Channel Islands Alderney Flag
Alderney
Channel Islands Alderney Shell HouseとMannez灯台 For RazとHanging Rock Iron Age Pottery Site Fort Tourgis Roc a L'Epine Batterie Annes Sister Rocks Standing Stone
2006/7/6(thu)

当初、泊まることが出来ないかと色々調べましたが、はっきり分からず訪問するのさえ諦めていました。現地で日帰りツアーでもあればと希望は抱いていましたが。ところが、Guernsey島のツーリスト・インフォメーションでManche ilesの船の時刻表のコピーを見つけました。”船便があるじゃないの”と。そしてGuernsey島での滞在を延ばしたついでに1日、日帰りで行ってきました。
船の予約は事前には電話予約が出来るらしいですが、カウンターには人がいないので当日に飛び込みで行いました。その日によって時刻が変わりますが、私が行った日はGuernsey島を朝8時に出発する便でした。チェック・インは1時間前に行うようにとありました。と言うことは朝7時には着いていないといけないことになります。宿の朝食が7時からで食べている時間はなかったので、待合室か船の中で取ることにしました。そんな早くから受付をやっているのかな…という予想は的中して、7時前に行っても受付カウンターには誰もいません。ロビーにいた前々日にお世話になった港湾関係のおじさんが、”座って待て”と。もう一人、女性が来てやはりウロウロ。更に老夫婦が来て、待ち状態に入ります。7時半近くになってやっと係の女性が来て、手続きをしてくれました。勿論飛び込みでOKです。その後2人の男性も来たようで、7時半でも良かったようです。それなら、急いで朝食を食べてこられたのに…”そんな早くに係が出勤する訳がない”という感じでした。行きの乗船客は合計6人。船は結構大きな高速艇です。席は勿論自由、ゆったり座ることが出来るシートでした。
帰りもチェック・インは30分前から行っていました。待合室に大勢集まってきたので、”帰りは多い”と思っていたら、”Guernsey島行きの人”という声で立ち上がったのは8人程度。その内(私を含めて)4人が朝のメンバー。後の4人は家族連れです。待合室の残りの人はJersey島行きだったらしいです。乗船時間は約1時間。島影が無くなると海ばかりで、変化が無くなります。往復良く寝ました。気が付いた時は船が速度を落として港に入る頃でした。

Alderney島/オルダニー島
St.AnneChannel諸島で3番目に大きい島で、英国の中でももっとも神秘な島々の1つと言われています。島は北東から南東に長くなっています。北東-南西は3.5マイル(約5.6km)、北西-南東は1.5マイル(約2.4km)の大きさです。島の周囲は南側が殆ど崖になっていますが、北側と北東の自然保護区は砂浜が広がっています。周辺に点在する大小の岩礁には多くの水鳥が生息しています。また、北西の方向に少し離れている無人島Burhou & Little Burhou(地図の左上の辺り)は全体が自然保護区で3月15日-7月22日は上陸が禁止されています。島の有名な動物は黄金ハリネズミ(写真を見る限り、メチャクチャ可愛いです)ですが、夜行性のため昼間に見かけることは無理でしょう。他にツグミや、ハヤブサ、白い歯をしたトガリネズミもいるそうです。
島の中心となっているのはSt.Anneですが、島全体が1つの村ということなので、あくまで中心地と言うことのようです。その位置も島の真ん中にあります。そこから港にかけて住宅などが並んでいます。St.Anneは殆どの道が石畳で、複雑に入り組んでいますので、迷子になりそうでした。そんなに大きい所ではないのでちょっと歩くと、すぐに家並みが切れてしまいます。
島内には様々なお店が並んでいて、免税で買い物が出来ます。銀行も2店舗あります。
交通
当該からのアクセスと島内での移動手段をご紹介しておきます。
  1. 空路
    Southampton,Guernsey,Dinard(France)からAurigny Air Serviceが、Bournemouth,Brighton City,Guernsey,Jersey,Dinard,St.Brieuc(France)からRockhopperがそれぞれサービスを行っています。また、他の地域からもGuernseyやJerseyを経由(所要時間は約15分)したフライトも可能です。
  2. 航路
    Manche Iles ExpressがGuernseyとDiélette(France)からそれぞれ高速艇で4-9月のみですが、運行しています。所要時間はGuernseyからは約60分、Diéletteからは約45分です。またJerseyからも6-9月に月に1~2本程度の運行もあります。
    It Ferriesが小型のフェリーで週2回Cherbourgh(France)からの定期便とチャーターのサービスを行っています。Lady Marisは小型船で毎水・土曜日にCherbourghから、毎木曜日にGuernsey,Herm,Sarkからの定期便があります。定期便の他にチャーター便もあるそうです。
  3. 島内交通
    ミニバスまたはコーチで毎日14:00から2時間程のツアーがあります(予約要?)。タクシーでのツアーも行われています。
    路線バスは7月27日-8月28日の間のみサービスがあります。1日6本程度(8月は1本追加)です。St.Anne-港-キャンプ・サイト-Lonngis湾(東側の自然保護区)の往復するだけなので、島を一周することは出来ません。
    Railway Stationこの島には鉄道があります。土曜日・日曜日・バンクホリディのみの運行で1日3本。私が訪れたのは平日だったので列車が走っているのは見ていません。写真で見る限り、動力は蒸気機関でなくディーゼル機関のようです。線路はかなり狭い軌道ですが、これより狭い鉄道(約28cmの超狭軌!)に乗ったことがある私には普通に見えました。港近くの交差点のそばに駅舎があります(右写真)。もう一方の端は東側の自然保護区に囲まれた場所にあります。すぐ側には子供に人気があるミニチュア鉄道があるそうです。
    これ以外の移動手段としてはレンタ・サイクル、レンタ・カー、徒歩があります。レンタ・サイクルをやっているお店は3軒あります。私が借りたのは港の側のガス・スタンドでしたが、St.Anneにもあります。また、高速艇に同乗していた女性は自分の自転車を持ち込んでいました。レンタ・カーのお店も2軒あります。内1軒はMini Mokeも貸し出ししているそうです。これはゴルフ場にあるバギーみたいなもので、1台見かけました(運転免許要)。

島内観光
港近くのガス・スタンドで前籠付きのチャリを借りて、走り出しました。行く予定をしていなかったので、先ず、何処に何があるのか知るために地図を探しました。適当に走ったら石畳が続く道が見つかりました。そちらに進むと商店街が並ぶ道に入り、そこで雑貨屋や本屋を探しました。すると、運良くツーリスト・インフォメーションを見つけ、早速情報を仕入れに。そして地図(有料)も見つけました。これにはあちこち番号が振ってあって、その数147ヶ所です。遺跡も僅かながらあったので、それを目安に回ろうとしました。ところが肝心の現在地が分かりません。地図にはのマークがなかったのです。慌てて中に戻り、マークを入れてもらいました。チャリで少し走っただけなのに、知らない内にSt.Anne地区に入っていたことも分かりました。そして島巡りを開始しました。
  1. Alderney Museum
    Alderneyの歴史の展示を行っています。その中には1940年の撤退から1945年の返還までのドイツ軍の占領時の物も含まれています。そして、港の建物や防波堤、エリザベス朝時代の難破船、鉄器時代の陶器類、ローマ帝国時代の物も展示されています。建物は1790年に建てられ、英国諸島で建てられた最初のフリー・スクールの1つで、島の最初の学校でした。博物館としては1969年に開館しています。4-10月の毎日10-12時、月-金曜日は14-16時も、11-3月は事前申込みのみで開館しています。有料。
    ツーリスト・インフォメーションからHigh Streetを走るとすぐに見つかりました。当初入るつもりはなく探してもいなかったのですが、通りがかりのついでに入りました。展示物のレイアウトを渡され見ていたのですが、その内お腹が痛くなり、さっと見回して、図面を戻して慌てて外のお手洗いに飛び込みました。館員はあまりに早く見終わったので”どうして?”と。それなりに面白かったのですが、体調には勝てませんでした。スッキリした後で戻り、展示物の絵葉書を仕入れてきました。
  2. Standing Stone
    Standing Stone元々は隣接する野原にあった蓄牛集荷の標柱でした。地元ではマドンナ石として知られ、1960年代に現在の位置に置かれました。
    博物館から南に進んだつもりがいつの間にか東に進んでいたらしく、途中でおかしいことに気付いて近くにいた女性に聞いて下った坂をチャリを押して登りました。地図とチャリで距離感が掴めなく、曲がる場所を間違っていたのでした。空港の側を通るのが分かっていたので、そこまでは分かれ道で地図を確かめながら進みました。
    石は自然保護区の側にあり、石の袂にはその地区に対する注意書きが立てかけられていました。この石の説明かと思ったら、その注意書きでした。他には大して情報もない石でした。
  3. Sister RocksとBatterie Annes
    Standing Stoneから空港の脇の道を西へ向かいました。この道が実にガタガタで、前籠に入れたカメラのバッグが今にも飛び出しそうでした。オフ・ロードタイプのタイヤでないと、とても乗れない道で、途中ですれ違った船で同乗していた女性は自前のロード・レーサーを押して歩いていました。この道の状況に怒っていたみたいでした。
    空港の脇の道を海側にそれて、崖の上のパスを進もうとしました。ところが崖の上に着いたところで先の道が見つかりません。仕方なく引き返しましたが、その崖の先にあったのがSister Rocksでした。三角錐型の大きな岩礁が3つ並んでいるのでそう呼ばれているようです。景色は良かったです。
    元の道に戻ったところで、更に西に進むと舗装された道路に出ました。もう片方にガタガタ道が延びていたので、ちょっとだけそちらにも進んでみることにしました。そして行き着いたのがBatterie Annesという砲台です。このあたりが島の西端のようでした。その向こうにガネット(シロカツオドリ)の生息を観察できます。崖の上のパスはここまで続いているはずなのですが、余り使われていないせいなのか、上手く見つかりませんでした。おそらくチャリで進むのは無理なのでしょうけど。
  4. Fort Tourgis
    Fort Tourgis1855年に完成した島で2番目に大きな要塞です。33基の大砲と346人の補給員がいました。戦時中はドイツ軍の強力な防衛基地となり、20mmの対空砲があり、防衛拠点’Türkenburg’として知られていました。西側のClonque湾を見渡す丘には60cmのサーチライトがある掩蔽(エンペイ)壕があります。
    空港脇の舗装道路に戻り進んでいくと長い坂を下り始めました。道路の状態も良く、気持ち良くなって思わず飛ばしてしまいました。そんな時、見えてきたのがこの要塞です。坂の下まで下り、一旦浜辺で休憩を取りました。右手(東側)に家並みが見えかなり大きな集落があることに気付きました。この時点で、これが港近くであることに気付いていなかったのです。取り敢えずこの大きな砦を上から写真を撮ろうと、坂を上り戻っていきました。
  5. Roc à L'Epine~新石器時代の遺跡
    Roc à L'Epine島内には沢山の新石器時代の遺跡と石びつがあり、過去200年の間に殆どが破壊されたか損傷を受けています。多くはビクトリア王朝の時期でした。しかし、僅かながら残されていてまだ見ることが可能な物もあります。ここの石室のある墓の代表的な例です。
    上記の要塞の写真を撮った後で、更に坂を上ると、道路脇に文字が彫り込まれている石がありました。その文字をよく見ると、次に行こうとしていたドルメンだったのです。慌てて側の広場を見ると真ん中に小さなドルメンがありました。小さいけど大切にされているような雰囲気でした。要塞の上からの写真を撮りに戻らなければ危うく見逃すところでした。そしてここで、初めて自分がいる位置がよく分かったのです。距離感がここまで狂っていたのでした。島がそんなに大きくはなく、チャリだとかなり早く通り過ぎてしまうことに気付いたのです。この後は、そんなこともなく、距離感も戻り、迷うことはありませんでした。
  6. Zig-Zag
    急な斜面に作られたパスです。途中に歩行者用の避難壕があります。西側の2つのHannaineとClonque湾という湾を見渡せる絶景地です。このパスには一連の菌類が生えていて、その中には貴重なシロオオハラタケ(採取禁止)があります。
    上記のドルメンから坂の上まで登り、この面白そうなパスを一目見ようと西に進みました。実はドルメンを見る前に寄ろうと思ったのですが、脇へはいる道を見逃していたのです。途中まで進んだところで、その先があまりに急で、チャリに乗って降りるには危ないので止めました。下の方には立派な道が先のFort Tourgisから続いていて、干潮時に現れる道で繋がった離れ小島にあるFort Clonqueに行けるようになっていました。
  7. Iron Age Pottery Site
    Iron Age Pottery Site紀元前500年ほどの窯業場で、1968年にゴルフ場の開発時に発見されました。以降の発掘では住居を示す物が掘り返されました。この遺跡はAlderney協会が維持しています。
    島の東西を貫く立派な舗装道路をSt.Anneを抜けてひたすら東の自然保護区まで進みました。分かれ道でこのあたりと見回すとこの遺跡の案内がありました。すぐに遺跡は見つかりましたが、説明板がないと遺跡と分からないくらい草が生い茂っていました。地面が低くなっていて、手前に石が1つある状態なので、辛うじて分かる程度です。説明板にはかなり詳しく書いてありました。
  8. Fort RazとHanging RockHanging Rock
    Fort Razは自然保護区の中にある要塞の1つです。ビクトリア王朝軍のRat島の要塞として知られています。1855年に完成し、10基の大砲と66人が駐留していました。ドイツのレジスタンスの巣’Eilandfeste’となり、2基の10.5cmの海岸防御砲と20mmの対空砲、その他の多くの小さい武器が備えられていました。
    Hanging Rockはその側にある自然の岩で、斜面に突き刺さるような形で立っています。
    自然保護区の広々とした原っぱに出て、2~3台くらいの車が止まっていたので寄ってみました。海岸に出ると、右手に面白そうな岩が見えました。近くまでは道を回らないといけないので、Raz島までの道が丁度干上がっていたので石の根本(?)を見ることが出来ると思い進んでみました。しかし進んだところで、大して変わりはなく、より奇岩に見えただけでした。景色としては面白いです。そしてついでにFort Razを見ました。中へは入ることが出来ません。帰り道、干上がった回りの砂浜の景色が美しかったです。
  9. Shell HouseとMannez灯台
    Shell HouseShell Houseは地元ではChell Cottageとして知られていて、残念ながらかなり剥がれ落ちていますが、外壁に装飾が施されています。最近になって近代的なバンガローになりました。しかしまだ壁の一部を見ることが出来ます。壁には現在貴重となったオマール貝とホタテ貝の貝殻がずらっと並んでいます。
    Mannez灯台は1912年に建てられ、1994年に自動化されました。島では2つ目の灯台です(1つ目は島の西9マイル(14.5km)の島の領海域の端にあるCasquets灯台です)。高さ109フィート(約32.3m)に灯室があり、17マイル(27.4km)の範囲を照らすことが出来ます。
    自然保護区の中の道をちょっと遠回りして海岸沿いに出たところで灯台が見えてきました。Shell Houseとは?と思いつつ進んでみると貝殻を埋め込んで魚の絵が描かれている壁が現れました。なるほど…ということで記念写真を撮らせてもらいました。このあたりには他にかなり崩れ落ちた要塞が3つ程ありました。
その後、出来るだけ海岸の道を進みながら、線路や大きい要塞を横目に眺めていました。港が見えるBraye湾の東側に着いたところで休憩。列車の駅を見てもまだチャリを返す予定の時間には余裕がありました。そこで、もう一度中心のSt.Anneに戻りそこをウロウロ。おかげで朝、自分がどういう風に着いて歩いたかが良く分かりました。

  1. Visit Guernsey(英語):Guernsey島の観光局のオフィシャル・サイトです。Alderney島もカバーしています。
  2. Alderney(英語):Alderney島に関する観光情報です。