Dundee

2004/6/22(tue)~6/23(wed)
ハイランドに向かう前に、今までは通り過ぎたことしかない町に寄ってみようと思いました。ルート上の町ではありませんが、ちょっと横に逸れると行くことが出来るのです。以前、通り過ぎた時に何となく興味を覚えたのでした。
Edinburghからバスで行きました。列車もあるのですが、旅費を安くあげるためにバスを使いました。直行便(Aberdeen行き)もあるのですが、バス・ステーションで切符を購入した時間がPerth乗換が一番早かったのでそうなったのです。Inverness行きに先ず乗り、PerthでGlasgow発のAberdeen行きに乗り換えます。乗換時間もそんなに無いので、直行便と殆ど変わらない時間で着くことが出来ます。EdinburghからPerthまでの間にForth Road Bridgeを渡ることになるのですが、有料なんですね。運転手が現金で払っていました。回数券というシステムはないのでしょうか? ちょっと不思議でした。
バス・ステーションを降りてツーリスト・インフォメーションを探して少し歩いたのですが、矢印の方向にはないのです。一旦、バス・ステーションに戻り、そこにあった地図を確かめて別の方向にあることに気付きました。あの矢印はどうしたのでしょう? その間に色々な人に尋ねたりしたのですが、その方向にないことだけは確かでした。宿も無事に取れ、坂の上にあるということなのでタクシーも呼んでもらい無事に着きました。運転手は一方通行なのでグルグル回ったけど、歩きならここの道を真っ直ぐ登ればいいと、説明してくれました。宿の窓からはTay川を越えた眺めが広がっていました。
Dundee
Scotlandで4番目に大きい町。Tay川河口近くの北側に東西に広がり、かつては海洋関連の産業との関わりを数多く持っています。かつては捕鯨の中心でもあった港があります。19世紀初期までは繊維業が盛んで、ジュートで世界に知られるようになりました。町は、1857年までの3世紀の間中心地である墓地のThe Howffは、1564年にQueen Maryによって贈られました。The Howffは元々、Devorguilla Balliolによって1270年にフランシスコ会の修道院に隣接した果樹園で、修道院は1548年に取り壊されました。
City of Dundee
Dundee Lawという丘から眺めた町の西側
交通
  1. 列車
    他のScotlandの町から行くことが出来ます。南および西のEdinburghから約1時間25分、Glasgowから約1時間30分、Perthから約25分、北のAberdeenからは約1時間10分です。EdinburghからAberdeen行きに乗ると、名物の橋を通ることになります。駅は川沿い近くにありますが、町の中心街から余り離れていません。大きな道を渡るための歩道からビルの中に入ることが出来るようになっています。
  2. バス
    列車と同じくEdinburgh、Glasgow、Perth、Aberdeenから行くことが出来ます。EdinburghとGlasgowからは直行便かPerth乗換便のどちらかになります。Aberdeenからは直行便となります。所要時間はEdinburghとGlasgowからは約1時間40分から2時間20分、Perthからは40分弱、Aberdeenからは約2時間です。列車よりは安くあがるようです。City Linkが運行しています。
  3. 空路
    町中の、川沿いにDundee Airportがあります。街の中心まで数分で行くことが出来るとか。国内線のみですが、英国各地からのフライトがあります。殆どはEdinburgh乗り継ぎのようですが、London City Airportからの直行便(Scot Airwaysが運行、所要時間は約1時間15分)もあるようです。
町にはいくつかの興味深い所があったので1日半で見て回ることにしました。着いた日はお天気が良かったのですが、翌日は朝から雨でした。殆ど止むこともなく、気も重くなり思った程は回ることが出来ませんでした。とりあえず、宿から歩いて回ることが出来る範囲で行ってみました。バスツアーがあると思ったのですが、ちょいと早すぎて2週間後からのものでした。
HM Frigate Unicorn
HM Frigate UnicornVictoriaドックに係留されている木製の帆船型の軍艦です。英国で建造された最も古いもので、、Scotlandでは唯一の展示になるそうです。1824年にChathamで作られ進水し、46台の大砲を備えていました。英国海軍で140年以上に渡って使われ、1968年に退役したそうです。有料。夏期は毎日、冬期は水曜日-日曜日開館しています。
艦内は今では広々と歩き回ることが出来ます。したの船倉には狭くて急な階段を下って見ることが出来ます。階段の上には”頭上注意”の文字があちこちに見られました。舳先には船の名前の由来(?)となったユニコーンの像が取り付けられています。
Discovery Point
1901年に南極探検をした有名なScottとShackletonを乗せた船Discovery号を係留し、またその探検に関する様子を展示している博物館です。Discovery号は
 R.R.S. Discovery1900年3月16日に建造開始
 1901年3月21日にDundeeで進水
 1901年8月6日に航海を開始
 1902年2月8日にMcMurdo海峡(南極大陸)に投錨
 1904年2月16日に氷河から脱出
 1904年9月15日にLondonに帰港
となっています。その後貨物船としてHudson's Bay社が購入し、アメリカ大陸やヨーロッパの各地に航海しています。1923-24年には研究船となり、1931-1979年の間には航海の練習船として使われていました。1986年にDundeeのVictoriaドックに戻され、1993年に現在の場所に移されました。有料。クリスマスと正月を除く毎日の開館。
展示館の建物には船の建造から船上生活、南極大陸の自然の様子などの展示を行っていました。また、途中氷河に閉じこめられた時の状況などを映像で紹介しています。一通りの展示を過ぎると、R.R.S. Discovery号に乗り込むことが出来ます。探検時の内装を見ることが出来ます。中央に一同が会することが出来るようなテーブルも設けられていました。乗船した研究員の個室もそれぞれ見ることが出来ます。この後、再び建物に戻り、ちょっとした研究体験をすることが出来ます。ここでも子供達に遭遇し、ゆっくり見ることが出来ませんでした。
Verdant Works
かつて、この町ではジュート産業が盛んだったとのことで、その歴史を展示した博物館です。最盛期には5万人もの人々がこのジュート産業に従事していて、世界中に良質のジュートを提供していました。ジュートはインド原産のツナソという草を育てて作られていました。そのインド(当時は英国の植民地)での栽培の様子から、織物(麻袋など)になる過程の機械までを展示しています。有料。夏期は毎日、冬期は水曜日-日曜日の開館。上記のDiscovery Pointとの共通入場券があるようです。
機械は今でも動かしていて、私が部屋に入って暫くすると動かし始めました。それで出来た織物の切れ端をおじさん(機械の操作をしている人とは別の人)が手渡してくれ、触ることも出来ました。その切れ端を返そうとすると、もらって良いと。記念に今でも持っています。現在、ジュートは丈夫なポリプロピレンに取って代わられ、産業としては衰退してしまいましたが、歴史を学ぶ上でこのように残されています。ちょっとしたゲームも用意されていました。2階にはその頃の生活の様子の写真が展示してありました。
Dundee Law
Dundee LawDundeeで最も高い丘です。571フィート(174m)あり、川沿いの展望台(?)や対岸からよく見えます。丘の頂上には古代の砦があったそうですが、今ではその後もよく分かりません。今では戦争記念碑(写真の左側の突き出たもの)が建てられています。町の最高峰のためかその隣には通信塔(写真の右側の高い方)がありました。
登ったのが一日中雨風に悩まされていた日なのです。町の最高峰ですから、当然ここは四方から風が吹いてきていました。さんざん(途中で道を間違えたこともあって)歩き回った後に登ったので、雨風も手伝って長居する気がしませんでした。町の眺めは一応出来ました。晴れていたら気持ちが良さそうな所でした。他に取り柄があるような所ではありません。
宿からはそんなに離れていなかったのですが、帰り道に何度も地図を眺めて確認していたら、車から声を掛けられました。方向を確認して、すぐ近くだったので歩き出そうとしたら、雨風のため乗っていくようにと促されました。大きな町ですが、親切な方は何処に行ってもいるのです。
その他
時間が無く、また中心街から離れていたりして、訪れてはいないのですが、観光パンフに載っていた面白そうな所も紹介しておきます。
  • Dunhope Castle
    13世紀に建てられたDundeeの世襲警察官の家でした。18世紀中頃には織機用の水車があり、後には兵舎になりました。一般公開はされていませんが、外観を見ることが出来ます。近くに行ってその建物らしきものを探したのですが、よく分かりませんでした。非公開ということで案内板もないようです。
  • Mills Observatory
    英国で唯一の常時一般公開されている天文台で、クラシックなスタイルの砂岩の建物になっています。ここには、独特の7mの張子のドーム、素晴らしい250mmのCooke屈折望遠鏡、プラネタリウム、展示エリアがあります。無料。お天気が良ければドームは夕方に公開されているようです。
  • The Howff
    歴史のある墓地ですが、以前はGreyfriars修道院の庭で、Mary QueenがDundeeの市民に贈ったとのこと。古い工房組合を象徴する墓石があるそうです。そんな所とは知らずに横を通り過ぎていたようです。
  • Tay Rail Bridge
    現在の橋は1887年に完成しました。最初の橋は1879年の嵐で壊れ、75名が亡くなりました。Briatin島で最も長い鉄道用の橋で、2マイル73ヤード(約3.88km)あります。この橋は6年前にEdinburghからAberdeenへ列車で向かう途中、渡った記憶があります。橋を渡る前頃から何となく印象に残っています。その時にDundeeにその内に寄ってみようと思っていたのでした。渡らなくても、川沿いの遊歩道から十分に眺めることが出来ます。
  • Tay Road Bridge
    1966年に開通しました。1.5マイル(約2.4km)で、Britain島で最も長い橋の一つとなっています。歩いても渡ることができます。Frigate Unicorn近くからDiscovery Pointまでの遊歩道はこの下をくぐっています。あまりに無機質で余り興味をそそられるようなものではなかったと思います。

  1. Angus and Dundee(英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語):Angus and Dundee地方の観光情報のページです。
  2. Dundee City Council(英語):Dundeeの町に関する情報ページです。
  3. HM Frigate Unicorn(英語):HM Frigate Unicornのオフィシャル・ページです。
  4. R.R.S. Discovery(英語):R.R.S. Discoveryのオフィシャル・ページです。Verdant Worksのオフィシャル・ページの入口にもなっています。
  5. Verdant Works(英語):Verdant Worksのオフィシャル・ページです。R.R.S. Discoveryのオフィシャル・ページの入口にもなっています。
  6. Mills Observatory(英語):Mills Observatoryのオフィシャル・ページです。