Mull島/Isle Of Mull | |
Inner Hebridesで2番目に大きい島(1番大きいのはSkye島)。中心となる町は北の端に近いTobermory。 地形に富んだ島(Scotlandでは普通か?)ですが、谷間を縫って走る幹線道路は比較的なだらかでした。しかし所々にかなり古い石橋を通るせいか、大型バスの運転手は技術を磨かないとなれないのでは?と思ってしまいました。おまけに、途中で牛は彷徨いているは、羊は道の真ん中で寝ているは、で快適なドライブには難がありそうでした。 本土のObanから近いので日帰りツアーも出ているようです。 |
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交通 | |
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Tobermory | |
Mull島の中心となる町なのでやはり賑やかでした。港沿いにはカラフルな家並みがあり、その写真は観光案内にもよく使われているので見られた方も多いでしょう。その1階はレストランや生活用品の店等になっていました。私が訪れたのは日曜日でしたのであいにく博物館や美術館は閉まっていました。レストランやツーリスト・インフォメーションは営業しているのでちょっとした時間を過ごすにはそんなに不便ではないのです。しかし、私がいた約4時間は雨が殆ど止まない状態でしたので過ごす場所に困り果ててきました。港に迫る高台(殆ど住宅)からは晴れていれば綺麗な眺めが堪能できる様でした。私はその眺めを帰りのバスから見ることができました。以下に美術館などの会場を挙げておきます
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Bunessan | |
泊まることがなかったら通り過ぎた時にちょっとした村があったくらいにしか記憶に残らない所ですが、私には良い思い出の所となってしまいました。英国旅行マップには載っていませんが、Scotlandだけの地図には載っていますので、一度確かめてみて下さい。 村にはホテルが2軒、レストランが2軒(1軒はホテル内)、雑貨屋が2軒、クラフトショップが1軒、という程度で後は住宅が並んでいるだけです。Ross of Mull Historical Centreが外れにあったのですが、よく分らずまた開館時間にはいなかったので入っていません。後は学校くらいかな・・・B&Bは数軒やっている様でした。こんな状態の所ですから、とっても静か。日本・韓国で行われていたワールド・カップなどは全く聞こえてこないのです。ラジオも電波が入らない(AM局の周波数がつかめなかった)。 産業は農業と漁業の様で、割に立派な埠頭もありました。この埠頭あたりからStaffa島やTreshnish諸島も見えるのです。またMull島最高峰のBen Moreも眺めることができました(夕方はいつも雨が上がって空気が澄んでいたのです)。 CraignureからFionnaphort行きのバスで約1時間、この次の村がFionnaphortです。 |
Mull島の壮大な景色 | |
Mull島は殆どが山で低いわずかな所に人が住んでいるという感じの島でした。町と呼べるのはTobermoryだけで、後は交通の要所となっているCraignureでさえも村と呼んだ方が良いくらいの大きさです。家はまばらで、民家がない所をバスが10分も走るのも珍しくないという状態でした。しかし、そんなバスから眺める景色は実に壮大で、フォーカスを合わせ難いにもかかわらずかなりの量の写真を撮ってきていました。
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今回Mull島に行きたかったのはこのStaffa島に行ってみたかったためでもあるのです。Obanからも日帰りツアーが出ていますが、Mull島にも滞在したいしということで滞在中に行ってみようと思ったのです。(Obanからのツアーでも結局Mull島を通ることになるし。)Fionnaphortから飛び込みでボートに乗ることができますが、私はIona島に渡ってちょっとした見学をした後で船に乗り込みました。私が乗ったボートはIona島から出発しFionnaphortに回ってStaffa島へ向かいました。(実はこの時点で後でとんでもないことになると気づかなかったのです。)ボートは思ったよりも揺れた様には思わなかったのですが、帰りにはスピードを上げていたせいかかなりの人が水(勿論海水)を被っていました。また、犬もOKでこの時は4匹いました。島を出発する時係の人が3回くらい人数を数えていたのですが、客の一人が最後に”犬は数えたか?”と。係員は数えたようで飼い主の一人は小さい犬を抱えて”ここにもいる!”と。皆さん、お茶目な様で・・・ガイド役のおじさんがこまめに客の間を回って説明してくれます。また、日本語の案内文(コピー)もありました。島の名前がまちまちなのが気になりましたが。 | |
Staffa島およびFingalの洞窟 | |
Mull島のFionnaphortの北約10kmに浮かぶ無人島(現在)です。この島は北IrelandのGiant
Causewayと同じく六角形の玄武岩の柱が並ぶのでも有名な所です。地質学的にはGiant
Causewayと繋がっていると言われています。また、ケルト伝説の巨人Finn
mac Cumhallが好きになった巨人の女性がここのFingalの洞窟に住んでいたという伝説もあります。このFingalの洞窟はメンデルスゾーンの交響曲の”フィンガルの洞窟”でも有名なのですが、"Fingal's
Cave"という曲だったら私のお気に入りのバンドWolfstoneのアルバム”Seven”に入っているトラッドの方が親しみがあるのですが・・・ 島全体は切り立った岩の上は平たい感じで、六角柱の岩は下の方で支えている様な形になっています。下の写真はIona島からの写真で遠いために少々ぼけていますが、全体の感じを掴めると思います。Fingalの洞窟その右の端に近い所にあります。右の写真がFingalの洞窟で、こちらはボートツアーで近づいた時に撮ったものです。 |
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パフィン(ツノメドリ)達 | ||
Staffa島はナショナル・トラストの保護区にもなっていて、この島に生息する水鳥達の天国にもなっています。その中でもパフィンは特に人気があって彼等を見るためにこの島を訪れるという客が殆どでした。ガイド案内で右手の方の崖の上にいると。私はとりあえず上陸地点の北側の景色をちらっと見た後にその方向へ。道がある訳ではないので皆が向かっている所へ。着いた時には10人くらいの客が座り込んでいました。一番手前にいたガイドが私に気づきパフィンがいる方向を指してくれました。この時は1~2羽が草の陰に隠れて余り見えなかったのですが、しばらくすると私の右手の方に数羽が降りてきてその姿をはっきり見せてくれました。距離は約2mくらい。人をおそれる気配は全くありませんでした。最初は人間の方が多かったのに、そのうちパフィンの方が多くなって何だかこちらが見られている様な気がしてきました。飛ぶ姿もカメラに収めようと・・・こういう時デジカメは助かります。撮れたかどうか確認しながら数枚撮ることができました。よく海辺で写真を撮ると鳥が勝手に飛び込んできて写っているのにいざ飛ぶ鳥にフォーカスを合わせるとなると苦労します。 翌日宿の奥さんに”昨日は?”と聞かれ”Staffa島に行ってパフィンを見てきた”と言ったら、奥さんは”パフィン、大好き!”と言ってました。 写真右はそのパフィン(よく撮れてるでしょう?)、写真下は崖の上に並んでパフィン達を見ている人達(座っている、人間と崖っぷちの丁度真ん中くらいにいます)、写真右下は飛ぶ姿(格好は良くはないけど)です。 |
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Treshnish諸島 | ||
Mull島の西側の海に取り残された様に並ぶ小さな島々です。FionnaphortからStaffa島に向かう時によく見えましたが、宿泊したBunessanからも見ることができました。島の大きさはStaffa島と余り変わらないくらいなのでおそらく無人島だと思われます。右の写真は諸島の南半分をStaffa島から撮ったもので遠いためにぼけた様になっていますが、その姿を感じ取って下さい。 写真上-Lunga/An Calbh:諸島の最大の島で、2つの島が繋がっているようです。野鳥の保護区にもなっているようです。 写真中央-Bac Mòr or Dutchman's Cap:横から見るとその姿が非常に特徴のある島です。最初にBunessanからこの島の真ん中だけを見た時あれがStaffa?と思ったくらいでした。自然の造形の面白さをもっと近くで見ることができたら良かったのですが・・・地図によると南の端は溶岩台地になっているとか。 写真下-Bac Beag:諸島最南端の島です。あまりに小さいのでかすかにしか捉えることが出来ませんでした。 尚、この諸島へも回るツアーも出ている様なので興味がある方はツーリスト・インフォメーション等で情報を入手して下さい。 |
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ボートツアーは2時間半くらいです。これを私はどう間違ったか、1時間と思っていたのです。どうやら片道1時間(帰りは早い)を取り違えた様で、島に上陸した時は3時半を過ぎていました。FionnaphortからのCraignure行きのバスの最終は16:20。単にすぐ戻っても間に合わない時間でした。島の上陸も40分以上はあったはず。島で気づいてもどうしようもないのでそのままツアーを楽しんでいました。Fionnaphortに戻ったのは16:50。当然バスは姿はない。幸い隣の村に泊まっていたのでテクテクと歩いて帰ることに。その前に近くのお店で水とスナックを仕入れました。8km強の距離で途中、写真を撮りながら行くはずなので約2時間半の時間で戻ることができると思いました。まだ十分に明るいし、道は1本なので迷うこともないし・・・。約1km半歩いた所で赤いバンが止まっておじさんが”Bunessanに行くのだろう?乗るか?”と言ってくれました。”何でこの人私がBunessanに行くのを知っているのか”と思いつつ乗り込むと、”私はあんたを知っている。昨日うちの店で買い物をした”と。村に着いてすぐに必要品を買いに走った雑貨屋の店主でした。現地で買い物はするものですねえ。 |
Mull島を後にしObanへ向かう日にフェリーに乗る前にもうちょっとMull島を見ようとしました。丁度Craignure近くにフェリーから見えたお城に興味を引かれ、Obanにそんなに急いでいく必要もなかったので4時間くらいの時間を使って行ってみようとしました。ところがこのお城、歩くと2時間くらいかかりそうなので自力でということができません。サービスバスがないかをツーリスト・インフォメーションで聞くと”ない”と。Mull鉄道は?と聞いたら”ムリ”という返事。でも、もう一つのお城とMull鉄道がセットになったツアーがあると言ってくれ、よく分からないまま聞き返すと隣のCaledonian MacBrayneのカウンターでチケットを買って行くことができると丁寧に説明してくれました。出発は随時だけど、3時のフェリーに乗れるように帰ってくると言われそこでチケットを買いました。荷物は置いていて良いかというと”ダメ”と。フェリー乗り場の所に預ける様に言われて行くと、そんな所がない。仕方なく乗船券を切っていたおじさんに聞くと”私が預かっておくから”と言ってくれました。3時のフェリーに乗ることを伝えておいたので約束の時間にちゃんと(機械室の中から)出してきてくれました。後で考えたらツアーバスに乗せてくれた様な気がする・・・こんな事でツアーバスに乗り遅れた・・・と思ったらバス停を一周して戻ってきてくれたのです!乗った途端、(運転手の)犬に吠えかけられてビックリしましたが後は順調でした。(このツアー、Obanからも出ています。城の入場料と鉄道の運賃はチケットに組み込まれています。) | ||
Duart Castle | ||
これがフェリーから見えたお城です。海岸の岩の上にがっしりと建てられいかにもScotlandのお城という感じがしました。フェリーから見た時に観光客らしき人達がいたので見学できるんだ!と思ったのでした。 城は13世紀に建てられたもので、Maclean一族の総本山とか。中は自由に見学できます。特に一族に関連した展示物は興味を引かれました。最近の3代や記念行事(コンサートもあったらしい)などもあり代々続いて現在も健在であることを示していました。 結構じっくり見たので1時間の見学時間はちょっと短かった様な気がします。外には大砲なども展示してあり、このお城が他のScotlandのお城と同じ様に”dun(砦)”の様相をしていると思われます。 4月1日-30日は日-金曜日11:00-16:00、5月1日-10月中旬は毎日10:30-18:00に開館。有料。 |
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Torosay Castle and Gardens | ||
もう一つのお城がこちらです。Duart Castleと比較するとこちらは英国式で、庭園もある宮廷を思わせるものでした。外見もいかにも貴族的な雰囲気です。時代も新しく19世紀の中頃に完成しています。 中はごく一部のみを公開しているだけでした。庭園は綺麗に手入れされていてまさに”英国式”です。バラなどが咲いていましたが、時期的に少し早いのか開花中の花はわずかでした。それからこういう庭園にはよく異国情緒を思わせる場所あるのですが、ここにも”日本庭園”らしきもの(写真右下)がありました。太鼓橋に石灯籠・・・これが観光案内の写真に使われていたのでいったいどこにあるのかと思っていたのですが、こんな所で出くわしました。特に見たいと思ってはいなかったのですが・・・London郊外にこんなのがあったら”まあ、綺麗”なのでしょうけど、Mull島ではちょっと不釣り合いの様な気がしました。 3月下旬-10月下旬、毎日10:30-17:00開館。期間外は庭園のみ日中のみ開放。有料。 |
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Mull鉄道 | ||
このツアーの最後のアトラクションがこの超!狭軌鉄道です。Torosay
Castleのすぐ近くに出発点があるのでそこまで歩いていって乗り込みます。これを見た途端、ツーリスト・インフォメーションで移動で使うのは無理と言われた訳が分かりました。それまで狭軌鉄道というとWalesやMan島で乗ったミニ鉄道くらいだったのですから。 車両の高さは1mくらいだったでしょうか(写真下右の奥の方を見て下さい)。線路の幅は資料によると260mm(26cm)!とあります。そんなに狭かったかな・・・男性の足のサイズくらいだからそうだったかも。とにかくたまげてしまいました。客室(?)は勿論自分でドアを開けて乗り込みます。コンパートメント形式といえるのでしょうが。座席は横1人分(小学生くらいだったら2人分、太った方でもちゃんと座れる幅はありました)。車両の端を除けば、向かい合わせで座ることができます。チケットはホームを歩いて係員が窓(ガラスは入っていない)越しに集めていました。 車両は蒸気またはディーゼル機関車(写真左下)が引っ張ります。観光資料には眺めが良いとありましたが、殆ど森の中で回りの木々を見て、その間から向こうの山々を垣間見る程度でした。Craignureの旧埠頭の駅まで約20分。旧埠頭駅には立派な駅舎があり、いろんなお土産を売っていました。(商魂たくましいのはScotland人らしい。) イースター-10月中旬、毎日11:00-17:00運行。時刻表をチェックのこと。勿論有料。 |
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