Runrig

アルバム・リスト

The Gaelic Collection:1973~1998 Ridge Records RR009(1998);
 結成25周年を記念して発売される2枚組のCDです。タイトル通り彼等のゲール語の歌ばかりを集めたものとなっています。内容は今までに発表された曲ばかりですが、いくつかの工夫が凝らしてあり持っていて損はないと思います。
 Disc1の2曲目の"Na h-Uain A'S t-Errach"はシングルの"Dance Called America"のB面、8曲目の"Chi Mi'n Tir"はシングル"News From Heaven"のB面、13曲目の"Ribhinn O"は12インチ"Dance Called America"のボーナストラックから、Disc2の8曲目の"An t-Iasgair"はシングル"The Greatest Flame"(1993年版)のボーナストラックからというように今では入手不可能なものも入っています。また、それぞれのDiscの最後はいずれもライブバージョンで、1の方の"Pog Aon Oidhche Earraich"はアルバム"Transmitting Live"から、2の方の"Chi Mi'n Geamhradh"はビデオの"Live at Stirling Castle"のものです。そして、Disc2の13曲目の"Cum 'Ur N'aire"はThe Glasgow Islay Gaelic Choirが1996年に発表した"Tribute To Runrig"というアルバム(夜中に聞くと良い)からでこの曲にDonnie Munroが特別参加しているものです。
 なお、"An t-Iasgair"はシングル"The Greatest Flame"(1993年版)のCD2に英語バージョンで"The Fisherman"というタイトルでも歌われています。どちらのバージョンもRory Macdonaldのリードボーカルです。
Beat The Drum EMI 493 5832(1998);
これはRunrigに言わせると”レコード会社が勝手に出した”となっています。この辺りのコントロールが出来ないのが不満のようです。(ファンクラブの会報に書いてあったのですが、こういう問題のことを気付かずに思わず買ってしまいました。)
 聞いてみると一部の曲の中間がカットされていて不自然に聞こえてしまいます。私としてもやはりお薦めできる内容ではないと思っています。
Long Distance Chrysalis 7243 8 54039 2 7(1996);
 2枚目のベスト・アルバム。この選曲に先立って、ファンクラブでは好きな曲一人14曲の投票が行われました。投票者の中から数名にこのアルバムにメンバーのサインを加えてプレゼントするとありましたが・・・火事で資料が消失したようで、当選者は分かっていません。Calumの提案でした。私も投票に参加しましたが、その半分くらいがこのアルバムに入りました。投票結果の詳細は分かりませんが、一位は"The Greatest Flame"("Amazing Things"収録)とコンサートで言っていました。このため、再度シングルカットされました。
 この中の唯一の新曲が"Rhythm Of My Heart"。そうあのRod Stewartの曲です。シングルカットもされ、UKチャートの20位代に上っていました。6曲目の"Protect And Survive"は元々は"The Cutter and The Clan"に収められていた曲ですが、シングル用に再録音したバージョンです。こちらの方が歯切れが良くなっています。私はこのツアーのライブ版も好きですが・・・シングルCD("The Greatest Flame"のCD1)が手に入らず残念。5曲目の"Abhainin An T-Sluaigh"には英語のタイトルが付いていません(印刷忘れ?)が、"The Crowded River"です。
 Runrigをまだ聞いたことがないという方はこのアルバムから始めてみて下さい。ラストの"Loch Lomond"には驚かれるのでは!?
 尚、ボーナスCDが付いたバージョンもあります。ボーナスの方は寄せ集めの感もありますが、アルバムではなかなか聞けないものも入っています。
Long Distance
Mara Chrysalis CHR6111(1995);producer Brian Young & Runrig
 プロデューサーを変えての久々のスタジオ録音です。"mara"(="muir")とはゲール語で"海"という意味です。タイトルト曲の"Mara Theme"は"Mighty Atlantic"とくっついていますが、大海原を感じさせる作りになっています。このアルバムの中では一番好きな曲で、私のベスト5にも入ります。彼らの"powerful & beautiful"サウンドが顕著に現れています。
 2曲目の"Nothing But The Sun"は何故かVertersay島(Barra島の南)で見た白い砂浜を思い出させます。7曲目の"The Wedding"はRoryのリードボーカルででこのアルバム中一番賑やかな曲です。エンディングのアコーディオンの早弾きが特に印象的です。唯一シングルカットされた4曲目の"Things That Are"はギターがやけにShadowsぽい。
Mara
Transmitting Live Chrysalis CHR6090(1994)
 彼らの2枚目のライブ・アルバムです。収録されている曲は最初のライブ・アルバムとは全く異なっています。ツアーでは同じ曲をやっているはずですが、収録を変えてだけでしょう。録音はBarrowlands(Glasgow), Koln(ドイツ), Tarlair(Scotlandの海岸縁), Stirling Castleの4ヶ所となっています。
 1曲目の"Urlar"(ゲール語で"floor")は未発表曲。アルバム・タイトルの元になった6曲目の"The Wire"は古いアルバムの"Heartland"がオリジナルですが、この時はRory一人のリードボーカルでした。このライブではDonnieと二人でリードをとっています。"Flower of The West"は"The Big Wheel"のバージョンよりも1コーラス短くなっています。以後このバージョンでやっているようです。ラストの"Pog Aon Oidche Earraich"はThe Glasgow Islay Gaelic Choirを加えての合唱になっており、圧巻です。
Amazing Things Chrysalis CHR2000(1993)/ToshibaEMI TOCP7667;producer Chris Harley
 これが私にとって最初のアルバムです。そして1曲目から衝撃を与えてくれました。
 1曲目はアルバム・タイトル曲の"Amazing Things"。前の年に行われたLoch Lomondでの野外コンサートの最後にDonnieがこの言葉を発したことから作られたようです。ビデオでも確認できます。最初に聞いた時はとっても不思議な雰囲気を持った曲に思えました。シングル・カットされたのは2曲目の"Wonderful"と3曲目の"The Greatest Flame"。特に"The Greatest Flame"の方はファンの間でも人気の高い曲です。ゲール語の曲で11曲目の"Ard(High)"はロックのリズムにうまく乗せてあります。私の大好きな曲の一つで、コンサートでやってくれたのも嬉しかったのです。
 このジャケットデザインは絵葉書にもなっています。また同時にメンバーのここの写真の絵葉書もありました。ルックスは・・・? ジャケットの中の写真です。
 日本版の解説をStirling出身のPeter Gardiner氏が書かれております。
Amazing Things
Alba-The Best Of Runrig Chrysalis 0 9463 21950 2 9(1992)
 1枚目のベストです。古くはRecoveryが収められています。2枚目のベストの"Long Distance"の選曲と似通っています。
 このベストが一時ファンクラブの在庫からなくなるという事態が起こりました。別に盗難にあったわけではありません。この中に収められている"An Ubhal As Airde(The Highest Apple)"が話題になった時にファンクラブへ問い合わせが殺到し、手っ取り早く彼らの音楽を聴きたい人達が買っていったようです。話題になったきっかけは、Carlsbergのコマーシャルです。その後シングル発売もされ、UKチャート最高18位(2週間)を獲得しました。彼らのシングルでは現時点('98/4)で最高位、また(スコティッシュ)ゲール語でも最高位の記録を作りました。この頃短波のBBCワールド・サービスでチャートを聞いていましたが、さすがにDJは英語のタイトルで発表していました。
The Big Wheel Chrysalis CHR1858(1991)/ToshibaEMI TOCP6993;producer Chris Harley
 彼らのアルバムの中でも最も評判が高いと言われています。
 3曲目の"Abhainn An t-Sluaigh(The Crowded River)"は私の出会いの曲。Londonの人混みにうんざりした時のことを歌っているとか。その気持ち何となく分かります。4曲目の"Always Winner"はDavid Gibsonのためにと書かれています。Gibson氏は彼らと親しかったジャーナリストで、取材中に亡くなったとか。この歌自体は湾岸戦争にヒントを得たと聞いています。6曲目はタイトル曲ですがゲール語で歌われています。"An Cuibhle Mor"がゲール語のタイトル。次の"Edge of the World"は軽快な曲。この言葉自体、スコットランドを回っている時に耳にすることがありました。Britainの最西端の島St.Kildaのことを指すようです。8曲目の"Hearthammer"はシングル・カットされUKチャートの20位代に上ったためTop of the Popsに出演したとか。ラストの"Flower of the West"は彼らの曲の中で私が一番好きな曲です。歌詞の"I survive the childhood"以降のRoryがリードを取る部分が聞き取りにくくて歌詞を調べたのです。すると地名らしき単語が沢山。しかもゲール語っぽい。ジャケットに載っている地図を見るとその地名がある。その地図がNorth Uistの一部らしいと分かり、この歌がMacdonald兄弟の思い入れが深いものだと思ったのです。
 私が持っているのは何故か日本盤ですが、よくあるライナーノーツは全くありません。
The Big Wheel
Searchlight Chrysalis CHR1713(1989);producer Richard Manwaring
 プロデューサーがこの前後とは違っているためか、アルバム全体の雰囲気が少し変わっているように思えます。でも、ゲール語の曲は2曲入っていますし、後になっても歌われている曲も入っています。
 1曲目の"News From Heaven"と3曲目の"City Of Lights"は良いポップスという感じです。その間に挟まっている"Every River"はメロディもさることながら歌詞にグッときています。ゴスペル・ソングとしてもいいはずなんですが・・・4曲目の"Eirinn"はゲール語で"Ireland"ですが歌詞は英語です。中に"brother Gael"という言葉が出てくるように民族的につながったところのことを歌っています。8曲目の"Only The Brave"と次の"Siol Ghoraidh(The Geneology Of Goraidh)"はよくライブでもやっています。"Only"の方はライブの最後近くで、自然に盛り上がってきます。"Siol"の方は力強く歌っています。Skye島にいたGoraidhという一族(Clan)のことを歌っています。
Once in a Lifetime Chrysalis CHR1695(1988);producer Chris Harley
 初のライブ・アルバムです。曲はこれまでのアルバムに入っているものですが、アレンジをかなり変えてあるものは非常に良くなっています。
 1曲目の"Dancd Called America"と8曲目の"Skye"は"Heartland"からの曲ですが、ライブの方が断トツに良いです。"Skye"の方はベストにも入っています。Skye島をサイクリングしている時この曲が頭から離れませんでした。"Heartlnad"からは"Cnoc Na Feille(The Hill At The Market Stance)"もあります。Roryの力の入ったボーカルが印象的です。これもライブが良いです。5曲目の"Going Home"はもっと古い曲ですが、Calumが夏休みで家に帰る時に作った歌とか。気持ちが良く現れています。そして、何と言っても9曲目の"Loch Lomond"が最高です。ライブの最後にいつもやっています。スコットランドの人達が親しんでいる歌なので会場で大合唱になります。ライブでこれが出ないことには終わらないという歌です。ライブに行かれる方は是非この歌を覚えていって歌いましょう! ラストに"Hearts Of Olden Glory"がついています。おまけ!? でも良い曲です。
The Cutter & The Clan Chrysalis CHR1669(1987);producer Chris Harley
 このアルバムがメジャー・レーベルでの最初のアルバムになります。転機になったアルバムと彼らも言っていす。
 1曲目は"Alba(Scotland)"。正に自分たちのスタートだと言っている様な曲です。この曲のせいなのか"ALBA"のカー・ステッカーがあちこちのお土産店で売られています。2曲目の"The Cutter"や6曲目の"Rocket To The Moon"は新大陸への移民のことを歌っています。"Rocket"の方はライブでも聞くことができます。8曲目は"Protect And Survive"の最初のバージョン。9曲目の"Our Earth Was Once Green"は力強く歌っているのにどこかもの悲しさが感じられます。ラストの"An Ubhal As Airde(The Highest Apple)"はベストの"Alba"のところで言っている様に彼らの最大のヒット曲です。
Heartland Ridge RRS006(1985);producer Chris Harley
 2枚目からここまでのアルバムは彼ら自身のレコード・レーベルのものです。
 Chris Harleyが初めて彼らのプロデュースをしたアルバムです。ChrisはRoryが10代の時に作ったSkyever(Skye島最初のポップバンドと言われています)のメンバーの親戚で元々縁があった人です。この時点ではもう名をあげていたとか。
 "Dance Called America", "Skye", "Cnoc Na Feille", "The Wire"と後にライブでもやっているスタジオ録音です。10曲目の"An Ataireachd Ard(The High Surge)"は最後の演奏が印象的と思ったら、最初のビデオのクロージングに使われていました。
 尚、このアルバムのデザインはRory Macdonaldです。大学でデザインの勉強をしていました。
Recovery Ridge RRS002(1981);producer Robert Bell
 彼らのアルバムの中で私が一番つまらないと思ったものです。でも、よく聞くと良い曲も入っています。
 4曲目のタイトル曲"Recovery"はSkye島であった氏族間の戦争の後に起こったことを歌っています。Roryのボ-カルが悲しそうに響きます。この戦争に限らず、戦争の後にはいつも同じことが起こると詩を作ったCalumが言っています。最後の2曲"The Old Boys"と"Dust"が良いです。ゲール語の曲もかなり入っているのですが、全体に印象が薄くて・・・それまでのイメージを変えたかったようです。ちょっとした冒険だったようです。
The Highland Connection Ridge RRS001(1979);producer Runrig
 プロデュースを自分達でやってはみたものの・・・借りたスタジオにしっかりした人がいなくて好き放題だったとか。このスタジオ(Castle Sound)の持ち主が後にずっと付き合っているCalum Malcolmでした。
 この中に入っているのがスタジオ・バージョンの"Loch Lomond"。これからどうしてあのライブ・バージョンになっていったのか不思議なほど大きく違います。2つのバージョンの間にChris Harleyがプロデュースしたシングル・バージョンがあるそうです。"Going Home"は元々この中にあったのですが、このアルバムの中では一番良いです。"Morning Tide"というのが次にあるのですが、これはスローテンポにアレンジを変え再録音され最初の"The Greatest Flame"のカップリングとして入っていました。再録の方がいいです。雰囲気がPortreeの港を思い起こさせます。他は殆どがゲール語の曲またはインストルメンタルです。
Play Gaelic Lismor LCOM9026/Neptune NAI05(1978);producer Black Gold Record Productions
 これが最初のアルバム。全てゲール語の曲です。インストルメンタルもありますが。Folkとして扱われていることもあってお土産店でよく見かけます。結構耳に心地よいサウンドになっています。
 最近になってDonnieがCapercaillieのKaren Mathesonと録音した"Chi Mi'n Geamhradh"は最初にこれに入っていました。"Air an Traigh"はCalumが最初に作った歌と聞いています。Norht Uistでの少年時代を思い出してのことだとか。


EPリスト
Capture The Heart Chrysalis 7243 8 81453 2 9(1990);producer Chris Harley
 4曲入りで、1994年にドイツからCDで再発売になりました。この発売を知らなくてAberdeenで見つけてさすが!と思ったのですが、発売はその旅行中のことでした。
 1曲目の"Stepping Down The Glory Road"は"Long Distance"にも入っています。この曲はこのCDが発売されるまでビデオだけでしかなくて悔しかったのです。3曲目の"Harvest Moon"もビデオでありましたが、ベストの"Alba"にも入ってました。農業が身近にある彼らならではの曲!? 4曲目の"The Apple Came Down"は歌詞ですぐに分かると思いますが、科学の進歩と人間性の喪失の戦いを歌っています。