1996/6/27~6/30
Tarbertからバスで1時間20分、到着したStornowayはそれまでに比べると大きな町に思えました。Outer Hebridesの最大の島であるこのLewis島には約70%の人が、そしてその40%(それでも8000人余り)の人がStornowayに住んでいるそうです。Stornowayはこの諸島の行政的かつ商業的な中心地ともなっています。また、文化施設も備えられており、インターネット・カフェもありました。人はほとんど入っていなかったようですが・・・
地形 | |
フィヨルドの海岸は主に南半分に見られ、島の中には大小無数の湖が点在しています。大地の殆どは沼地と草地または岩だらけの草原や背の低い灌木が生えている程度でしたが、何故かLewis Castleの回りだけは森になっていました。 | |
Stornowayの町(Lewis Castleの前庭より) | |
交通 | |
Harris島とは地続きなので勿論バスが走っています。またStornowayからはあちこちにバスが出ているので、バスステーションまでありました。まあ、1日に走っている本数は少ないのですが・・・ 大型フェリーが本土のUllapoolと間を走っています。約2時間40分かかるのですが、UllapoolにはInvernessからのバスの乗り継ぎ(約2時間半)となるので若干不便なような気がします。本土の西海岸の旅(観光ポイントは少ないようです)を楽しむ人には都合はいいでしょう。 また、飛行機はGlasgow、Inverness、Benbeculaから飛んでいます。 Calanaisへは1日または半日のバスツアーもありますが、日程が合わなかったので、’Rover’ Ticketで回るコースを取りました。このチケットは巡回バスに指定の場所(Calanais-Dun Caloway-Blackhouse)と時間で乗り降りするもので、ガイドが付くわけではありません。このバスは途中スクールバスにもなり、地元の子供達と同乗することになりました。その賑やかなことといったらどこの世界も変わりません。 | |
その他 | |
この時期土曜日は羊の毛を刈る日に当てられていました。かなりの人が副業として羊を飼っているので仕事がお休みの土曜に行われるようです。(日曜日には働きません。) |
Lewis Castle | ||
繁華街(?)とBayhead Riverを挟んで建っているのがLewis
Castle。遠くから見ると外観は立派に見えましたが、近づいてみると窓にはベニヤ板が打ち付けられてあり、かなり傷んでいるようでした。中も公開されておらず少々がっかり。 しかし、回りの庭や木々は手入れされているようで歩き回って見るには十分でした。丁度花真っ盛りの季節だったので道の脇は真っ赤な壁があるようでした。お城を中心としておそらくOuter Hebridesで唯一と思われる森が広がっていました。 この辺りからはStornowayの街が見渡せます。また、Stornoway Harbourの入り口の2つの岬(Holm PointとArnish Point)も見ることができます。 | ||
Museum nan Eilean(Stornoway Museum) | ||
メインストリートを外れて少し坂を上がるとHeritage
Centreがありました。ここには展示等はなく単なるオフィスですが、更にその上の方へ行くと学校の敷地内にこの建物(元は研究所)がありました。ここにはLewis島の発掘調査の状況や出土品が展示してあり、なかなか興味深いものでした。また、それらをパソコン(Mac)で参照できるようになっていました。私が訪れた時は3台ある内、1台は故障中の貼り紙があり、1台は画面が凍結していて、結局使えたのは1台だけでした。そこで知ったのはチェスの原形とも思える品。chessmanが一般に見られている物とは違っていました。砂の中から出土したとあります。(チェスは知らないのでこれ以上説明できません。) 2階はWilliam MacGillivarayという人の絵画(水彩画)が展示されていました。スコットランドの自然を描いたものです。 パソコンで遊んでいたせいもあってかなりの時間をここで過ごしました。入場無料。 | ||
Calanais(Callanish) Standing Stones | ||
いよいよ待望のStanding Stoneに行ける!と喜んでいたら、何とその日は翌日も話題にのぼるほどのひどいお天気になってしまいました。私の都合にお天気が合わせてくれるはずはなく、この石達も長い間こんなお天気に何度も会ってきたのだと思いつつ眺めていました。 石が立っているところは小高い原っぱの上に立っていて、バスの中からも見えました。約4000年前に作られたということですが、現在の形になったのはずっと後だということです。Stonehengeのような他のstone circleとは違ってケルトクロスの形になっています。その形になった時代は約2000年前。キリスト教布教の前にクロスの形?と思いましたが、ケルトクロス自体はキリスト教以前から存在していたと後になって知りました。(鶴岡真弓さんの「ケルト/装飾的思考」) この石達を見るのは無料ですが、1995/6/30にすぐそばにVistor Centreがオープンして、そこのExhibitionは有料です。ここのオープンは観光資料を見る以前から知っていたのです。というのも、RunrigのDonnie Munroがオープンさせたとファンクラブの会報にあったのです。建物もちょっと面白い形をしていますが、Standing Stonesからは見えないように建てられていて、景観に気を使っているところが何とも言えません。お土産店やレストランもあります。 ひどいお天気とは言いながら、ここにいたときにはまだましな方でした。Vistor Centreもあったのでむしろ時間が足りないくらいでした。 | ||
Dun Carloway | ||
ここは鉄器時代に作られた砦です。2/3がなくなっている状態で、見晴らしの良い所にあるせいか風雨がひどくて傷んでいるように思えました。 石の壁は二重の上半分がない円錐形をしていて、2つの壁の間には階段が取り付けてあります。 この外側に立っていると風がきつくて飛ばされそうでしたが、中にはいると完全に防いでくれていました。中に入るのは自由です。入場無料。 ここでは次のバスの時間までかなりの時間が余ってしまい、更に雨風がきつくなってきてそのまま外ではいられない状態になってきました。そこでバスの運転手が勧めてくれた近くのホテルでティータイムとなりました。ちょっと戻るのですが、バスはそこで待つようにと言ってくれていました。次もその運転手だったので顔パスで乗りました。 | ||
Blackhouse at Arnol | (写真は表から見た半分) | |
ここまで来た時はお天気は最悪の状態でした。この建物は昔の農家をそのまま展示している物です。その時代から燃やし続けたと思われるピート(泥炭)が焚いてあって、非常に煙たかったのですが暖かさを感じました。外のお天気のせいでもあるのですが。しばらくその前に座って暖まっていました。昔の人もここでこんなことしていたのでしょうね。 家の中は寝室や台所といった生活の場と、裏手には牛小屋やわらを積んだ納屋が続いていました。 近くには素敵な海岸があるようですが、ひどいお天気のため見ることもできませんでした。 |
Loch Erisort | ||
土曜日にStornowayの南の自然を満喫するツアーで訪れた美しい入り江です。このツアーはbirdwatchingも楽しませてくれます。何かの餌をキャッチするところも見ることもできました。しかし、ハイライトは鳥でなくてラッコでした。Loch
Erisortの南にある小さな入り江に野生のラッコが2匹現れ、1匹がしばらく岩の上でフォームをとってくれました。遠くからみんなで余り脅かさないようにじっと見ていました。(残念ながらこの辺りの写真はきれいに撮れていません。) この入り江から南に下った所からはThe Minch、遠くにはSkye島が見えます。Outer Hebridesの人達は何故かSkye島に行ったか?と聞いてきます。観光地としてライバル視しているのでしょうか?それとも単に素晴らしい所なので勧めているのでしょうか? 真意は分かりませんが、両方とも素晴らしい所であることは確かです。 |
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Bonnie Prince Charlie’s Mounment | ||
日曜日は歩き回るだけとなってしまい、Stornoway Horbourの入り口の片方の岬Arnish Pointまで延々と歩きました。そこにぽつんとあったのがこのモニュメント。大したことはないのですが、スコットランドの人達がBonnie Prince Charlieに寄せる思いは格別のようです。 | ||
Lewis War Memorial | ||
Stornowayを見下ろすように建っているのがこの記念碑。この正面にはケルトクロスが建っていました。ここからStornowayの町や回りの野原、湿地が見渡せます。夕食後(といっても10時過ぎていましたが)の散歩で訪れました。 | ||
Lewis Room Centre | ||
どういう所かと言えばHarris Tweedの工場兼販売店です。Stornoway出発の朝に時間があったので寄ってみたのです。織機や羊毛と羊の関係の展示、布地と服等の販売品がそこらじゅうに雑然と置いてありました。重いので見るだけの予定でしたが、端切れで作った可愛いネズミがあったのでネズミ年の姪のお土産にと買ってしまいました。たったこれだけの買い物にもかかわらずお店の人(オーナー)は手紙を出すからノートに住所と名前を書いてくれと言い、更に日本語のパンフレットを探してきて品物と一緒に入れてくれました。(帰国後、おそらくここからと思うのですが、Western Islesの観光パンフが届いていました。) |