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貫線(Kan Line or Traverse Line)―3
東の九大前から西の姪浜(めいのはま)まで、福岡市の主要部を東西に貫通する路線は、貫線と通称されている。
(1975-11-1に、九大前―姪浜11.9kmが廃止された。)

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今は無き西日本鉄道/福岡市内線の軌道風景(1959〜1964年)
Past sceneries along Fukuoka Steetcar Lines of Nishi-Nippon Railroad Co.
in between 1959 and 1964.
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博多と福岡(confrontation between Hakata and Fukuoka)
福岡市は、市街を南北に貫く那珂川を境として、東は歴史のある港町・商人町の博多、西は黒田藩52万石の城下町、福岡、に分かれている。
1889年の市制施行の際、市名を巡って博多と福岡が対立した。
博多の商人は、独立論までを唱えて、博多市を主張しましたが容れられず、県告示で福岡市と決まった。
それに不服の博多側は、1890年の市会に市名改称を提議、票決で 13対13 となったが、議長が福岡に投票したので、改称はならなかった。
しかし、1890年に開通した鉄道は、駅が博多側にあったので、 博多駅 となり、それは、今も続いている。(尚、福岡側には、西鉄の福岡駅がある。)
1972年に、福岡市が政令指定都市になった際、博多区が出来た。福岡区は出来ず、代わりに中央区が出来た。

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東中洲〜県庁前間―1963-3-17
ここは、那珂川に架かる西大橋である。左(西)側の岸は城下町福岡、右(東)側の岸は商人町博多である。
向こうに見える橋は、西中島橋(50m道路)である。
この辺りの風景は、当時、東京の江戸橋付近に似ている、といわれた。

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県庁前(けんちょうまえ)―1963-3-17
西大橋から、県庁前の方向。右に水上公園の木立がある。
左の煉瓦造りの建物は、大同生命である。 その向こうに県庁の敷地がある。

福岡県庁―1959-8-15
県庁は、ここ、天神町にあったが、1981年に、博多区東公園に移転した。

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県庁前(けんちょうまえ)―1963-3-17
東中洲方向。
中央のビルは、平和ビル。その向かいが県庁の敷地である。

天神町(Tenjin-no-cho)
天神町は福岡地区の中心地である。東西方向の貫線と、南北方向の循環線が、十文字状に交差している。
また、西鉄大牟田線の始点、西鉄福岡駅がある。
「天神町」停留所は、後に、「天神」と改称された。

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天神町(てんじんのちょう)―1963-3-17
東側から交差点の方向を見たものである。電車は5系統姪浜行き.558である。
左手前は福岡ビル(1961年完成)である。
交差点の向こう、左は岩田屋百貨店で、ここには西鉄福岡駅がある。
交差点の向こう、右は天神ビル(1960年完成)である。福岡屈指の事務所ビルである。

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天神町(てんじんのちょう)―1960-7-3
東側から見た交差点。電車は500形である。系統番号は未だ用いられていない。
左は岩田屋百貨店で、ここには西鉄福岡駅がある。
右には天神ビルがある。

天神町(てんじんのちょう)―1960-7-3
西側から見た交差点。左の電車は.1009A+B連接車、右は.519である。
交差点の向こう、左は三菱銀行である。

天神町(てんじんのちょう)―1964-3-27
交差点の東側。
手前の電車は、臨時系統西新町行き.122である。これは北九州線から転入した木造ボギー車である。

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万町(よろすまち)―1964-3-27
東方の天神町方向。
左の電車は2系統九大前行き.1104A+B連接車(=1100形)である。
1100形は、1000形と同じく1954年の入線だが、自重と台車に差がある。
左の大きなビルは、天神ビルである。

西新町(Nishijinmachi)
西新町では、貫線から城南線が分岐している。付近は、福岡市西部の商店街となっている。
停留所名は、後に「西新」と改称された。

西新町(にしじんまち)―1963-1-26
今川橋、天神町方向。電車は2系統九大前行き.561である。
安全地帯の縁に、残雪が見える。1963年は、全国的に降雪が多く、「昭和38年豪雪」と呼ばれた。

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西新町(にしじんまち)―1963-1-26
防塁前、姪浜方向。電車は臨時系統室見橋行き.577である。

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室見橋(むろみばし)―1963-1-26
愛宕下、姪浜方向。手前に亘り線が見える。
電車は、左が臨時系統姪浜行き500形、右は7系統博多駅前行き500形である。
ここから先は、単線である。

室見橋(むろみばし)―1963-1-26
早良口(さわらぐち)、西新町方向。電車は7系統姪浜行き500形である。
室見橋〜姪浜は単線である。姪浜までに、愛宕下、竹の山四丁目の2停留所があり、いずれも行き違いが可能である。

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室見橋(Muromibashi)
室見橋は、室見川に架かる橋である。往時、室見川は、躍り食いにする白魚が獲れる事で知られていた。

姪浜(Meinohama)
福岡市街の西のはずれにあたる。国鉄/筑肥線姪浜駅とは400mぐらい、離れている。
筑肥線は、気動車列車が1時間に1本程度の運転なので、運転頻度で西鉄の方がはるかに優勢である。

姪浜(めいのはま)―1963-1-26
終端方向。7系統博多駅前行き124が停まっている。
この部分は、2線になっている。

©T.O.

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姪浜(めいのはま)―1963-1-26
終端部分。7系統博多駅前行き124が停まっている。
この部分は、2線になっている。
左に火の見櫓がある。

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