Stirling

1994/7/15(fri)~7/17(sun)
最初の予定ではこの日程のところはPerthに泊まるつもりでいました。ところがAberdeenでどうしてもLoch Lomondに寄ってみたくなり、より近いStirlingに泊まることにしたのです。Aberdeenから途中まで北海を眺めながら約4時間、着いた町はバスツアーでちょっとだけ訪れただけでしたが再訪となりました。そして宿のおばさんと色々話している内に2年後に行くことになるCalanaisの写真を見せてくれたのです。不思議な形のスタンディング・ストーンに惹かれてしまいました。一つの旅が、別の旅を呼び込んだのです。
Stirling Stirling and Rvier Forth
EdinburghとGlasgowを結んだ線のややGlasgow寄りの約25km北にある町で、Stirling城を中心に広がっています。市内を流れるForth川が蛇行して通っています。(右の写真) Stirling城とWallace Monumentがある丘を除けば平坦な所で、丘の上からの眺めはお天気にも依りますが気持ちがいいくらい遠くまで見渡せます。
この町には日本人の留学生が100人くらいは来ていると聞きましたが、夏休みだったのか見かけませんでした。
Stirling城の麓にある2つの像
ツーリスト・インフォメーションからStirling城へ向かう途中に有名な2人の像が建っています。
  1. Robert Burns:スコットランドで最も有名な詩人
    別にStirlingが特にゆかりの地と聞いてはいませんが、何故かここにありツアーでも紹介されていました。特にその顔立ちがハンサムと言っていました。確かにそうでした。
  2. Rob Roy:スコットランド版ロビンフッド
    ここを訪れた1年後に日本でもLiam Neesonが演じた"ロブ・ロイ"が封切られましたが、それまでは日本では馴染みがない人でした。私はここを訪れる前に旅行書で読んでいたのでツアーの説明にもついていけました。ここの像を見た後にL.Neesonが演じると聞いてイメージが随分違うな・・・と思ったのです。像は割に小さい人という感じのものでしたから。映画はちょっと美化しすぎかな?
Tartan Festival
ツーリスト・インフォメーションで宿の予約をした時に、係の女の子が「音楽は好き? 今夜Albert Hallでこんなのがあるけど」と言って渡されたのが"Dunedin Band Extravaganza"という演奏会のチケットでした。その時に行われていたTartan Festivalの一行事でした。音楽をきっかけにずっと回っているのにそんな機会がなかったことをここで思い出しました。渡されたチケットは金額は書いてありましたが、係の子は"招待です"と言っていました。でも会場でもお金は取っていなかったようです。
演奏会はAmericaの高校生によるバグパイプを加えたブラスバンドで、Highland DanceやIrish Danceも披露してくれました。指揮者の女性(先生)がHighland Gamesで優勝者に渡されるトロフィを特別に渡されていました。生徒の方はIrish Danceを踊った2人を除いて皆キルトのスカートをはいていました。

Loch Lomond

旅の前半でバスや列車から見ただけでしたが、その美しさに惹かれこの湖の畔を歩き、できればクルージングもと思い、宿泊地の予定を変えてまで訪れたくなった所でした。StirlingからLoch Lomondまでの良いルートをツーリスト・インフォメーションで尋ねたところ、一旦Glasgowまで出てそれからLoch Lomond行きの列車に乗るのが一番と言われました。これならGlasgowで行っておけばいいものを・・・この頃になるとBrit Rail Passは残すところ1日でLondonまでの長距離に残しておきたかったので往復切符を買っています。Glasgow乗り換えですが、切符は通しでくれました。Glasgowで途中下車しても全く問題ありません(改札で切符を切らないため)。列車も土曜日だったので割に頻繁に通っていました。
Balloch Castle Country Park
列車の終点BallochからLeven川(Loch LomondからClyde川へ流れる)に架かる橋を渡るとすぐに大きな公園が広がっています。クルージングの予約をしたら午後2時からだったのでしばらくその辺りを散歩していました。この辺りの岸から既に歌に歌われている"bonnie banks"と言える程のものでした。
岸の沿って歩いていくと私有地の前で行き止まり。私有地との境の細道があったのでそこを上の方へ登っていくと森の中。いくら進んでも森を抜けることができなくて・・・戻るに戻れず少々慌てましたが、方向感覚は失っていなかったのでBalloch Castleのある方へ進んでいくとやっとお城の所に出ることができました。
公園に入る前に買っておいた昼食をお城の前庭で取ることにしましたが、気持ちがいいお天気だったので芝生の上に座っていただきました。その前庭は実はRunrigのビデオ"Wheel in Motion"で何度も見た所だったのですが、あそこに5万人(Skye島の年刊誌には4万人とあった!?)もの人が集まるとは到底信じられません。他にそのような場所があったとは思えません。
Loch Lomond Crusing Loch Lomond & Ben Lomond from Luss
Loch Lomond & Ben Lomond from Luss
橋のたもとにある船着き場からLussというリゾート地へ往復する約2時間半のクルージングです。この間にLoch Lomondの中にある島々の間を抜けていきます。島といっても人が住んでいるわけではなく、岩礁を大きくして木が生えている程度のものですが、船から眺めるには十分です。格好の水上スポーツの場所でもあるようです。
到着したLussからはBen Lomondがきれいに見えました。1000mもない山ですが、この辺りでは一番高いようです。岩がむきだしになっているところもあり、形もきれいとはいい難いのですが、湖と合わせると絵になります。
”Loch Lomond”という歌
有名なスコットランド民謡です。今では私はRunrigのライブ・バージョンが頭の中に入っていますが、最初は中学の時に英語の先生が教えてくれた最初の英語の歌でした。メロディも歌詞も覚えてはいませんでしたが、このタイトルだけはしっかりと覚えていました。というのもこの"loch"がスコットランドの方言で"lake"という意味だと聞いた時、「英語にも方言があるんだ!」と思ったのです。ここはそんないわく付きの場所でもあったわけです。
この歌はJacobite("ロブ・ロイ"の映画では"スチュアート家支持"という字幕がついていましたが)の兵士が故郷の美しいこの湖を懐かしんで作ったものと言われています。歌詞の中の"You'll take the high road and I'll take the low road"というところの"the high road"は生を、"the low road"は死を意味すると言うことです。Glasgowからのツアーのガイドもその説明をしていました。でもRunrigのコンサートでは元気にこの部分が繰り返されていますが・・・

Heritage Tour ~ Stirling市内観光

一周約50分の屋根無しの2階建てバスのツアーで、始発はStirling城から出ていました。お城までの坂の途中にある宿でしたので、近くて良いと思っていましたが、かなりの坂で何回も登りたくはないものです。お城に行かなくても下のバス停からも乗れますのでそちらからでも良かったのですが、時間を目一杯使いたかったのです。市街地から3kmは離れているWallace Monumentまでも回るので結構時間がかかるように感じました。
Stirling Caslte
いつもの様に先ずは一周してから降りる場所を決めることにしましたが、やはりStirling城を見ないわけにはいきません。同じように岩の上に建つEdinburgh城と比較されていますが、どちらにしても見応えある所です。回りの景色も良いことだし・・・この日もお天気が良かったので遠く前日見たBen Lomondも見ることができました。
お城の中は改修中もあり、昔のままの状態は全く望めませんが、調度品は一見の価値はあると思います。かなりの範囲で城壁の壁の上を回ることができますので周辺の様子がよく分かります。敵が来るのもよく分かったことでしょう。
(写真はWallace Monumentから見たお城です。ズームを使ったために霞んでいます。)
Stirling Castle
King’s Knot
そんな眺めの中に変わったものがありました。城のすぐに下にあるとっても変わった形の庭です。"king's Knot"と呼ばれるもので、バスツアーのガイドが説明していたのをその後に知りました。その形はcup & saucerをデザインしたということです。ツアーが終わってからその中に入りましたが、凸凹があるだけにしか思えませんでした。(写真下左)
Stirling Old Bridge
15世紀に作られたのがこの橋で、場所は1297年にSir Wlliam Wallaceがイングランドとの戦いで勝利をおさめた場所のすぐそばです。1831年にStirling New Bridgeが開通するまでForth川にかかる一番下流の橋だったとか。きれいな形の橋でした。(写真下右)
King's Knot Stirling Old Bridge
Wallace Monument Wallace Monument
次に訪れようと思ったのがこの塔でした。13世紀半ばから14世紀初頭までスコットランドで活躍したSir William Wallaceを記念して建てられた塔です。この人物はこの後にMel Gibsonが製作/主演した映画"ブレーブ・ハート"で日本でも広く知られるようになりました。
小高い丘の上に建っているのですが、塔の下まで行くのも急な坂でした。息を弾ませ登っていると私と一緒に降りたHeritage tourの人達が丘の上まで乗せてくれるバスで追い越していきました。丘を登りきったところで付属のレストランで休憩。このためか、次のHeritage busに乗り遅れてしまいました。(何だかしょっちゅう乗り遅れているようです。)
塔は220フィート(約67m)の高さで、中の階段は螺旋階段で246段あるそうです。丘の上の更にこの高さですから、かなりの高さになります。屋上も登ることができ、吹きさらしの状態でした。風があったので足下が揺れているような気さえしました。
中にはSir William Wallaceにまつわる戦争に関する展示やスライドなどがありました。外壁にはその像がくっつけてあります。

(写真はStirling Castleから撮ったMonumentです。お城と同様に、ズームのために霞んでいます。)
Stirling University Stirling University
スコットランド一美しい大学と言われているそうです。確かに回りを見渡すととてもきれいなところで、勉強が落ち着いてできそうです。お天気が良い日は勉強どころではないかも知れませんが・・・夏休み中でおまけに日曜日だったので学生の姿は殆ど見られませんでした。その代わり子供連れの親子をよく見かけました。
ここへは当初寄る積もりはなかったのですが、Wallace Monumentでバスに乗り遅れたので、時間潰しにと思って近くだったので歩いていきました。バス停はこの大学にもあるので丁度良い時間が作れました。芝生(刈り込まれた単なる草かも知れませんが)に腰を下ろして、自分が行った大学には全くこんな環境はなかったな・・・と羨ましい限りでした。

  1. ローモンド湖とスターリング(英語):ローモンド湖とStirlingの町に関する情報のページです。