績が分からないので、下半期重視は避けられない。
      将来的に、中間配当の適正について考える。現在の所、期末配当目当てで購入して、中間期には売り払うと言う動きは無いが、中期的課題として考える。
「質問1+」原油高や、サブプライムローン問題と言った状況が続けば、生活に必死になって、ゲームなど買わなくなるのでは無いか。経営者の感覚と、生活者の感覚は違うのでは?
      バランスシートの問題。お金のかけ所を間違えているのでは無いか。社内で十分話し合っているのか。財務や、ゲーム市場の動向のみでなく、もっと広く経済全体の
     バランスを考えて事業拡大を含めた方針を決めた方が良いと思う。
「回答1+」経営上、最高の数字が出た事を喜ぶべきだとは思う。2、3年前の3倍以上のビジネスが出来る資産はあるが、数年後に元にもどってしまえば、事業拡大する意味が無い。
     ビジネスと生活は違う。細かい財務を見ているから、今の結果があると考えている。
更に質問者が同様の内容(質問と言うより、本人の思う所)をくり返す為、岩田社長も少し苛立ちを隠せず、聞いているこちらもへき易とした雰囲気になり、周囲で「議事進行!」の声が上がり、ようやく質問者も引き下がる。

「質問2」1.任天堂の社名の由来とは。「人事を尽くして天命を待つ」と言う事なのか?
     2.単位株を減らして(現在100株単位を50株単位くらいに)買いやすく出来ないのか?
「回答2」1.「人の力には及ばないところがある」最善を尽くそうとしても、運が無ければ成功しない。良い時は、感謝し、ダメな時は自分を省みる事が必要。
      前社長の山内は「人事なんて尽くせんのや」と言っていた。努力は際限が無いと言う事。最後は天が決める。その為に最善を尽くす。
     2.単位株の引き下げは、総会の度、毎回指摘されているが、現状の株券のある状態では、エネルギーとコストがかかり過ぎるので、電子化される2009年1月以降に検討したい。
      具体的な方針は今の所決めていない。

「質問3」1.今年の販売目標と、利益目標は?
     2.DSのワンセグはどうなってますか?
     3.為替レートはいくらと考えていますか?
     4.京都で開催されているG8で、各国大臣にDSを渡したそうだが、その評価(反応)はどうだったか。
「回答3」1.DS 2800万台
      Wii 2500万台
      売り上げ 1兆8千億円
      営業利益 5300億円
      経常利益 5500億円
      純利益  3250億円   以上の数値は4月24日の「平成20年3月期 決算短信」(任天堂ホームページ)に掲載済みです。
     2.DSのワンセグは現在、ホームページを通じて販売中です。販売当初は注文が集中して混乱したが、現在は、問題なく買えます。
      ホームページだけの展開で良いのかと、社内で考えた結果、7月から店頭販売する予定です。
     3.1ドル=100円
      1ユーロ=155円
     4.G8は、渡したばかりで、反応は今の所聞けていない。
      商工会議所から依頼されて、お渡ししました。
質問者より、「良い宣伝になったのでは無いですか?」と言われ、「有り難うございます」と、にこやかに岩田社長。

「質問4」駅から、案内者が沢山立っていて良かったと思う。
     1.Wiiのクリーニング対応について。「マリオギャラクシー」でディスクの読み込みが出来ない事象に対しWiiを引き取ってクリーニングしたが、
      御社程の企業であれば、その位の対応は、たやすいのかも知れないが、リスクの点で如何なものか。
      アメリカでのヌンチャクの特許訴訟・フランスでのWiiFitで事故が起きたという事に対するリスクヘッジは?
     2.タッチパネルのカルテル問題。御社は被害者であるとは思うが、どう対応しているのか。
     3.アジア市場の展開は?韓国でWiiが売れていないと聞くが。
「回答4」駅からの案内に対する評価、有り難うございます。担当者が聞いたら喜ぶと思います。
     1.内在リスクは、組織の慢心や、油断だと、会社としては考えている。現在の状態は、追い風に恵まれ、お客さまに支持して頂いたおかげだ。だが、こうなって当然、と
      考える者が出る。役員がいかにしてそれを止めるか。
      DSソフト品質上の問題で、回収を行った事がある。明確な欠陥を放置するのはおかしいと考え、回収したが、ソフト回収騒ぎが2回続いたので、厳しい声もある。
      それについては社内議論も行った。
      Wiiクリーニング対応は、スマブラXでした。二層ディスクを採用した為、光の反射が弱くなり、読みとりが難しい事は分かっていたが、
      大丈夫だと思って発売した。ところが不具合が出たので、Wiiを回収して調べたところ、光学部分が想定以上に汚れていた。想定の低さを反省し、
      クリーニング出来ない状態を解消する為に、クリーニングキットを用意し、購入出来るよう準備中。
      ヌンチャクの特許侵害は、Anascapeから訴えられている。既に陪審員の審査により、「Wiiコントローラーは侵害していないが、ゲームキューブコントローラーが
      侵害している」とされ、「22億円を支払うべき」と裁定されました。これはロジックとしておかしい。また、Wiiコントローラーが大丈夫なのに、
      ゲームキューブコントローラー がダメなのもおかしい。地裁で陪審員同様の裁定が下った場合、控訴を行う予定。
      (実は既に地裁の裁定が下っていたらしく、控訴するとの事)
      WiiFitは、多少大袈裟な記事。フランスの保険屋の記事をおもしろおかしく取り上げられただけで、実際には訴訟など無い。
     2.液晶画面は、シャープと日立ディスプレイが納入している。2社がカルテルで価格を釣り上げしているとの事で、2月28日立ち入り検査を受けている。任天堂にも
      公取委から問い合わせが来ており、協力している。2社からは、その事実は無いと聞いているが、調査には出来る限り協力し、結果が出たら、その時お話します。
     3.韓国では、品薄の為、なかなか発売出来なかった。ようやく夏に増産のメドが立った(240万台/日)が、日米欧の需要に対応するには未だ不安がある。
      韓国・南米の一部の国の拠点のある所は大丈夫だが、新規の市場は難しい。
      韓国の出足が良く無いとは考えていない。現在8万台/月。DSの時は全く何も知らない状態から1年で100万台売れるようになった。DSの時より任天堂の
      知名度はあるはずなので、一層の努力は必要かなと考えています。タイミングを見て、随時販売拡大する予定。

「質問5」株価が高いのは、保有者には有り難いが、買いたい人が買えない。分割はしないのか。
「回答5」売買単位の引き下げと、分割は一緒だと考えている。現時点では、コストがかかり過ぎるので、電子株化(2009年1月)後、検討予定。

「質問6」1.売り上げの海外比率は?
     2.ダウンロード売り上げは今どのくらいですか?
     3.ゲーム人口の拡大と言われるが、日本を含めどの国が一番多いのか。
     4.マリオの手ごたえと、今後の方向性は?
「回答6」1.66.5%(前年度)から80.6%(前期)に。
     3.日本からヨーロッパ、アメリカに受け入れられるようになって来ている。が、最後は住んでいる人の数になる為、欧米の人口が多い。ただ、日本くらい欧米に浸透すれば
      売り上げは更に伸びる。
      (再度スクリーンにパソコンの画像を映す。)
      フランスの売り場でシニアの方がソフトを見ている・若い女性がゲームをしている・イギリスのソフト体験会での親子・大人の女性達・アメリカの店頭・オランダの店頭・
      アメリカのショッピングモール(DSで遊ぶ人の周りの人もニコニコして覗き込む風景)と言った画像。イギリスの新聞でシニアがゲームをすると言う記事。
      ティーンエージャー向け雑誌記事にも、女性向け雑誌にも載っている(いわゆるゲーム雑誌では無い)。なぜか山頂でDSをプレイする画像(「なんでこんなところで
      プレイしているか分かりませんが」周囲・笑)。ドイツのロイター配信記事(脳を鍛える為に、ゲームをする人口が増える)・Wiiで遊ぶドイツの議員。
      「客層がどんどん広がっている」「アメリカでは、ホームパーティーで活躍中」オランダ・ドイツ・イギリス各地でWiiで運動する人々の画像。
      ノルウェーのクルーズ客船でWiiで遊ぶ人々の画像。アメリカのおばあちゃんがギターヒーローで遊ぶ画像。「人々の笑顔を見ると、
      ゲームって変わったなぁと感じる。 ゲームは孫に買うものだったのに、今や自分の為に(お年寄りが)買うソフトに。その状況が、世界中でゆっくり展開している。」
      (嬉しそうに、熱心に話す、岩田社長)
     2.昨年度24億円→今期78億円。成長株であると捕らえている。
(ここで、回答の順番が、2と3逆になる。そのうえ、4の回答無し…と思ったら、その後の質問者の回答時になぜか回答してました。)

「質問7」1.アジア展開時に起きる海賊版への対応は?
     2.自分はWiiを持っているがソフトは買わず、ダウンロードゲームばかり購入している為、既にメモリーが一杯になっている。
      拡張用の外部接続メモリーを付けるのか、発売当初に企画されていたDVDモデルと言った、ハードのメモリー増加に対応したモデルチェンジの予定はあるのか。
     3.今年は新作の体験会は無いと聞いているが、今後、是非とも復活させて欲しい。(…私はこの一言を聞く迄、あるものだと思い込んでました…。
      冊子をよく読めよって事ですねorz)
「回答7」1.海賊版の被害が多いのはDS。海賊版は機械に入れても動かないと言ったセキュリティーを技術で入れても、抜け穴を見つけられてしまう。
      日本でも「マジコン」というデバイスを使っての海賊行為がある。国ごとに法律の差はあるが、それを使って対抗する。また、技術で対抗しても
      やぶられると言う「いたちごっこ」ではあるが、それでも対抗して行かなくてはと思っている。…簡単には追い付いて行けないが。
     2.本体のメモリー不足については、「みんなのニンテンドーチャンネル」で調べた事がある。一部、熱心なゲーマーにその状態があるのを把握している。
      何らかの対応をする予定。会社としては売り上げが上がるので、「内臓メモリーの多いWii」を発売したい所だが(周囲、笑)、それはしない。既にWiiを買って下さった
      お客様が納得するような対応を考えたい。新ハードを押し付けるような高飛車な態度にならない様、良い方法を考え中。
      DVD内臓モデルに付いてですが、実は開発は既に終了していて、いつでも商品として出せる状態ではある。ただ現在、アメリカに月70万台近いWiiを出荷しているが、
      出荷と同時に売り切れる状況なので、こちらを充足して行きたい。その為、DVD内臓モデルの発売はいつとは言えない。
 (ここで突然「回答6」の4)
      マリオへの反応は、米<欧<日の順で高い。「マリオギャラクシー」と言った3Dタイプは日本より海外の反応が良い。
      また、「ニュースーパーマリオ」と言った2Dタイプは海外より日本の反応が良い。マリオカートはどの地域でも売れている。
      マリオパーティー8への反応は、米<日<欧の順で高い。地域によって反応に差がある。マリオに求めるものの個人差も広がる
      全体として強化していく方向であるが、マリオソフトが出過ぎては価値が下がってしまうので、少数精鋭でやって行きたい。
     3.一昨年は総会に来られる株主の数が200名だったのに、昨年は600名来られた。本当に安全に開催出来るのか。
      開催のきっかけは、株主へ、新しく発売するハード(DS「2画面なんて!」・Wii「コントローラーを振り回すなんて!」)への不安を取り除くために行った。
      今年は見せたいものが無かった事、人数が読めない為に開催を取り止めた。今後、安全に開催出来るよう、考えて行きたい。

「質問8」…22年前総会に参加した時は、総会に来る株主は10名程でした。30分くらい丁寧に質問に対応していた山内前社長を思い出す。今は随分盛況になりました…。
     取締役は、社長を除き、50代60代ばかり。女性も若い人もいない。10年先のバランスが心配だ。
「回答8」年令には個人差が大きい。今の50代60代より遥かに若い脳で柔らかい感性を持つ人材であるから取締役として適任だと思っている。
     若い人が育っているかと言う質問に対しては、育っていないと2年で会社の成長が3倍にはならない。数年で力を付け、将来有望な人材も育っている。
     取締役は、1年任期で全力を尽くしている。

「質問9」DSの普及による弊害(持っていない子への差別や、DSにのめり込む子供との格闘)についてどう考えるか。子供を持つ母親へのメッセージをお聞きしたい。
     それを他の母親に聞かせたい。
「回答9」今迄ゲームはビデオゲームをする人(いわゆるゲーマーの、と言う事か)の為のものだった。CSRとして任天堂が何をするのか。
     任天堂はゲームとそれを取巻く人達に笑顔でいて欲しい。商品特性を活かしたCSRを展開したい。ゲームを敵視するのでは無く、現在、
     大人にも接点をとれるゲームがあるので、是非、両親に理解して頂きたい。脳トレの川島先生は、「いろいろな脳トレがあるが、DSだけは特別。
     DSは世代間のコミュニケーションを生み出す力を持っている。それに意味がある。」と言われた。Wiiを開発している時、「親がゲームを1日
     1時間。」と決めたら、1時間経つと電源が切れてしまう設定を入れようかと、それこそ、大の大人がひざを突き合わせて、社内で真剣に議論した事がある。
     結局そのシステムは入れなかったが プレイ時間が本体に記録される機能を入れた。そこから、時間を決めてゲームをする、と言う対話の機会を作り、
     親子で約束をかわし、ルールを一緒に 作って欲しい。…残念ながらDSはWiiの前に出来たので、その機能(プレイ時間の記録)は無いのですが。
     ゲームが犯罪を生み出すと言われているが、急速に出て来たメディアは叩かれる傾向がある。「TVは一億、総白痴化する」「マンガは国民をバカにする」
     などと初期には言われた。ゲームは未だ成熟していないので今後、認められるように努力していく。ゲームを一方的に悪いものと捕らえず、
     生活の中でどのようにするか、親子で対話して欲しい。(拍手がちらほら)

「質問10」1.最近プレステ3がWiiをPSPがDSを超えたと聞いた。どう対応していくのか。
      2.新聞広告でWiiFitを見た。もっとWiiFitを体験出来る場所が欲しい。
「回答10」1.携帯型ハード販売状況(メディアクリエイト)DSは、日本で既に2300万台売れている。昨年度の月30万台の販売数は異常。週に4万台売れている現状は悪く無い。
      PSP2008は、モンスターハンターのおかげでDSを超えた。PS3の伸びがあり(メタルギアソリッドのおかげ?)一時Wiiの販売数を超えたが、マーケット全体では
      Wiiの存在感が強い。欧州では、DSの販売が好調。WiiもPS3に比べると、かなり上で推移している。アメリカでもDSは好調。前年度とピークの時期がずれているのは
      イースターの日付けによるずれ。Wiiは右肩上がりで上昇し続けている。すぐに心配するような状況では無いが、今後も頑張って行きたい。
      2.先週の水木金土、日経ネットワークチームと、日経新聞でWiiFitの広告を打った。それを眼に止めて下さるとは、まさに戦略通り(と嬉しそうに)。
      現在Wiiユーザーの3人に1人がWiiFitを持っている。が、さらなる拡販の為、細かく説明する広告を出した。体験スペースが余り無い事は、課題です。
      かなり広いスペースを必要とする為、なかなかお店に置いてもらえないが、少しずつでも増やして行きたい。営業本部で検討中。

「質問11」DSの売り上げがPSPに国内で負けたと聞いたが、新型は考えているのか?また、その機種に互換性はあるのか?
「回答11」ハード開発部門はいつも開発中。基本的に開発が終了すると次のハードを考えている。ただ、開発したものを総べて売るわけには行かない。
     日本の状況だけで無く、世界も見ながら次世代機のタイミングを考えている。互換性については、ケース・バイ・ケース。
     未来の計画を過剰に話す事は避けたい。また、ライバルメーカーに対抗策を作らせない為、これ以上の内容は言えない。

「質問12」DS・Wii共に、学習や、リハビリ効果があると聞く。需要はあるのか?
「回答12」日本での利用例は、中学英語や、大学、病院のリハビリ。海外でも(任天堂以外でも)研究されている。協力をしたいが、相手の目的や公平性を考え
      ケース・バイ・ケースで対応している。広く世の中のお役に立てるように、DSの特徴を活かして行きたい。

「質問13」会社として高齢者マーケットをどのように考えるか?
「回答13」ゲーム人口の拡大は、高齢者に向けてのものだけでは無い。脳トレ開発時に「ユーザー層拡大プロジェクト」が出来た。その時、言ったのだが、シニア層は、
      年寄り扱いされたくないと考えている。年令に関係なく、一緒に遊べるものを開発したい。遊べない人は、何が原因なのか、何が制約なのか、
      どうしたら乗り越えられるのか考えて行きたい。具体的に何%と言う設定は無い。
「質問13+」例えば、ソニーさんでは、「諸兄、ゲームやろうぜ!」という企画があって、シニアがシニアを指導してゲームに導いている。そう言う方法はどうだろうか?
「回答13+」DSや、Wiiの高齢者マーケットへの目の向け方は、それとは違う。「使い方を教える」と言うのは、「機械の都合にあわせる」事で、それを要求するのはおかしい。
      インストラクターを付けるのは物理的にも無理なので、いかに敷き居を低くし、製品で楽しんで頂くか、説明書を見ずにゲームに入り込めるようなものを考えて行きたい。
      垣根を作る人に対しどう広めるかについては、課題。重要なマーケットであるとは思う。

(ここで、12時5分前。「議論も出尽くして来たようなので、後お二人で終わりたいと思います」)
「質問14」今後の任天堂の方向性について教えて下さい。
「回答14」WiiもDSも、いずれ近い将来に飽きられてしまうだろう。ゲームを嫌っていた人が変わって行く過程を見て、まだする事があるんじゃ無いかと思っている。
     ゲームの面白さを理解していない人に広めるにはどうしたら良いか?直感的・新しく面白い、と言うものを作りたい。今後も新しい事にチャレンジして行きたい。

「質問15」自分の妻が京大病院に入院しているが、山内前社長が寄付をして頂いてありがたい。…その後、子供に対してどう接するかについての持論を延々と(御本人が
     公文の先生を長くしてらしたそうなので。)ゲームは浅い ので(と言いつつ、「決してゲームを否定している訳では無いのですが。」…と言われても!)是非、読書して、
     本への楽しさを親が導いてやれとか。…一体何を言いたいんだと周囲の雰囲気が淀み(私もつい、なんでこれがラストの質問なんだよ!と言いたくなった)、
     岩田社長も微妙な表情で切り上げるチャンスをさがしていた様ですが、ようやく本人から方向転換。
     株主優待をして欲しい。例えば、京都の伝統工芸品を送ってくれたら、私も嬉しいし、地元もうるおうだろう。最近の役人は好き勝手するので、利益を上げてそれを
     税金にして使われてしまうよりは、社員に還元する方が良いのでは無いか。(少し拍手あり)
「回答15」優待に関しては、機関投資家との兼ね合いで、優待より配当が妥当だと思っている。ただ、貴重な御意見なので、今後の参考にしたい(と、にっこり)。
     山内への言葉を頂き、山内も喜ぶと思います。京大病院への寄付を行い、別棟が建つ予定になっている。先日、電話で山内と話したが、「元気にしている。
     株主の皆さんに、よろしくお伝え下さい。いずれ出席し、皆さんに会う日が楽しみだ」と言っていたとの事。

12時過ぎて議決の裁決を一気に。今年は全て無事に承認されまししたー。12時5分頃には終了。「本日はまことにありがとうございました」の表示がスクリーンに。
注: 質問・回答の内容は、私が聞いて、適度に約しているので、正確でない場合もあります。鵜呑みにしないように。

今年はこの後の体験会が無いのであっさり帰宅しましたよー。1階で、「CSR report 2007」を配布しているとの事で受け取って帰りました(真っ白の表紙には世界地図が浮き出すように表示されていて、オールオフセットのオシャレな雑誌風)。レポート自体は、任天堂ホームページ内にコンテンツとしてあります。興味のある方はこちら→「CSR レポート」毎年質問していた、会社員の彼が質問しなかったな。どうしたんだろう。となりのおじさん(1人目の質問者)に勢い負けしたんだろうか。そうそう、今年は、握手やサインも無かったしね。昨年度が特異だったって事で。(それでも少し期待して、DSL北米ゼルダ仕様と、サインペン持っていってたんだけどねー(^_^;))

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