Glasgow

2003/9/12(fri)~9/14(sun)

旅の最終地は飛行機の都合でやはりGlasgowになります。今回はGlasgowから日帰りできる所に行ってみるつもりで少し長く居ることにしました(といっても3泊ですが)。
Ayrからバスで移動することにしました。バスは本数が多いのは知っていましたが、予定のバスの停車番号に立とうとすると側にいた女性が、”Glasgowへ行くならあそこに並んでいる人達の所へ”と教えてくれました。予定より早い出発のバスで、しかも空港のPrestwickからはノン・ストップ。1時間以上も早く着きました。これがちょっとした幸いになりました。荷物を預けて宿を歩いて探した所、何処も一杯。何があるのやら…。3泊の内2泊はシングルで、最後の1泊はツインなら空いていると言われて、高くなるけどとやっと決めた時、その直後に空いていないか聞きに来た男性には”満室”の答えでした。間一髪です。早く着いていなかったら、苦労したところでした。
Dumbarton
荷物も部屋に入れた後、午後は前日に知った海洋博物館の2つ目に行くことにしました。場所が9年前に(ポイント故障のため)予定外の列車の乗り換えをさせられたDumbertonです。Glasgow Queen's Street駅で列車のチェックをすると??。1日3本くらいしかないのです。そんなはずはないと、よく見たらScotRailのみの時刻表でした。ここへ行くにはSPTという近郊の町を繋いでいる列車があるのです。その時刻表を探し、宿の近くにCharing Crossという駅があるのでそこから乗ることに。
博物館へはDumberton Eastからも同じ様な距離とあったのですが、Dumberton Centralの方が道が分かりやすいように思われました。駅を降りて壁の地図で道順を確かめていたら、私に道を聞く人がいました。見た目が旅行者でしかも地図を眺めている人に聞く? ”分かりません”としか答えられませんよ。目的地まで歩いていたら、曲がり角で?? そこに親切な女性が来て、教えてくれました。更に進むと、また分かれ道が。この辺り、実に複雑になっているのです。そこで再び別の女性に会い、方角を教えてもらいました。このお二人、目的地のことを”Denny Tankね”と愛称で呼んでいたことに気付きました(その時は愛称とは知りませんでしたが)。
Denny Ship Model Experiment Tank
Denny Tank船のデザイン(特に船底の形)を決めるためにテストを行う設備の造船所でした。とってもユニークな博物館です。1882年に建てられました。その中には100mの細長いタンクに水をため、様々な波を起こして、船底の形を決めるために繰り返しテストが行われていました。船底は蝋で作られていたようで、削って色々な形を試していたようです。そして完成した船底をモデルにして、実際の船を造っていたとか。現在は、コンピューター・シュミレーションなので、このような大きなスペースは必要なくなったとのことです。展示はこの細長いタンクと、船底を削る作業場、ここに関する造船の歴史とDumbertonの町の古い写真などがあります。
行った時には、見学者は私一人でした。そのためか、受付の男性が、色々と丁寧に説明してくれました。船底を実際に削って見せてくれました。昔はこうだった、と町のことも話してくれました。中の写真は撮りづらかったので、外から撮りました。写真はタンクがある建物です。細長いでしょう?外にもエンジンなどの展示をしています。午後のちょっとした時間で行くことが出来ます。
Dumberton Castle
Dumberton Castle(1)Denny Tankの見学時に、”お城は行った?”と聞かれて、その気はなかったのですが、ついでに行ってみました。道がよく分からず、最初に町中をウロウロ。それらしき道が無く、一旦駅の方へ引き返していると案内板を見つけました。その通りに歩くと、東へどんどん行くのです。それでも更に案内板があるので間違ってはいないと思い進んでいました。時間が経っていたので、外からだけになると思ったら、このお城、夕方6時まで開いているのです。それだったらゆっくり見ることが出来ると中へ。右の写真は、町中で見えた城がある岩。近くではあまりに高くてこの形で撮ることが出来ませんでした。
Dumbarton Castle(2)海の側の大きな双子岩に造られたお城です。少なくとも5世紀にはあったそうで、1018年までStrathclydeの王国の中心をなしていたそうです。870年には4ヶ月もの間、バイキングの包囲に耐えていたとか。1658年のCromwellの死後、城の重要性は減少していきました。しかし、18世紀のJacobiteとフランス軍の驚異により防衛のために再建され、第二次世界大戦まで軍が駐屯し続けていました。
Dumberton Castle(3)岩の高い方は約73mで、White Tower Cragと呼ばれ、見張り台があります。低い方はThe Beakと呼ばれ、砲台と火薬庫があります。この間の入口側に屋敷や宿舎があります。右の写真がその入り口とGovernor's Houseと呼ばれる建物です。反対側には監獄があります。入口から二つの岩の間を登る急な階段があります。登り切るあたりにPortcullis Archが架かっています(写真左)。
料金を払ったところ、国籍をチェックされました。統計を取っているようでした。”Japanese”は再下段にありました。なかったら淋しいけど…。その日の日本人は私が最初でした。これがどんなことに役立つのでしょうか、気になります。面白いお城なので、お薦めです。ただし、登りがきついので覚悟して下さい。
お城へ行く途中、その向こう(東の方角)にDumberton Eastの駅がちらっと見えました。お城の上からもそれらしき物を確認しました。もしかして、East駅にの方が近かったのでは?と思い、帰りはそちらから。列車もそんなに待たずに来ました。道もそんなに複雑ではなくて・・・リーフレットの略図がいけなかったのですよ。これから列車で行こうと思われる方、East駅(小さいけど)の方が良いですよ。お城は絶対こちらの方が近いです。

North Berwick
1日かけて日帰りできるところを探したら、Edinburghを経由するのですが、東の端にあるNorth Berwickが面白そうでした。帰りにEdinburghにも寄ってちょっとした物も買おうと思ったのです。Glasgowではお土産店が少ないためです。着いて海岸まで行くと素晴らしい眺めでした。この近くにTantallon城があると聞いていたので行ったのですが、ボートツアーで近くの小島を回る方が面白そうだったのでこちらにしました。
ボートツアーまでには(潮が満ちてくるのを待つため)時間があったので、近場の海岸をウロウロ。Seabird Centreと城跡と書かれた小高い盛り土に登っていました。
Scottish Seabird Centre
主に海鳥たちが中心ですが、動物たちの環境保護を行っているセンターです。保護のための教育も行っています。それぞれの動物たち生態なども展示していました。この中にはカフェとお土産店(海に関する物が多い)があります。見ると欲しくなりそうなのが沢山あります。
閉まるドアに注意!! この入り口付近にあった絵葉書を見ていたところ、人が入ってきました。扉は外に開くので邪魔にはならないのですが、その扉のバネが強かったのかどうか知りませんが、閉まる時に勢い余って中にいる私にゴツン。思いっきりおでこに当たったのです。音がしたのではと思えるくらいでした。側で一緒に見ていたおじさんが思わず私のおでこを”Oh! Oh!”と言いながら子供を慰めるように撫でてくれました。帰国直前でしたので、飛行機の中でも自宅に戻ってからでもまだ痛かったのです。皆さんも気を付けて下さい。まだトラウマ状態で、入り口付近には立たないようにしています。
Bass Rock Boat Trip
海岸からも十分に見える最大の島Craigleithとその右手(東)に見える印象的なBass Rockを回るボートツアーです。約1時間20分。予約は特に必要ではなく、出航時間に所定の埠頭で船に乗り込むだけです。割に大きいので取り残されることはないと思います。ただし、座る場所によっては潮を被ることがあるので注意が必要です。
Craigleithにはパフィンが多くいることがあるそうですが、7月くらいでないと見ることが出来ないとか。その他の海鳥もいました。Bass Rockには8万羽を超えるガネット(カツオドリ)がいるそうです。また、ここには灯台もありました。この回りでは常にガネット達が飛び交っていて、上からの落とし物に注意する必要があります。そうやってこの岩(島)に落とされた物がたまって、島の岸壁は白くなっています。その他アザラシも見られるとか。船上でその時の状態を言ってくれます。
Craigleith
Seabird Centreのある岬の展望台から見たCraigleith。
手前にはウィンド・サーフィンや小型ヨットでセーリングを楽しむ人達がいました。この間を、倒れたウィンド・サーファーを助けるため、ゴムのライフボートが走り回っていました。
Bass Rock
海岸から見たBass Rock。
日が当たって白く綺麗に光っていました。実はこの白いのは…

Braehaed
日曜日でしたが、さすがはGlasgow、3つ目の海洋博物館への足も全く問題ありません。おまけに博物館も日曜日にも開館しているのです。更に、公共交通で水上バスでも行くことが出来るとありました。それならば、という訳でバスよりは割高かもしれませんが、渋滞もなく、ついでにClydeを川から見学できるので乗ってみることにしました。
the Pride o' the Clyde - Water Bus
from Water BusGlasgow(Glasgow Central Station近く)とClyde川河口(西側)に向かって7km程下った地域のBraeheadを繋いでいる水上バスです。日に平日は6往復、土・日は5往復となっていました。所要時間は約30分、その間両岸の景色を楽しめます。料金は船の上で徴収に回ってきます。往復割引もあります。私は行く時に覚えられていたのか、帰りは顔パスでした。景色は最初の頃は主に北側の建物の説明でした。SECC(Scottish Exhibition & Conferrence Centre)とThe Tall Shipを北側に、Glasgow Science Centreを南側に見た時は前年に訪れていたので妙に懐かしく感じました(写真下)。その後は造船作業(写真右)や係留されている船(軍艦もあります)を眺めながら進みます。帰りも勿論逆ですが、同じ説明でした。
Clyde sides from Water Bus<Braehead>
1999年9月21日にオープンした総合開発地域です。ここには100を超える店(殆どが有名チェーン店)があるショッピング・センターの他、レストラン、スケート・リンクなどのレジャー施設などが集められています。6500台収容可能な駐車スペースもあるそうです。バス(陸路、サービス番号は不明)でも行くことが出来ます。こんな所ですから、日曜日でしたが、大勢の人で一杯でした。新しいGlasgowを味わって下さい。
Clydebuilt
ClydebuiltそのBraeheadの片隅にこの海洋博物館があります。Water Busの船着き場の目の前ですから、迷いようがありません。
展示内容はClyde川での造船の発達の様子やそこで建造された船の紹介です。QE2を含むいくつかの世界でも名だたる船がClyde川で作られたとか。18世紀のタバコ王John Glassfordの自分自身による詳しい話、蛇行していた川から真っ直ぐな川に変わっていった歴史、1940年代の船の建設を再現した大きなセット、等を最新技術を使って見せてくれます。
造船作業体験(ボルトを締めるなど)をすることも出来ます。これが子供達に人気のようで、なかなか上手くできなく、技術が必要なことが分かります。日曜日とあって、3つの海洋博物館では一番賑やかでした。

  1. undiscovered Scotland - Dumbarton Castle(英語):Dumberton Castleの記述があるページです。
  2. Scottish Seabird Centre(英語):Scottish Seabird Centreのオフィシャル・ページです。
  3. Scottish Maritime Museum(英語):3つのScotland海洋博物館のオフィシャル・サイトです。
  4. Clyde Water Bus Services(英語):Water Bus - the Pride o' the Clydeを運行している会社のページです。
  5. Braehead(英語):Braeheadのオフィシャル・ページです。