Channel Islands Herm Flag
Herm
Channel Islands Herm Roberts Cross Dolmen Manor Village
2006/7/3(mon)

諸島巡りなら、ついでに他の島にも行ってみようと思いました。勿論日帰りできる範囲です。そこで一番手っ取り早いSt Peter Portの目の前にある小さなHerm島に渡ってみることに。港に乗船券を販売している小屋があります。情報も船会社のリーフレットぐらいしかありませんが、何もなくても何とか1日を過ごすことが出来そうでした。
往復の乗船券を買って乗り込むと、結構な人数です。トレッキングの格好をしたグループもいました。手には地図を持っています。島を歩くには地図がいると、Herm島に上陸すると探しました。港近くにはお土産店とホテルしかありませんが、その中に地図を売っている店がありました。見ると島を一周するパスがあるので、取り敢えず回ってみることに。先ず北側へ向かいました。今回は時計回りです。砂浜が北側にあり、他の人達も北側へ向かっていたからです。

Herm島/ハーム島
Channel諸島で5番目に大きい島ですが、有人島としては最小になります。島には10家族が定住して、夏季には季節労働者が80人までになります。
南北に1.5マイル(約2.4km)、東西に0.5マイル(約0.8km)、一周は約4マイル(約6.4km)。満潮時の面積は約300エーカー(約121.4ヘクタール)、春の干潮時には砂地と岩礁を含めると最大1,000エーカー(約404.7ヘクタール)になります。FranceのNormandy海岸から見えることもあり、Cap la Hagueから西約20海里(約37km)、St. Maloの北北西約56マイル(約90km)、Britain島のWeymouthからは南やく75海里(約139km)に位置しています。
島へ渡るにはGuernsey島のSt Peter Portから。片道約20分です。また、個人のチャーター便やレジャーボートでも可能のようです。船はHerm Harboourが基本ですが、干潮時には南側のRosière Stepsが使われます。Herm Harboourから10分程なので、事前にどちらかをチェックしておく必要があります。お土産店、カフェやお手洗いはHerm Harboourの近くにあります。
島内には新石器時代の約4,000年前の墓があります。FranceやGuernsey島から部族の族長の神聖な墓場としてその頃まで使われていた、と言われています。1947年までは島は王室が所有していました。1949年からは半世紀の間、リースされて、1家族によって島の運営がなされています。島の経済は観光と牧牛で成り立っています。学校や、自家発電、水の自給や下水処理も行われています。この全てのシステムはこの借用期間に設置されました。

干潮時に道が出来るHermetierという岩礁から眺めたHerm島西側全景

島一周(Herm Harboourより時計回り)
  1. 北西海岸(The Bears Beach)沿い
    港から木々が覆い被さった道を抜けると、左に海、右に放牧場が広がっています。更に進むと右手に島の最高地Monkuという丘(152m)の麓に到着します。左には干潮時に道が出来るHermetierという岩礁が見えます。この日は午前中は本当にそこに道が出来るのかと思う程海の中を見ても分かりませんでしたが、午後3時を過ぎると干上がって道が現れていました。丘を過ぎると道が分かれています。この分岐点にお墓がありました。右に向かって東西の中心辺りのRoberts Crossまで進み、その後小高い岩の上まで登りました。ここに登ったのは私だけでしたが…道が途中、草で覆われて分かりにくくなっていたからでしょう。上からの眺めを楽しんだ後、その向こうのOyster Pointと呼ばれる北西の端まで。こちらの道は草も茂っていなくて分かり易かったのでした。ここの岩の高い所で一休み。砂浜から登ってきたご夫婦とお離しもしました。彼等はドイツ人で、日本にお友達がいるとかで私に興味を持って声を掛けたらしいです。以前住んでいた岸和田にもお友達がいるとか。名前を言われましたが…お天気も良く、気持ちが良い海の風を当たって気分爽快でした。
  2. Mouisonniere Beach北海岸(Mouisonniere Beach)の砂浜
    休憩後パスを進もうとしたのですが、下の砂浜がきれいだったのですぐに降りて波打ち際近くを歩きました。先程のご夫婦と前後して歩きました。波打ち際をよく見ると、そこには小さな貝殻が打ち寄せられていました。中央あたりにはAux Rats(オリベスク)が建っていますが、砂浜があまりに気持ち良くて、近づくのを忘れ、気が付いた時にはとっくに通り過ぎていました。北海岸はこの砂浜がずっと続いています。約0.5マイル(約0.8km)です。
  3. 北東海岸(Shell Beach)
    Shell Beach北東端に着くとドイツのご夫婦は岩の陰で休んでいました。私はそのまま砂浜を今度は南に向かいました。700mほど進むと崖に突き当たります。そこからは今度は崖の上を進むのですが、登り口は少し手前にあります。そこに良い具合にカフェがありました。あまりの暑さに思わずアイスクリームを買ってしまいました。砂浜には入れ違いにボーイ・スカウトの一団が降りていました。
  4. 南端(Pt.Sauzelbourge)まで
    島の南2/3の海岸は崖になっています。その崖の上をパスがあります。道は上下していて平坦ではありませんが、眺めは良くなります。南東にはSark島も見えます。南北の丁度真ん中あたりにはBelvoirという小さな湾があります。そこにはレジャー・ボートが係留され、僅かな砂浜でノンビリと過ごす人達がいました。この湾の奥にもカフェがありました。ここから島の中を東西斜めに横切る道があります。その行き着く先はHerm Harboourです。島一周に疲れて辞めたい時はこの道を使って港まで近道が出来ます。中央南よりにPuffin湾があり、4月にはパフィンが見られるそうです。
  5. 南端から港までの南西海岸
    Pt.Sauzelbourge南端に着いた所で、岩の間で休憩。お昼もここで食べました。ここはカモメが巣を作っているのか、眼下にはそこら中カモメが留まっていました。そしてまだ毛が薄茶色の雛もいました。この雛を見つけて、先に陣取っていたカップルの男性がカメラを持ち出して、下を覗き込むように写真を撮っていました。ここに着く前にも雛がパスの脇を歩いているのを見かけました。ここでトレッキングをしている人間達が自分達に危害を与えないことを知っているのでしょう。人を恐れることなく歩き回っていました。
    seaguls and babies南端から北へ進む道は木々の間なので、景色を楽しむことは出来ませんでした。そして階段を下りるとRosière Stepsに出ました。ここにも港があるので、”何でこの小さな島に2つ港があるの?”と思っていたのですが、Herm Harboourで帰りの船を確かめようとしたら、こちらで乗るようにとの案内が出ていました。行きの下船直前にそんなことを放送していたのですが、よく意味が分からなかったのです。帰りの船には余裕があったので乗り遅れることもありませんでした。その後のHerm Harboourまでは左(西)にGuernsey島を見ながら歩きました。そして、一周が終わりましたが、程良いウォーキングという感じでした。
島内の人工物
この島は景色を楽しみながら、自然を味わうというほかには余り観光的なものはありません。それでもちょっとだけご紹介するものがあるので挙げておきます。
  1. Roberts Cross Dolmen
    Roberts Cross Dolmen島の北半分中央あたりにRoberts Crossという十字路があります。この側にドルメンらしき積み石がありました。側には何の説明もないので、違うのかな?と思ったのですが、地図をよく見ると、説明がありました。
    新石器時代のドルメンで3500-4000年前のものと思われています。その頃にこの島に人が住んでいたことを示すものです。長さは約4.6mで、冠石は3枚と、小さな石が2つ被せられています。土に埋まっている状態なので高さは不明ですが、潜り込めそうな高さではありませんでした。
    またこの近くの小高い岩までのパスの脇に人工的に置かれたと思われるような石がありました。これも遺跡かも知れないとデジカメで写真を撮ってきたのですが、遺跡に関するネットを見ていたところ、やはりそうらしいとありました。大昔は大陸と地続きでもあり、島になってからもFranceからもそんなに遠くない距離なので、新石器時代に人が住んでいたことも不思議ではないのでしょう。
  2. Manor Village(Le Manoir)
    Manor Village島の中央にあるちょっとした集落です。チャペルやお城(写真右奥の蔦が張っている建物)もあります。ここから東西、南北に道が延びています。少し南にはキャンプ・サイトや集会場、ロッジもあります。
    一周した後、記念品を物色しました。それでも帰りの船までは十分時間がありました。そこで、島の中央にあるこの村に行ってみることにしました。結構急な登り坂をゆっくり進むと、村に行き着きます。村の中の建物は殆どがプライベイトで入ることは出来ませんでした。唯一手前のチャペルだけが中に入ることが出来ます。このチャペル、とっても可愛いのです。しかもお庭もきれいでした。結局、中庭を一回りして戻りました。その前に、村の外を回ってみたのですが、こちらも入ることが出来ず、おまけに半分以上は塀に遮られて様子も分かりません。Old Mill Towerと言うのがあるそうですが、それも確認できませんでした。
    こういう状態だったので、余った時間はまだ潰れません。それで、港の横に干潮で広がった砂浜を歩き、干潮時に出来る道が現れていたのでHermetier(岩礁)まで渡ってみました。カモメに騒がれて写真を撮っただけですぐに引き上げましたが。そして、港に戻った頃に帰りの船の時間には丁度良くなりました。

  1. Visit Guernsey(英語):Guernsey島の観光局のオフィシャル・サイトです。Herm島もカバーしています。
  2. Herm Island(英語):Guernsey島に関する情報です。島に残る先史時代の遺跡が紹介されています。
  3. Prehistoric Jersey(英語):Jersey島の遺跡のサイトですが、Herm島の遺跡も記述されています。